ケイチャン
【2023年77冊目】
今回ご紹介する一冊は、
今野敏 著
『署長シンドローム』です。
もくじ
【感想】「その美貌こそ、最終兵器！」
『隠蔽捜査シリーズ』のスピンオフ作品
剛毅実直の男、竜崎伸也の後に
大森署に赴任してきた
新署長の藍本小百合（あいもと さゆり）
彼女こそ警察界の最終兵器であった！
新署長は女性だって？
まだまだ男社会の警察界
不安に思う貝沼副署長だったが
その心配は杞憂でした
全てを撃ち抜く、美貌
その美しさに男たちは
紅きレーザービームのように
心臓を撃ち抜かれ
心を溶かされて
魂はひれ伏すのでした
・・いったいどれほど美しいのか笑
かくして藍本小百合は
女帝として、大森署に君臨し
敬服されていた竜崎の後釜に
すんなりと納まるのでした
と、ここまでが
隠蔽捜査シリーズの
9.5巻までのお話
本作は主人公として抜擢され
さあ、どんな活躍をしてくれるのか？
本作の語り手は
副署長の貝沼さんです
中間管理職の彼の語りは
基本、ボヤきです
高圧的な上司や
心配をかける部下に
挟まれて
心労の絶えない貝沼副署長
そんな中おとずれたのが
大規模な麻薬取引の情報
大森署に前線本部が
置かれることになりました
警視庁の部長が指揮し
厚労省から麻薬取締官も来る
しかも
ひと癖もふた癖もある
厄介な奴らばかり
異なる組織が集まり
案の定始まるマウント合戦
協力し合わねばならないのに
こんなんで大丈夫なの？
しかも事態は
麻薬取引だけでなく
さらに深刻な武器が出現し
混迷の度合いが深まるのでした
事件の解決はなるのでしょうか？
男社会の警察界
マウントをとるために
偉ぶったり難癖つけたりと
男の嫌なところが目立ちます
あ～ヤダヤダ
そこに颯爽と現れるのが
美貌の麗人、藍本署長
全てを壊す彼女の美しさは
下らないマウント合戦をやめさせ
男たちは協力し合うことになる
・・だって藍本署長のためだから！
偉そうな警察幹部が
へにゃへにゃっと
藍本署長にひれ伏すところが
おかしいww
正反対のように見える
竜崎と藍本小百合ですが
ブレず、自分の意思を通す
ところは似通っています
自分を持ってる人って強い
男社会の警察界を
旋風のように突き抜ける
藍本署長の姿が
心地良いです
ニューヒロインの活躍に
心躍るエンタメ作品でした
隠蔽捜査シリーズで竜崎と
タッグを組んで事件に向かう
ことが楽しみです
作品紹介（出版社より）
『隠蔽捜査』でおなじみ竜崎伸也が大森署を去った後、さっそうとあらわれた新署長・藍本小百合が、凶悪事件を解決する！
作品データ
タイトル：『署長シンドローム』
著者：今野敏
出版社：講談社
発売日：2023/3/8
作家紹介
今野敏 （こんの・びん）
1955年北海道生れ。
1978年上智大学在学中に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。
2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞 受賞 。
2008年『果断―隠蔽捜査2―』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞。
さまざまなタイプのエンターテインメントを手がけているが、警察小説の書き手としての評価も高い。
今野敏の作品
『 怪物が街にやってくる 』 （短編集）（1985年7月）
『隠蔽捜査 – 隠蔽捜査1』（2005年9月）
『 果断– 隠蔽捜査2 』 （2007年4月）
・
・
・
『 精鋭 』（2015年2月）
『 マインド– 警視庁捜査一課・碓氷弘一6 』（2015年5月）
『 豹変 』（2015年6月）
『 潮流– 東京湾臨海署安積班 』（2015年8月）
『 プロフェッション– ST警視庁科学特捜班 』（2015年8月）
『 寮生– 一九七一年、函館。 』（2015年10月）
『 臥龍– 横浜みなとみらい署暴対係 』（2016年2月）
『 防諜捜査– 倉島警部補5 』（2016年4月）
『 マル暴総監 』（2016年5月）
『 真贋– 萩尾警部補シリーズ 』（2016年6月）
『 去就– 隠蔽捜査6 』（2016年7月）
『 継続捜査ゼミ 』（2016年10月）
『 サーベル警視庁 』（2016年12月）
『 回帰– 警視庁強行犯係・樋口顕 』（2017年2月）
『 アンカー– スクープシリーズ4 』（2017年5月）
『 変幻– 同期シリーズ 』 （2017年6月）
『 武士マチムラ– 琉球空手シリーズ 』（2017年9月）
『 道標– 東京湾臨海署安積班（短編集） 』（2017年12月）
『 棲月– 隠蔽捜査7 』（2018年1月）
『 カットバック– 警視庁FC2 』（2018年4月）
『 任侠浴場 』（2018年7月）
『 エムエス– 継続捜査ゼミ2 』（2018年10月）
『 キンモクセイ 』（2018年12月）
『 スクエア– 横浜みなとみらい署暴対係 』（2019年2月）
『 呪護– 祓師・鬼龍光一 』（2019年3月）
『 機捜235 』（2019年3月）
『 炎天夢– 東京湾臨海署安積班 』（2019年6月）
『 清明– 隠蔽捜査8 』（2020年1月）
『 焦眉– 警視庁強行犯係・樋口顕 』（2020年4月）
『 任侠シネマ 』（2020年5月）
『 黙示– 萩尾警部補シリーズ 』（2020年6月）
『 オフマイク– スクープシリーズ5 』（2020年7月）
『 帝都争乱– サーベル警視庁2 』（2020年9月）
『 天を測る 』（2020年12月）
『 大義– 横浜みなとみらい署暴対係（短編集） 』（2021年3月）
『 宗棍 』（2021年6月）
『 ロータスコンフィデンシャル 』（2021年7月）
『 暮鐘 東京湾臨海署安積班 』（2021年8月）
『 ボーダーライト』（2021年10月）
『 探花– 隠蔽捜査9』（2022年1月）
『 無明– 警視庁強行犯係』（2022年3月）
『 確証 上・下』（2022年5月）
『石礫 機捜235』（2022年5月）
『任侠楽団』（2022年6月）
『マル暴ディーヴァ』（2022年09月）
『秋麗 東京湾臨海署安積班』（2022年11月）
『審議官』（2023年1月）
『署長シンドローム』（2023/03/08）