『恋とか愛とかやさしさなら』一穂ミチ あらすじと感想|取り返しのつかない失敗は、ある


【2025年16冊目】
今回ご紹介する一冊は、
一穂ミチ 著
『恋とか愛とかやさしさなら』です。
あらすじと感想
嘘でしょ!婚約者が捕まった?
世界が一変してしまった恋人たちを描く、道を誤ったその後の物語です
父娘で写真館を営む新夏(にいか)ちゃん
友人から結婚式の撮影を依頼されて、熱心に写真を撮るシーンからのスタートです
・・私ももうじき、結婚かもww
彼氏が電車で逮捕された?しかも盗撮の現行犯で!
ええ?啓久(ひらく)が痴漢だなんて、なにかの間違いだよね・・

ホントでした
幸いと言って良いのか、被害者の女子高生と穏便に示談が成立し、起訴はまぬがれましたとさ
めでたしめでたしww
平謝りして交際を続けようとする啓久くん、逮捕されなかったことに安堵する啓久の母
いっぽうで啓久の姉は激怒する…痴漢なんて許されない、別れるべきと言うんだ
新夏ちゃんは、悩みます、啓久くんのことをどう思うべきか
盗撮は犯罪だけど、許せないほどのことなのか?
絶対に許さないと言う者、目をつむって許しなさいと言う者
人によって判断の基準が異なり、何が正解なのかわかりません
そして後半は主人公が交代し、啓久くんのパートとなります
全てを失い、かつこれからも失い続ける…性犯罪者の末路が描かれます
視点が性犯罪者の彼女から、性犯罪者自身と移り変わり
さらに、啓久の盗撮被害者である女子高生だった莉子(りこ)ちゃんが登場し
物語のフォーカスが高角となります

この莉子ちゃんが難しい性格のキャラで、ジョーカーのような存在に見えて実は物語の核となる人物のように思えました
それが傷つくポイントです
莉子ちゃんが許せないのは、
盗撮をしたあと啓久が自分の顔を見て失望した表情をしたことでした
・・オマエ、私のカオ見てガッカリしただろ(怒
素晴らしい身体のプロポーションながら、顔面はイマイチ
男たちはカラダに欲情し、カオにガッカリするのだ
性犯罪が許されないのは当然
それを掘り下げて人の尊厳とは何かを問う

難題を突き付けられました
軽率な衝動が全てを壊してしまう
大転落へと繋がってしまう

僕も注意していこうと思います
作品紹介(出版社より)
プロポーズの翌日、恋人が盗撮で捕まった。
カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が”出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。
信じるとは、許すとは、愛するとは。
男と女の欲望のブラックボックスに迫る、
著者新境地となる恋愛小説。
作品データ
タイトル:『恋とか愛とかやさしさなら』
著者:一穂ミチ
出版社:小学館
発売日:2024/10/30
作家紹介
一穂 ミチ(いちほ・みち)
2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。
劇場版アニメ化もされ話題の『イエスかノーか半分か』など著作多数。
『スモールワールズ』(講談社)が、第165回直木賞候補、第12回山田風太郎賞候補となり注目を集める。同作収録の短編「ピクニック」は第74回日本推理作家協会賞短編部門候補となる。
一穂ミチの作品紹介
『雪よ林檎の香のごとく 林檎甘いか酸っぱいか』(2008/7/10)
『スモールワールズ』(2021/4/22)
『パラソルでパラシュート』(2021/11/26)
『砂嵐に星屑』(2022/2/9)
『光のとこにいてね』 2022/11/07
『うたかたモザイク』 2023/03/29
『ツミデミック』2023/11/22
『恋とか愛とかやさしさなら』2024/10/30

