【感想】『少年籠城』櫛木理宇|この叫びを届けるために、手段は選んでいられない

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少年籠城|櫛木理宇

ケイチャン

ケイチャン

【2023年101冊目】

今回ご紹介する一冊は、

櫛木理宇 著

『少年籠城』です。

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【感想】「この叫びを届けるために、手段は選んでいられない」

クライムサスペンス

追い詰められた少年は牙をむく
銃を持って立て籠る先は、子ども食堂
そして要求は・・真犯人を探し出せ!
弱き者たちの慟哭のミステリーです

掃き溜めの温泉街が舞台

未だ昭和時代の歓楽街の雰囲気を引きずる
泥首(どろこべ)温泉街
ストリップ劇場が立ち
ピンクコンパニオンいる
この風俗街には
『わけあり』の女が集まります

女が来れば、子どもも来る
しかし事情を抱えた者が多く
子どもの面倒を見ることが出来なく
ほったらかし状態の子どもも多い

主人公の『やぎら食堂』店長、司は
そんな子どもに格安で食事を提供する
食のセーフティーネットを担っています
・・子どもの腹を満たすのは、大人の責任だろ?

しかし突然、思わぬ事態に陥る
街の札付きの不良少年が
銃とナイフを持って、『やぎら食堂』に立て籠る
司と3人の少年少女を人質として!

不良少年は叫ぶ、俺の無実を証明しろ!と
河原に捨てられた惨殺された少年の遺体
不良少年はその容疑者でした
追い詰められた銃を持つ少年なんて
こんな危険なヤツはいないだろう?

かくして『やぎら食堂』は
立て籠り事件の舞台となる
緊迫した極限状態の現場で
司と3人の少年少女の運命は
いかに?

「この叫びを届けるために、手段は選んでいられない」

次第に明らかとなるのが
義務教育からも滑り落ちてゆく
温泉街の子どもらの
過酷な環境です

俺たちは底辺の存在なのさ

不良少年とならざるを得なかった者の
怒り、悲しみ、そしてあきらめが
胸に迫ります
そう、子どもを放置していては
いけないのです

後悔と反省をしつつ
捜査を続ける警察らは
やがて違和感に気が付く
・・何故ここまで、放置出来たんだ?

弱き者をいたぶる
化け物がいる
そいつが犯人なんだ
なんとしても探し出せ!

そうして明らかになる
連続殺人犯の正体とは
どんなヤツなのか?

立て籠り犯の少年と
司との緊迫したやり取りに
思わず手に汗握ります
怒らせてもダメ
図に乗らせてもいけない
ギリギリの様子に
ハラハラが止まらない

また無責任で身勝手な
父親や母親に怒りを覚えます
もっとちゃんと子どもを
育てなきゃダメでしょう

放置される子どもの問題と
猟奇的な展開がリンクする
エンタメサスペンスミステリーでした

あなたはたとえ人質となっても
毅然と対応出来ますか?

作品紹介(出版社より)

猟奇殺人×子ども食堂立てこもり
緊迫のサスペンスミステリ

地方の温泉街の河原で、子どもの惨殺遺体が発見された。
警察は、小児わいせつ事件を繰り返していた15歳の少年・当真への疑いを強める。
逃亡中の当真は警官の拳銃を強奪し、子分とともに子ども食堂に立てこもった。
自分は無実で、人質を殺されたくなければ、警察は真犯人を捕まえろという。
子ども食堂の店主・司は、人質の少年少女を守るために戦うことを誓うが——

当真は本当に無実なのか。他に殺人犯はいるのか。
さらに新たな遺体が発見され、暴走する当真は引き金に指をかける——
誰もが予想できない結末が待つ、衝撃のサスペンスミステリ。

作品データ

タイトル:『氷の致死量』
著者:櫛木理宇
出版社:集英社
発売日:2023/5/10

作家紹介

櫛木 理宇(くしき・りう)

2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー。
同年『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞。
『ドリームダスト・モンスターズ』シリーズや、『死刑にいたる病』『209号室には知らない子供がいる』『鵜頭川村事件』『避雷針の夏』や『老い蜂』、映画化を控える『死刑にいたる病』など著書多数。
 

櫛木理宇の作品紹介

ホーンテッド・キャンパス
お城のもとの七凪町 骨董屋事件帖(2014/02/20)
ドリームダスト・モンスターズ
チェインドッグ(2015/07/22)
赤と白(2015/12/22)
侵蝕 壊される家族の記録(2016/06/18)
僕とモナミと、春に会う(2016/12/06)
避雷針の夏(2017/07/20)
死刑にいたる病(2017/10/25)
アンハッピー・ウェディング 結婚の神様(2018/01/09)
瑕死物件 209号室のアオイ(2018/11/22)
少女葬(2019/05/01)
世界が赫(あか)に染まる日に(2019/09/20)
死んでもいい(2020/04/16)
虜囚の犬(2020/07/09)
殺人依存症(2020/10/07)
鵜頭川村事件(2020/11/10)
ぬるくゆるやかに流れる黒い川(2021/09/09)
老い蜂(2021/09/24)
残酷依存症(2022/04/07)
氷の致死量(2022/05/10)
虎を追う(2022/06/14)
少年籠城 (2023/05/10)


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