『御成敗式目の殺人』羽生飛鳥 あらすじと感想|法律は誰のためのもの?


【2026年94冊目】
今回ご紹介する一冊は、
羽生飛鳥 著
『御成敗式目の殺人』です。
鎌倉時代の歴史や人間模様が好きな人
あらすじと感想
目的のためには手段を選ばない
我欲のままに私戦に明け暮れる武士には、法律が必要なのだ!
御成敗式目の成立にまつわる歴史ミステリーです
どの事件も思い起こせば、おかしなことばかり・・
第3代執権の北条泰時(やすとき)と叔父の北条時房(ときふさ)は、鎌倉幕府の要人として御家人たちの仲裁をしてきました・・どの御家人も自分第一で身勝手なのだ
そこで武家を取り締まる『御成敗式目』の制作を始めます
条文を考えるにあたり思い起こすのが、関連した過去の事件の数々です
しかしどの事件も振り返ると・・んん?どうもおかしなことばかりだぞ!
泰時は過去の事件の再検証から、ある真相を導き出すのだが、その答えは『御成敗式目』にどう影響するのだろうか?
明るく頼りになる豪快な年上の叔父、時房と、年若くも利発だがちょっとおっちょこちょいな甥っ子、泰時が、バディを組んで難事件を解決してゆくスタイルで物語は進みます
相性のよい2人が微笑ましい
2人に持ち込まれるトラブルですが、これが欲望むき出しの厄介なものばかり
自分勝手な理屈で少しでも得をしようとする、鎌倉時代の武士の姿が、あさましい
野放しの野獣のようです
さて物語が進むにつれて増すのが、過去の事件の違和感です
泰時はだんだんと叔父の時房が、事件の黒幕であることに気が付いてゆく
2人の間に緊張感が漂います
法律を作る側の人間が、自分勝手に人を裁いていた
これで良いのか、と悩む泰時にある者が言うのだ
そもそも北条氏が鎌倉幕府を独裁してるのって、おかしくない??

物語終盤でどんでん返しのごとく現る『そもそも論』にびっくりしました
あちゃ~・・それ言っちゃう?的な、気持ち良いカタルシスが訪れました
法律は結果が大切!
誰が政治を独断しようが、民が平和ならば、それで、いいのだw

あなたは結果よりも、過程が大切だと、思いますか?
あらすじと感想
難事件を解決しながら、武家社会の規範となる御成敗式目の条項を定めていく時の執権・泰時と、叔父で連署の時房。しかし泰時は事件を振り返るうち、ある疑惑に気づいてしまい……!?
作品データ
タイトル:『ウイルス』
著者:羽生飛鳥
出版社:中央公論新社
発売日:2026/6/22
作家紹介
羽生飛鳥(はにゅう・あすか)
1982年神奈川県生まれ。上智大学卒業。
2018年、「屍実盛(かばねさねもり)」で第15回ミステリーズ!新人賞を受賞。
2021年、同作を収録した『蝶として死す 平家物語推理抄』で単行本デビュー。
同年、同作で、第4回細谷正充賞を受賞。
齊藤飛鳥名義で、児童文学作家としても活躍しています。
羽生飛鳥の作品紹介
『蝶として死す: 平家物語推理抄』2021/4/12
『揺籃の都 (ミステリ・フロンティア 113)』2022/6/30
『歌人探偵定家: 百人一首推理抄』2024/6/12
『賊徒、暁に千里を奔る』2024/11/29
『女人太平記』2025/8/1
『歌人探偵定家 弐: 百人一首推理抄』2026/5/28
『御成敗式目の殺人』 2026/6/22


