現代

『君の不在の夜を歩く』窪美澄 あらすじと感想|孤独が心を殺す

ケイチャン(サカキ ケイ)

【2026年80冊目】

今回ご紹介する一冊は、

窪美澄 著

『君の不在の夜を歩く』です。

この小説はこんな人にオススメ

人間関係に悩み生きることに疲れた人

あらすじと感想

現代小説

高校時代の同級生5人組のうち1人が自殺した・・
30代後半の彼らのその後の人生の変転を描く、残された者たちの群像劇です

人の心の奥底には、暗く深い穴がある

菜乃子(なのこ)が死んだってよ…こんなLINEメッセージからスタートします
受けた沙耶(さや)さんは衝撃と共にこう思う…とうとうやってしまったんだね、と

心に深い闇を持つ、美しい友人

高校時代、いつもクラスの中心にいた菜乃子
美しい容姿と共に、人を引き付けるのが人間的な魅力
みんなに彼女はいつか何者かになるんだと思わせる、オーラをまとっていたんだ

そんな彼女のイツメンだった
沙耶、健太(けんた)、倫子(りんこ)、達也(たつや)の順番でそれぞれの人生と思いが語られてゆく
大切な人を失った後、彼らはどう歩いてゆくのだろうか・・

「死してなお、大切な人がいる」

ずっと健太のことが好きだった沙耶…けど、健太はさほど沙耶が好きではない
セフレ的な扱いだったが、菜乃子の死で、その関係性が変わってゆく

物語は菜乃子の死の衝撃を受け止められず戸惑い、混乱する4人の姿が丁寧に描かれていきます
特別だった、同士だった、好きだった、妻だった…そんな大切な人にもっと何か出来なかったのだろうか?

他者の死を見つめ、自分の生を見返す

菜乃子の死はそれぞれの人生を見返す機会となる
4人は今の自分を見返し、心の奥底に潜るのだ

大切な人の死は、人生の岐路となるんですね
それぞれが真摯に自分に向き合い、選択するようすがリアルです

そして最後に、死者である菜乃子が登場します

さて最終章は、死んだ菜乃子の物語です
この章こそ窪美澄の集大成とでも言うべき構成で、ままならない人生の苦悩と、その果てにある
生きる喜びが描かれ、作者の祈りを感じました

どんな人生も、それぞれに尊いんだ

人生の岐路に戸惑いながらもがく人生の難しさと、生きる喜びを描く感動作でした

僕らはもう少し、楽に生きるべきですね

あなたの心の中に居る大切な人は、誰ですか?

作品紹介(出版社より)

記憶してください。私は、私たちは、こういうふうに生きてきたのです──。

高校時代の同級生五人──三十代後半になった彼らの人生は、一人の自死をきっかけにして、さまざまな挫折や変貌や再出発を強いられていく。宗教二世、小説家、主婦等々、五人それぞれの生きることの迷いと歓びと傷、そして再生への切なる希望を深い声で語り、無常観の果てにある祈りの旋律が鳴り響く著者真骨頂の感動作!

作品データ

タイトル:『君の不在の夜を歩く』
著者:窪美澄
出版社:新潮社
発売日:2026/3/25

作家紹介

窪美澄(くぼ・みすみ)

1965年東京生まれ。
2009年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。
受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。

窪美澄の作品紹介

『ふがいない僕は空を見た』(2010年7月)
『晴天の迷いクジラ』(2012年2月)
『クラウドクラスターを愛する方法』(短編集)
『アニバーサリー』(2013年3月)
『雨のなまえ』(短編集)(2013年10月)
『よるのふくらみ』(短編集)(2014年2月)
『水やりはいつも深夜だけど』(短編集)(2014年11月)
『さよなら、ニルヴァーナ』(2015年5月)
『アカガミ』(2016年4月)
『すみなれたからだで』(短編集)(2016年10月)
『やめるときも、すこやかなるときも』(2017年3月)
『じっと手を見る』(2018年4月)
『トリニティ』(2019年3月)
『いるいないみらい』(短編集)(2019年6月)
『たおやかに輪をえがいて』(2020年2月)
『私は女になりたい』(2020年9月)
『ははのれんあい』(2021年1月)
『朔が満ちる』(2021年7月)
朱より赤く: 高岡智照尼の生涯』(2022年1月)
夜に星を放つ』(2022/5/2)
夏日狂想』(2022/9/29)
タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』(2022/12/19)
ルミネッセンス』(2023/7/2)
ぼくは青くて透明で』2024/1/16
給水塔から見た虹は』2025/7/4
君の不在の夜を歩く』2026/3/25

ABOUT ME
ケイチャン
ケイチャン
サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。ミステリー・サスペンス・イヤミス・恋愛小説を中心に、本の感想とおすすめをご紹介しています。「読む本に迷ったとき」の参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」一緒に読書を楽しみましょう!!
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