『ハヤブサ消防団』池井戸潤 あらすじと感想|見て見ぬふりしてては、心安らかでいられない


【2026年98冊目】
今回ご紹介する一冊は、
池井戸潤 著
『ハヤブサ消防団 森へつづく道』 です。
前作『ハヤブサ消防団』やドラマ版を楽しんだ人
あらすじと感想
ミステリー作家として活躍する三馬太郎(みま たろう)
だが地元の八百万(やおろず)町は1人の女性の死から暗雲が立ち込める
IT企業家の町長、疑惑の美人作家・・いったい何が起こっているのか?
自然豊かな田園に起こる人間模様のミステリーです
田舎がのどかと思うのは、幻想です
水死した女性の無念な死に顔から物語はスタートします
不吉な予感がしてなりません
新町長はやり手のIT企業家!
八百万町に若い町長が誕生する
急スピードで改革に着手するが、ついて行く役場の人間はたまらない
美貌の女性作家は、何者?
三馬と同じ小説賞を受賞した北原未南(きたはら みなみ)さん
美しい容姿、物怖じしない態度、人気急上昇の彼女だが、盗作疑惑が浮上する
いくつかの情報が三馬の元に集まり、疑惑はじょじょに形を成してゆく
知ったからにはほかって置けない
新しい故郷のために一肌脱ぐんだ
田舎暮らしを満喫する三馬の姿が楽しそう
東京から来客があれば釣りにゴルフに自然を満喫します
(ゴルフを自然と言って良いか微妙だがw)
季節ごとに違う美しさを見せる八百万町に、愛着が湧きます
田舎の人間関係は、濃密!
ハヤブサ消防団の面々を始め、田舎の濃密な人間関係も楽しそう
ノーアポイント訪問、縁側が喫茶店の代わり等々…街の人には信じられない距離感です

それがうっとおしいと思うかは、人それぞれでしょうね
作中に消防ポンプ操法大会の記述がありましたが、僕もやりました・・朝4時起きで練習して、大変だったな~
さて物語は超ベテラン作家・池井戸潤の筆技が冴えわたり、緻密だが、余裕もユーモアもあり、面白くて仕方ない
戦前の満州開拓団の話では歴史的な広がりも見せ、物語の奥行を深くして、どっぷりとのめり込めます
自分のルーツ(家族がたどった歴史)に誇りを持つ
本作のテーマの1つが、ルーツです
作家・北原未南の物語が終盤に明かされ、その思いに心打たれました

使命を持つ親子関係って、凄いな~
明るい田園暮らしにも、暗い人間関係が潜んでいる
家族のルーツの尊さも感じる、重厚な人間ドラマミステリーでした

あなたは今住んでいる街に満足していますか?
作品紹介(出版社より)
ミステリ作家の三馬太郎が自然豊かな八百万町ハヤブサ地区に移り住んで数年。地元消防団の一員としても忙しい毎日を過ごすうち、とある文学賞にノミネート! 最大のライバル候補は、今をときめく美貌の歴史ミステリ作家・北原未南。だが、未南に不可解な疑惑が持ち上がる。
一方、八百万町では、ある若い女性が我が子を残して川から水死体で発見されていた。事件の真相を探るうち、太郎は町を揺るがす巨大な疑惑に巻き込まれて……。
作品データ
タイトル:『ハヤブサ消防団 森へつづく道』
著者:池井戸潤
出版社:集英社
発売日:2026/8/5
作家紹介
池井戸潤(いけいど・じゅん)
1963年生まれ、岐阜県出身。
1998年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し小説家デビュー。
2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞受賞。
2011年『下町ロケット』で第145回直木賞と数々の賞受賞。
主な作品に、『空飛ぶタイヤ』、、『シャイロックの子供たち』、『ルーズヴェルト・ゲーム』、『七つの会議』などがある。
池井戸潤の作品紹介
『果つる底なき』(1998年9月)
『架空通貨』(2000年3月)
『銀行狐』(2001年9月)
『銀行総務特命』(2002年8月)
『MIST』(2002年11月)
『仇敵』(2003年1月)
『BT’63』(2003年6月)
『最終退行』(2004年2月)
『株価暴落』(2004年3月)
『金融探偵』(2004年6月)
『不祥事』(2004年8月)
『オレたちバブル入行組– 半沢直樹1』(2004年12月)
『銀行仕置人』(2005年2月)
『シャイロックの子供たち』(2006年1月)
『空飛ぶタイヤ』(2006年9月)
『オレたち花のバブル組– 半沢直樹2』(2008年6月)
『鉄の骨』(2009年10月)
『民王』(2010年3月)
『下町ロケット』(2010年11月)
『かばん屋の相続』(2011年4月)
『ルーズヴェルト・ゲーム』(2012年2月)
『ロスジェネの逆襲– 半沢直樹3(2012年6月)
『七つの会議』(2012年11月)
『ようこそ、わが家へ』(2013年7月)
『銀翼のイカロス– 半沢直樹4』(2014年7月)
『下町ロケット2ガウディ計画』(2015年11月)
『陸王』(2016年7月)
『アキラとあきら』(2017年5月)
『花咲舞が黙ってない』(2017年9月)
『下町ロケット ゴースト』(2018年7月)
『下町ロケット ヤタガラス』(2018年10月)
『ノーサイド・ゲーム』(2019年6月)
『半沢直樹 アルルカンと道化師』(2020年9月)
『民王 シベリアの陰謀』(2021年9月)
『ハヤブサ消防団』(2022年9月)
『ハヤブサ消防団 森へつづく道』2026/8/5


