ケイチャン
【2023年149冊目】
今回ご紹介する一冊は、
木爾チレン 著
『神に愛されていた』です。
もくじ
【感想】「その愛は、諸刃のナイフ」
その天与賦賦の才能と美貌が
憎い！
２人の女性作家の
愛と憎しみの物語です
伝わらない愛は、憎しみになるのか？
若くして作家デビューする・・
もう人生ゲームは大勝利間違いなし！
とはならないのが
作家という職業のようです
常に売れなければならない・・
終わらないプレッシャーと
すぐ来る締め切りに追われる日々
専業作家として生きて行けるのは
ほんの一握りの天才のみ
血反吐するほど努力しているのに
届かない才能を持つ者がいる
しかもそいつは
同じ高校の後輩で
同じ大学の後輩で
同じ文学賞を受賞した奴なのだ
比較するなと言う方が、
無理ってもんじゃない？
凄まじい才能と美貌を持つ後輩に
嫉妬する、東山冴理(ひがしやま さり)
しかし憎まれる方の彼女は
全く別の想いであったのだ
ただ一人の敬愛する作家は
先輩の東山冴理
その背中を高校と大学と追いかけて
作家になった、白川天音(しらかわ あまね)
しかしその愛は、歪であった
愛する人のためにしたことは
異常なこと・・
結果、天音は冴理に
さらに恨まれることとなる
ちょっぴり強引な展開が
逆に魅力である木爾チレン
本作もぐいぐいと力強く
引っ張られる気持ち良さ！
まるで急流を猛スピードで
下っていくようです
そして最終章で明かされる
歪な愛の姿は
ついに滝から真っ逆さまに
落ちてしまうようなスリルです
ちゃんと相手に届かなければ
愛とはいえない
闇雲に振り回す諸刃のナイフで
相手も自分も
血まみれになってしまうんだ
自分勝手にナイフを
振り回すのではなく
相手の好きな
お花を手渡したいものですねww
あなたが愛する人のために
手に持っているものは
なんですか？
作品紹介（出版社より）
一気読み必至!! 2023年の大本命!!
最旬にして俊豪・木爾チレンの真骨頂、
深き心の闇に愛憎蠢くヒューマンミステリー!!女にだけわかる、狂気。
過剰な嫉妬は、やがて強大な殺意へ…。若くして小説家デビューを果たし、その美貌と才能で一躍人気作家となった東山冴理。
しかし冴理は人気絶頂のさなか、突然、筆を断った――。
やがて三十年の時が経ち、冴理のもとに、ひとりの女性編集者が執筆依頼に訪れる。
「私には書く権利がないの」そう断る冴理に、
「それは三十年前——白川天音先生が亡くなったことに関係があるのでしょうか」編集者は問う。
「あなたは、誰かを殺したいと思うほどの絶望を味わったことってあるかしら」
――そして、この時を待っていたというように、冴理は語り始める。
高校文芸部の後輩、白川天音が「天才小説家」として目の前に現れてから、
全ての運命の歯車が狂ってしまった過去と、その真実を……。希望と絶望、 羨望と嫉妬……
これは、ふたりの女性作家が、才能を強く信じて生きた物語。すべてを読み終えたあと、
あなたはタイトルに託された〝切ない意味〟を知り、
ぎゅっと、胸を締め付けられる。ヒット作『みんな蛍を殺したかった』の俊英女性作家による、
１年ぶりの書き下ろし長編小説。
満を持して、待望の最高傑作、降臨!!
作品データ
タイトル：『私はだんだん氷になった』
著者：木爾チレン
出版社：実業之日本社
発売日：2023/10/26
作家紹介
木爾チレン （きな・ちれん）
1987年生まれ。京都府出身。大学在学中に応募した短編小説「溶けたらしぼんだ。」で、新潮社「第９回女による女のためのＲ‐１８文学賞」優秀賞を受賞。
美しい少女の失恋と成長をナ逓た『静電気と、未夜子の無意識。』でデビュー。
その後、少女の心の機微を大切に、多岐にわたるジャンルで執筆し、作品表現の幅を広げる
木爾チレンの作品紹介
『静電気と、未夜子の無意識。 』（2012/08/24）
『殺戮の天使 2 BLESSING IN DISGUISE』（2017/04/28）
『殺戮の天使 3 ONCE IN A BLUE MOON』（2018/04/27）
『わたしのこと、好きになってください。』（2018/09/28）
『これは花子による花子の為の花物語』（2019/03/09）
『みんな蛍を殺したかった』（2021/06/21）
『ぜんぶ、藍色だった。』（2021/06/25）
『私はだんだん氷になった』（2022/09/21）
『みんな蛍を殺したかった』 （2021/07/20）
『神に愛されていた』 （2023/10/26）