【感想】『墜落』真山仁|都合の悪い真実ほどやっかいなものはない

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墜落|真山仁

ケイチャン

ケイチャン

【2022年117冊目】

今回ご紹介する一冊は、

真山仁 著

『墜落』』です。

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【感想】『都合の悪い真実ほどやっかいなものはない』

冨永検事シリーズ3作目

沖縄の問題を扱う本作
テーマは
母子の関係性の貧困と
米軍基地問題です

未成年の妊娠出産が他県の2倍にもなる沖縄
愛情が薄いシングルマザーの家庭で育った
金城華(きんじょう はな)は13歳で出産し
今は3児の母であるのだが
ある晩、夫を殺したと自首してきた

いっぽうで航空自衛隊のエースパイロット
我那覇瞬(がなは しゅん)は操縦するアメリカ製
新鋭戦闘機に妙な違和感を覚えていたのだが
とうとうスクランブルの最中に墜落してしまう

『都合の悪い真実ほどやっかいなものはない』

一見まるで関係性がなく
重要性も天地の差がある
2つの事件
だが冨永は丁寧な捜査の末に
不都合な真実に行きつく

それはよってたかって臭い物に蓋をして
都合の良い真実をねつ造しようとする
米国や日本政府と真っ向から
対決するものであった

臨場感に定評ある真山仁
今回も丁寧な取材をしたのでしょう
いかにも在り得そうな現実感に
圧倒されます

沖縄特有の習慣なども興味深い

主要な人物が多く登場して
それぞれ苦悩しつつも
生き生きと活躍するところも
実際の社会のようで
ぐっと物語に入っていけます

僕は家族の愛情を求めるがゆえに
最悪の悲劇に行きついてしまった
金城華が哀れでなりませんでした
南国の陽光はその影も濃くする

あなたも沖縄の印象が
変るかも知れません

作品紹介(出版社より)

貧困、基地、軍用地主……「沖縄の闇」に踏み込み、知られざる本当の沖縄の姿をフィクションによって抉り出す問題作!
入念な沖縄取材で明らかになった暗部が、白日の下にさらされる。

2022年6月金城華が夫の一を刺殺。DVに耐えかねた妻が夫を殺した単純な事件として解決するはずだったが、担当検事となった冨永真一は不審を感じ、みずから捜査に乗り出す。
ほぼ時を同じくして糸満市で自衛隊の戦闘機の墜落事故が発生。民間人が死亡したことで、軍事基地が集中する沖縄では、 抗議デモが巻き起こる。それに加え、航空自衛隊きってのエースパイロットによる事故は、単なる操縦ミスとは考えられない。戦闘機に何らかの不備があったのではないかと疑念が湧くが……
一見何の関係もない、二つの事件。だが、双方の担当となった冨永が捜査を進めていくと、そこには思いもかけない接点が浮かび上がる。
かつてない臨場感で沖縄の闇に迫る、冨永シリーズ第三弾にして最高傑作が誕生!

作品データ

タイトル:『墜落』
著者:真山仁
出版社:文藝春秋
発売日:2022/6/28

作家紹介

真山仁(まやま・じん)

1962(昭和37)年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。
新聞記者、フリーライターを経て、2004(平成16)年に企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』で衝撃的なデビューを飾る。同作をはじめとした「ハゲタカ」シリーズはテレビドラマとしてたびたび映像化され、大きな話題を呼んだ。
他の作品に『虚像(メディア)の砦』『マグマ』『ベイジン』『プライド』『コラプティオ』『黙示』『そして、星の輝く夜がくる』『売国』『ダブルギアリング 連鎖破綻』『雨に泣いてる』『当確師』『バラ色の未来』『海は見えるか』『標的』『オペレーションZ』『シンドローム』『トリガー』など多数。

真山仁の作品紹介

『ハゲタカ〈上〉』2004/12/01
『ハゲタカ〈下〉』2004/12/01
『虚像の砦』2005/07/01
『マグマ』2006/02/07
『バイアウト(上)』2006/04/21
『バイアウト~ハゲタカ2~下』2006/04/21
『ベイジン〈上〉』 2008/07/18
『ベイジン〈下〉』 2008/07/18
『レッドゾーン(上)』 2009/04/24
『レッドゾーン(下) 』2009/04/24
『TV版ハゲタカ「日本を買い叩け!」編』2009/05/01
『TV版ハゲタカ「再生へのバイアウト」編』2009/05/01
『プライド』2010/03/01
『コラプティオ』2011/07/28
『黙示』2013/02/22
『グリード 上』2013/10/30
『グリード 下』2013/10/30
『そして、星の輝く夜がくる』2014/03/11
『売国』2014/10/30
『雨に泣いてる』2015/01/30
『当確師』2015/12/18
『海は見えるか』2016/02/25
『バラ色の未来』2017/02/16
『標的 』2017/06/29
『オペレーションZ 』2017/10/20
『シンドローム(上) 』2018/08/03
『シンドローム(下)』 2018/08/03
『アディオス! ジャパン 日本はなぜ凋落したのか』2018/10/05
『トリガー 上』 2019/08/30
『トリガー 下 』2019/08/30
『神域 上』2020/02/29
『神域 下』 2020/02/29
『当確師 十二歳の革命 』2020/12/21
『ロッキード』2021/01/13
『それでも、陽は昇る』2021/02/09
『プリンス』2021/05/29
『タイムズ 「未来の分岐点」をどう生きるか』2021/08/20
『レインメーカー』2021/10/27
墜落』 2022/06/28

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