『無音 忌み語を紡ぐ町』櫛木理宇 あらすじと感想|早く逃げてくれ~!!


【2026年112冊目】
今回ご紹介する一冊は、
櫛木理宇 著
『無音 忌み語を紡ぐ町』』です。
閉鎖的な田舎の「因習」や「土地の呪い」が好きな人
あらすじと感想
故郷に帰ってきてはいけなかった・・
古い因習が残るD県十櫃(とびつ)町
言ってはいけない言葉『忌み語』があるこの町で
呪いの罠と発動を描く、身悶え必至のホラーです
呪われるのに理由など、必要ない
同級生と再婚し、娘とともに故郷へ戻る那月(なつき)さん
しかし帰郷を喜ぶことはなく、逆に不安なようすが気になります
その原因は娘の沙希(さき)ちゃんの名前が再婚により変わり
十櫃(とびつ)町では忌み語とされるタカシマサキとなったこと
この町では時おり連続自殺が起こるの・・
中学生の時、同級生の鷹島咲(たかしま さき)の自殺から始まった
連続自殺事件は7名もの犠牲者が続く大惨事となった
どうしてなのかはわからない・・しかし、誰かが『忌み語』を言ったことが
原因であると、まことしやかに語られているのだ
そして何かがやってくる
妊娠中の那月は苦しいつわりの中で感じていた
娘の沙希は変わってしまった
まるで何か違うものが娘を演じているようなんだ
そして呪いのトリガーが自分自身であることに気が付くのだ
那月は男に対して従順な女性です
それは育った家庭に根ざすもので
長男を溺愛する母からずっと厳しく躾けられ
女とは家のために尽くすものだと刷り込みされたからでした
わたしは母親が苦手だ
そんな那月は娘の沙希に複雑な感情を抱いています
好き嫌いが多くこだわりが強い沙希は、しかし
わたしが子供の頃だったように怒られたりしません
連れ子にもかかわらず夫にも大切に愛されています
・・娘をズルいと感じてしまうんだ
母娘関係の難しさが本作のテーマのひとつです
本作の裏の主人公である『呪い』
意味不明の忌み語の制約は緊張感をもたらし
原因不明の連続自殺はひたすら恐ろしい
そんな『呪い』が那月を罠にかけようと
あの手この手で近づいてくるおぞましさに、僕は身悶えしちゃいました
十櫃町の『呪い』を調べる那月は、知れば知る程に
その呪いの強さ、正体不明の謎の深さに、おののくことになる
何だかわからないけど、めっちゃ怖い存在の『呪い』に対して
早く逃げてよ!と僕は思ってしまうだが
那月はなんと正面から挑むのだ

娘のために戦う姿に、僕は痺れました!
母は強く尊い

正体不明の恐ろしさに、感極まって、身悶えしてしまう!
櫛木ホラー屈指の恐ろしさを堪能できる、怖いもの好きにはたまらん傑作でしたw

あなたは怖いモノに対して挑むことが出来ますか?
(僕ならとっとと逃げだします笑)
作品紹介(出版社より)
那月がD県十櫃町に帰ってくるのは、14年ぶりのことだった。電車から降りた瞬間、背がひやりとする。この町には忌み語が多い。たがい違い、アカンボ、くっつく……そしてタカシマサキ。那月が中学時代の同級生の名、鷹島咲も忌み語のひとつだった。彼女の死を皮切りに原因不明の自殺が続いた事実と、その葬儀で聞いたおかしな声を今でも忘れられない。「ひーい」……この世のものとは思えない、その声を。いちばんの気がかりは再婚相手の苗字になり、娘の名前が“タカシマサキ”になったことだ。忌み語なんて迷信。そう思おうとしても、あの声が今でも聞こえてくる。「ひーい」……。
娘の異様な言動が増え、いつしか笑顔が消えた。夫の不在、母の呪詛、元夫のモラハラの記憶、どんどん大きくなるお腹……この町はわたしを追い詰める。「ひーい」……。
呪いは、暴走する――。
作品データ
タイトル:『無音 忌み語を紡ぐ町』
著者:櫛木理宇
出版社:東京創元社
発売日:2026/8/5
作家紹介
櫛木 理宇(くしき・りう)
2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー。
同年『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞。
『ドリームダスト・モンスターズ』シリーズや、『死刑にいたる病』『209号室には知らない子供がいる』『鵜頭川村事件』『避雷針の夏』や『老い蜂』、映画化を控える『死刑にいたる病』など著書多数。
櫛木理宇の作品紹介
『ホーンテッド・キャンパス』
『お城のもとの七凪町 骨董屋事件帖』(2014/02/20)
『ドリームダスト・モンスターズ』
『チェインドッグ』(2015/07/22)
『赤と白』(2015/12/22)
『侵蝕 壊される家族の記録』(2016/06/18)
『僕とモナミと、春に会う』(2016/12/06)
『避雷針の夏』(2017/07/20)
『死刑にいたる病』(2017/10/25)
『アンハッピー・ウェディング 結婚の神様』(2018/01/09)
『瑕死物件 209号室のアオイ』(2018/11/22)
『少女葬』(2019/05/01)
『世界が赫(あか)に染まる日に』(2019/09/20)
『死んでもいい』(2020/04/16)
『虜囚の犬』(2020/07/09)
『殺人依存症』(2020/10/07)
『鵜頭川村事件』(2020/11/10)
『ぬるくゆるやかに流れる黒い川』(2021/09/09)
『老い蜂(2021/09/24)
『残酷依存症』(2022/04/07)
『氷の致死量』(2022/05/10)
『虎を追う』(2022/06/14)
『少年籠城 』(2023/05/10)
『骨と肉』2024/7/25
『死蝋の匣』2024/7/2
『逃亡犯とゆびきり』2024/12/11
『ふたり腐れ』2025/4/23
『七月の鋭利な破片』2025/6/25
『悲鳴』2025/8/28
『鬼門の村』2026/3/30
『無音 忌み語を紡ぐ町』2026/8/5


