【感想】『ぼくは青くて透明で』窪美澄|思い通りにならないのが、恋

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ぼくは青くて透明で|窪美澄

ケイチャン

ケイチャン

【2024年30冊目】

今回ご紹介する一冊は、

窪美澄 著

『ぼくは青くて透明で』です。

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【感想】「思い通りにならないのが、恋」

BL小説

転校先の高校で僕は
恋をした
男性同士の恋愛と
彼らを取り巻く人を描く
群像小説です

両想いって、世界が変わるんだ

母親に捨てられて
父親に逃げられて
血の繋がらない継母に
育てられた少年、海(かい)くん

転校先の高校で
町会議員の父親を持つ
同級生の忍(しのぶ)くんに
恋をして両想いとなります
うんうん、良かったね
とはならないのが
保守的な地方都市の土地柄です

東京に行こう!

しがらみから逃れて
自分らしく生きるために
東京へ出て行った2人
でもそこでも簡単には
幸せになれないんだ・・

「思い通りにならないのが、恋」

海くんと忍くんの恋愛を軸に
彼らを取り巻く
継母・同級生・父親の
1人称で物語は進みます

それぞれの立場があり
それぞれの思いがある
日の光に照らされるモザイク
のように異なる色合い

繊細なタッチで語られる
各章の主人公たちの
心像描写が素晴らしく
ストーリーにのめり込んでゆく

東京に来て
生き生きと羽を広げる、海と
そんな海に複雑な思いの、忍
恋愛感情とは厄介なものですね

恋愛は心地良いだけじゃない
若さゆえの苦悩が綴られる
苦味もある物語です

そんな彼らを取り巻く
人々の思いを描くことで
物語は立体化を増しています

母親役を終える、継母の気持ち
報われぬ恋をする、同級生の気持ち
浮草のように生きた、父親の気持ち
千々に乱れる気持ちが、交錯します

自分らしく生きるって難しい
だって家族の気持ちや
周囲の評価だって気になるんだ
でもそれなら僕の人生は
誰のものなのだろう?

誰のものでもない
自分の人生は自分のもの
その責任を負うことの
覚悟が必要なんだ

少年から大人へと成長する
青春小説でもある本作
1人では難しいけど
2人ならやっていける・・
そんな感想を抱きました

一緒に人生を歩む人がいるって
素晴らしいですね

作品紹介(出版社より)

高校一年の夏、ぼくは彼と恋に落ちた

高校一年の夏、ぼくは彼に恋をした。

「ぼく」(羽田海)は、血の繋がらない継母の美佐子さんと二人暮らしをしている。
ぼくが高校一年の夏に、美佐子さんの仕事の都合で引っ越しをすることになった。前の町で美佐子さんが勤めていた印刷会社が倒産したのだ。
幼いころは父さんと母さんがいたけれど、ぼくが六歳のときに母さんは家を出ていき、その後美佐子さんと結婚した父さんもどこかに行ってしまった。
勉強も好きじゃないし、運動も得意じゃない。いつか美佐子さんとも離れなくちゃいけない。
そんなとき、「ぼく」は、転校先の高校で忍と出会った……。出会ってしまった。

作品データ

タイトル:『ぼくは青くて透明で』
著者:窪美澄
出版社:文藝春秋
発売日:2024/1/16

作家紹介

窪美澄(くぼ・みすみ)

1965年東京生まれ。
2009年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。
受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。

窪美澄の作品紹介

『ふがいない僕は空を見た』(2010年7月)
『晴天の迷いクジラ』(2012年2月)
『クラウドクラスターを愛する方法』(短編集)
『アニバーサリー』(2013年3月)
『雨のなまえ』(短編集)(2013年10月)
『よるのふくらみ』(短編集)(2014年2月)
『水やりはいつも深夜だけど』(短編集)(2014年11月)
『さよなら、ニルヴァーナ』(2015年5月)
『アカガミ』(2016年4月)
『すみなれたからだで』(短編集)(2016年10月)
『やめるときも、すこやかなるときも』(2017年3月)
『じっと手を見る』(2018年4月)
『トリニティ』(2019年3月)
『いるいないみらい』(短編集)(2019年6月)
『たおやかに輪をえがいて』(2020年2月)
『私は女になりたい』(2020年9月)
『ははのれんあい』(2021年1月)
『朔が満ちる』(2021年7月)
朱より赤く: 高岡智照尼の生涯』(2022年1月)
夜に星を放つ』(2022/5/2)
夏日狂想』(2022/9/29)
タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』(2022/12/19)
ルミネッセンス』(2023/7/2)
ぼくは青くて透明で』2024/1/16

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