ケイチャン
【2024年172冊目】
今回ご紹介する一冊は、
井上荒野 著
『だめになった僕』です。
もくじ
【感想】「愛は、恐ろしい」
私を迎えに来なかった
あなたを
私は忘れることがなかった
途切れることない愛を描く
極上の恋愛小説です
緊迫感ある、現在から物語はスタート
久しぶりに東京を訪れた
漫画家の綾(あや)さん
思い出の場所を巡っては
懐かしい過去と、愛した人のことを
振り返っています
綾さんのサイン会イベントを訪れる
画家の涼(りょう)さん
アルコール中毒で精神的に不安定です
でもこの絵を渡さなくては・・
しかし、上手く行かないのだ
最悪の形で終わる2人の再会から
物語は過去へと遡ります
ケイチャン
2人に何があって、そして
2人はどうなるのでしょうか?
さて2人には問題があるパートナーが
それぞれいる(いた)ことがわかります
愛ゆえに歪んでしまった、愛が
とても苦しい
ケイチャン
しかしそれは綾と涼の愛と
何が違ったのか
僕にはわかりませんでした
愛は難しい
惹かれ合っていたのに
タイミングが悪く
結ばれなかった2人が
長い年月を経て、とうとう
向い合いう・・
ケイチャン
切ない!
ケイチャン
この喜怒哀楽を描き切る
井上荒野の力量が見事です
登場人物たちの想いが
心の奥に突き刺さります
ケイチャン
人を狂わせる
愛が恐ろしい
しかし、だからこそ
愛は素晴らしい
ついに交差する
愛のクロニクルが
胸に迫る
極上の恋愛小説でした
ケイチャン
あなたの心の奥にも
忘れられない人が
いませんか?
作品紹介(出版社より)
著者23年ぶりの書き下ろし長篇恋愛小説
綾「私は初めて会った16年前から涼さんを愛し続けている」。涼「僕にかかわった者は、みんな死んでしまう。女も男も。僕が綾を愛しすぎているせいで」――
音村綾(旧姓・上里)は30代半ば。現在は信州でペンション経営兼漫画家として活躍。夫・子ども・母と四人で暮している。
祥川涼。画家。40代後半。妻を失い、その後同棲していた女性とも別れ、現在は酒浸りの日々を送っている。
冒頭の「現在」では、綾のコミック発売記念サイン会のシーンの衝撃的事件から始まり、「1年前」「4年前」「8年前」「10年前」「12年前」「14年前」、そして二人が出会った「16年前」へと時をさかのぼり「現在」に戻る。謎とサスペンス、そしてストーカー小説の雰囲気も交えた〈究極の恋愛小説〉である。
この作品は、2001年に刊行された『もう切るわ』以来、23年ぶりの「書き下ろし」長篇!
作品データ
タイトル:『だめになった僕』
著者:井上荒野
出版社:小学館
発売日:2024/10/16
作家紹介
井上荒野(いのうえ・あれの)
1961年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。
1989年『 わたしのヌレエフ 』で第1回フェミナ賞を受賞。
2004年『潤一』で第11回島清恋愛文学賞を受賞。
2008年『切羽へ』で第139回直木賞を受賞。
2011年『そこへ行くな』で第6回中央公論文芸賞を受賞。
2016年『赤へ』で第29回柴田錬三郎賞を受賞。
2018年『その話は今日はやめておきましょう』で第35回織田作之助賞を受賞。
その他、『あちらにいる鬼』『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』『小説家の一日』『照子と瑠衣』など著書多数。
井上荒野 の作品
『グラジオラスの耳』 1991/05/01
『もう切るわ』 2001/10/01
『ひどい感じ―父・井上光晴』 2002/08/01
『ヌルイコイ』 2002/10/01
『潤一』 2003/11/01
『森のなかのママ』 2004/03/26
『だりや荘』 2004/07/22
『しかたのない水』 2005/01/26
『誰よりも美しい妻』 2005/12/15
『不恰好な朝の馬』 2006/10/31
『学園のパーシモン』 2007/01/01
『ズームーデイズ』 2007/07/01
『ベーコン』 2007/10/26
『夜を着る』 2008/02/18
『切羽へ』 2008/05/01
『あなたの獣』 2008/11/29
『雉猫心中』 2009/01/22
『静子の日常』 2009/07/01
『女ともだち』 2010/03/18
『つやのよる』 2010/04/01
『もう二度と食べたくないあまいもの』 2010/04/10
『チーズと塩と豆と』 2010/10/05
『ベッドの下のNADA』 2010/12/09
『ハニーズと八つの秘めごと』 2011/02/25
『そこへ行くな』 2011/06/24
『キャベツ炒めに捧ぐ』 2011/09/01
『だれかの木琴』 2011/12/09
『結婚』 2012/03/27
『夜をぶっとばせ』 2012/05/18
『さようなら、猫』 2012/09/15
『それを愛とまちがえるから』 2013/01/24
『あなたにだけわかること』 2013/05/24
『ほろびぬ姫』2013/10/31
『夢のなかの魚屋の地図』 2013/12/21
『虫娘』 2014/08/27
『悪い恋人』 2014/12/05
『ママがやった』 2016/01/16
『赤へ』 2016/06/14
『綴られる愛人』 2016/10/05
『あなたならどうする』 2017/06/16
『その話は今日はやめておきましょう』 2018/05/18
『あちらにいる鬼』 2019/02/07
『あたしたち、海へ』 2019/11/27
『そこにはいない男たちについて』 2020/07/15
『ママナラナイ』 2020/10/14
『百合中毒』 2021/04/26
『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』 2022/04/07
『小説家の一日』 2022/10/13
『荒野の胃袋』 2022/10/20
『僕の女を探しているんだ』 2023/02/20
『錠剤F』2024/1/10
『猛獣ども』2024/8/7
『だめになった僕』2024/10/16