【本の感想】『骨と肉』櫛木理宇|愛憎が相剋するのが、身内の性

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櫛木理宇『骨と肉』を読んだ感想とピザ

ケイチャン

ケイチャン

【2024年126冊目】

今回ご紹介する一冊は、

櫛木理宇 著

『骨と肉』です。

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【感想】「愛憎が相剋するのが、身内の性」

ダークサスペンス

次々と起こる猟奇殺人事件
その被害者が
妻に似ているんだ・・
肉親の愛憎を描く、赤暗い物語です

殺人衝動は遺伝するのか?

少年たちが若い女性の全裸死体を
発見するところからスタートする
冒頭から猟奇犯罪の香りが
プンプンと立ち上がっています

ケイチャン

ケイチャン

めまいがしそうだ

さて場面は変わって警察署内へ
殺人事件発生に沸き立つ帳場
そこで記憶を刺激されるのが
主人公の武瑠(たける)さんです

ケイチャン

ケイチャン

・・この遺体に既視感があるぞ!

思い出したのは20年前にあった
未解決の連続女性殺人事件のこと
惨殺の状況がそっくりだ!
しかもその事件はどうやら
武瑠のイトコが犯人らしい!

20年前の事件を追ううちに
だんだんと分かってくる
武瑠の一族の暗い過去
その過去が追ってきて
新たな死体が加わるんだ

『愛憎が相剋するのが、身内の性』

暗い表紙が暗示するとおり
物語は不気味な雰囲気を漂わせて
ゆっくりと進んでゆく

ケイチャン

ケイチャン

・・おどろおどろしい

作中にたびたび差し込まれるのが
双子や兄弟の関係性です
各国のシリアルキラーなどを紹介し
犯罪気質が似通うことが述べられる

そして分かりにくいのが
武瑠の兄弟イトコの関係です
これにそれぞれの親兄弟が絡み
複雑さが増してゆく
・・この記述はどの兄弟のことなんだ?

複雑化させるのは
作者が企むミスリードゆえのこと

ケイチャン

ケイチャン

暗闇を手探りで進むような
じれったい感じも、嫌いじゃない笑

じれったいのは主人公の武瑠も同じ
強気の性格かと思いきや
すぐ酒に逃げてしまうし
奥さんと向き合うのを避ける

プーくん

プーくん

しゃんとしろよッと言いたい

さてこの『向き合うのを避ける』
というのが本作のポイントとなります

過去延々と伴侶と向き合うことを
避けたツケが事件の遠因となります

ケイチャン

ケイチャン

この人となら・・と決めた伴侶ならば
いつまでも分かり合う努力を止めては
いけないですよね!
そしてこれは親子関係にも繋がります

家族をするには不断の努力が必要だ

親子から兄弟へと続く
めくるめく悪夢のロンド

ケイチャン

ケイチャン

猟奇的でおぞましいものが
大好きな人にピッタリな作品でした

ケイチャン

ケイチャン

あなたの家族はちゃんと
話し合っていますか?

作品紹介(出版社より)

臼原市で死体遺棄事件が起きた。被害女性の遺体は強姦の跡があっただけでなく、身体の一部が切り取られており著しく傷つけられていた。数日後、ふたたび臼原署管轄内で女性が惨殺遺体で発見される。捜査本部に参加する千葉県警本部の刑事・八島武瑠はある事件を思い出していた。二十年前に三鷹で起きた連続女性遺体遺棄事件。今回と同じく遺体はひどく損傷し、彼女たちの容姿も似通っていた。捜査をすすめる武瑠に、従弟の願示が急に接近してくる。彼は独自に調べるうちに、真相に至ったと話す。二十年前の事件の犯人は亡くなった双子の弟で、いま起こっている事件の犯人はその模倣犯だ――武瑠の周囲に暗雲が垂れ込み始める。すべて根源は、壊れかけた家族にあった。 『死刑にいたる病』などで注目の作家が描くサスペンスミステリー。

作品データ

タイトル:『骨と肉』
著者:櫛木理宇
出版社:双葉社
発売日:2024/7/25

作家紹介

櫛木 理宇(くしき・りう)

2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー。
同年『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞。
『ドリームダスト・モンスターズ』シリーズや、『死刑にいたる病』『209号室には知らない子供がいる』『鵜頭川村事件』『避雷針の夏』や『老い蜂』、映画化を控える『死刑にいたる病』など著書多数。
 

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櫛木理宇の作品紹介

『ホーンテッド・キャンパス』
『お城のもとの七凪町 骨董屋事件帖』(2014/02/20)
『ドリームダスト・モンスターズ』
『チェインドッグ』(2015/07/22)
『赤と白』(2015/12/22)
『侵蝕 壊される家族の記録』(2016/06/18)
『僕とモナミと、春に会う』(2016/12/06)
『避雷針の夏』(2017/07/20)
『死刑にいたる病』(2017/10/25)
『アンハッピー・ウェディング 結婚の神様』(2018/01/09)
『瑕死物件 209号室のアオイ』(2018/11/22)
『少女葬』(2019/05/01)
『世界が赫(あか)に染まる日に』(2019/09/20)
『死んでもいい』(2020/04/16)
『虜囚の犬』(2020/07/09)
『殺人依存症』(2020/10/07)
『鵜頭川村事件』(2020/11/10)
『ぬるくゆるやかに流れる黒い川』(2021/09/09)
『老い蜂(2021/09/24)
『残酷依存症』(2022/04/07)
氷の致死量』(2022/05/10)
『虎を追う』(2022/06/14)
少年籠城 』(2023/05/10)
骨と肉』2024/7/25


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ケイチャン

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