
ケイチャン
【2025年55冊目】
今回ご紹介する一冊は、
今野敏 著
『任侠梵鐘』です。
もくじ
【感想】「人の話を聞けるという、貫禄」
街の神社やお寺に危機が迫る!
義理と人情の阿岐本(あきもと)親分が
対話と気付きで問題解決を図る
暴力のないヤクザの物語です
組員数5名という零細ヤクザながら
組長の阿岐本親分はその人柄と貫禄で
多くの人に慕われています
それなので、いろいろと相談もされる
お祭りと言えば屋台、屋台と言えばテキ屋
そんな感じで共存してきたテキ屋系ヤクザですが
暴対法で神社のお祭りから出店を断られてしまう
時代の流れと言えど世知辛いもの
テキ屋系ヤクザの親分さんの愚痴を聞きながら
しかし阿岐本親分の勘に触る違和感がある
・・この話、ちょっとおかしい・・
持ち前の面倒見良さから、調査してみると
氏子や檀家が減り、経営は圧迫
しかも鐘を突けば、うるさいと騒音問題に
行政も警察も一方的に理不尽な住民の要求を
そのまま伝えてくるばかり
・・もう、やってらんないよ!
宮司や住職の愚痴を聞くうちに
じょじょに見えてくる問題の構図
さて阿岐本はどのように
この危機を解決に導くのでしょうか?
さて物語は阿岐本組の代貸(NO.2)
心配性の日村の視点で進みます
・・親分がまた面倒くさいことに
首を突っ込みやがったぞ、心配だな・・
そんな日村の本心をよそに
下っ端組員たちは、ソワソワと楽しそう
彼らは阿岐本親分が面倒に首を突っ込んで
自分らを巻き入れてくれるのを
心待ちにしているんです
ストーリーは阿岐本親分が
宮司や住民、また警察や行政と
対話して進んでゆくのだが
最初は話を聞かなかった人が
阿岐本親分の人柄にほだされて
心を開いてゆく過程が微笑ましい

ケイチャン
何事も対話が大切ですね

ケイチャン
普段は見過ごされがちな
神社仏閣の危機というテーマも
考えさせられることもあり
僕たちに気付きを与えてくれます

ケイチャン
あって普通でありがたみを感じませんが
街の神社が無くなってしまったらきっと
寂しく感じることでしょうね・・

ケイチャン
最後は仲良く大団円という
微笑ましい結末に安心感ある
義理と人情があったかい
街のヤクザの物語でした
作品紹介(出版社より)
義理人情に厚いヤクザの親分・阿岐本の元には、一風変わった相談が持ち込まれる。今度は問題だらけの神社と寺を救え!? 大人気「任侠」シリーズ第7弾!
作品データ
タイトル:『任侠梵鐘』
著者:今野敏
出版社:中央公論新社
発売日:2025/1/8
作家紹介
今野敏 (こんの・びん)
1955年北海道生れ。
1978年上智大学在学中に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。
2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞 受賞 。
2008年『果断―隠蔽捜査2―』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞。
さまざまなタイプのエンターテインメントを手がけているが、警察小説の書き手としての評価も高い。
今野敏の作品
『 怪物が街にやってくる 』 (短編集)(1985年7月)
『隠蔽捜査 – 隠蔽捜査1』(2005年9月)
『 果断– 隠蔽捜査2 』 (2007年4月)
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『 精鋭 』(2015年2月)
『 マインド– 警視庁捜査一課・碓氷弘一6 』(2015年5月)
『 豹変 』(2015年6月)
『 潮流– 東京湾臨海署安積班 』(2015年8月)
『 プロフェッション– ST警視庁科学特捜班 』(2015年8月)
『 寮生– 一九七一年、函館。 』(2015年10月)
『 臥龍– 横浜みなとみらい署暴対係 』(2016年2月)
『 防諜捜査– 倉島警部補5 』(2016年4月)
『 マル暴総監 』(2016年5月)
『 真贋– 萩尾警部補シリーズ 』(2016年6月)
『 去就– 隠蔽捜査6 』(2016年7月)
『 継続捜査ゼミ 』(2016年10月)
『 サーベル警視庁 』(2016年12月)
『 回帰– 警視庁強行犯係・樋口顕 』(2017年2月)
『 アンカー– スクープシリーズ4 』(2017年5月)
『 変幻– 同期シリーズ 』 (2017年6月)
『 武士マチムラ– 琉球空手シリーズ 』(2017年9月)
『 道標– 東京湾臨海署安積班(短編集) 』(2017年12月)
『 棲月– 隠蔽捜査7 』(2018年1月)
『 カットバック– 警視庁FC2 』(2018年4月)
『 任侠浴場 』(2018年7月)
『 エムエス– 継続捜査ゼミ2 』(2018年10月)
『 キンモクセイ 』(2018年12月)
『 スクエア– 横浜みなとみらい署暴対係 』(2019年2月)
『 呪護– 祓師・鬼龍光一 』(2019年3月)
『 機捜235 』(2019年3月)
『 炎天夢– 東京湾臨海署安積班 』(2019年6月)
『 清明– 隠蔽捜査8 』(2020年1月)
『 焦眉– 警視庁強行犯係・樋口顕 』(2020年4月)
『 任侠シネマ 』(2020年5月)
『 黙示– 萩尾警部補シリーズ 』(2020年6月)
『 オフマイク– スクープシリーズ5 』(2020年7月)
『 帝都争乱– サーベル警視庁2 』(2020年9月)
『 天を測る 』(2020年12月)
『 大義– 横浜みなとみらい署暴対係(短編集) 』(2021年3月)
『 宗棍 』(2021年6月)
『 ロータスコンフィデンシャル 』(2021年7月)
『 暮鐘 東京湾臨海署安積班 』(2021年8月)
『 ボーダーライト』(2021年10月)
『 探花– 隠蔽捜査9』(2022年1月)
『 無明– 警視庁強行犯係』(2022年3月)
『 確証 上・下』(2022年5月)
『石礫 機捜235』(2022年5月)
『任侠楽団』(2022年6月)
『マル暴ディーヴァ』(2022年09月)
『秋麗 東京湾臨海署安積班』(2022年11月)
『審議官』(2023年1月)
『署長シンドローム』(2023/03/08)
『トランパー 横浜みなとみらい署暴対係』 2023/05/17
『脈動』 2023/06/28
『遠火 警視庁強行犯係・樋口顕』 2023/08/23
『台北アセット』 2023/11/14
『一夜 隠蔽捜査10』2024/1/17
『夏空 東京湾臨海署安積班』2024/3/15
『海風』2024/8/26
『任侠梵鐘』2025/1/8