大河

『襷がけの二人』嶋津輝 あらすじと感想|上手く生きる人が、偉いのか?

ケイチャン(サカキ ケイ)
現在の画像: 嶋津輝『襷がけの二人』

【2026年59冊目】

今回ご紹介する一冊は、

嶋津輝 著

『襷がけの二人』です。

この小説はこんな人にオススメ

女性同士の熱い絆が好きな人、動の時代を生きる人間ドラマを楽しみたい人

あらすじと感想

第170回直木賞候補作

嫁いだ先の家には凛とした佇まいの女中がいた・・
大正から昭和へ戦争を越えて続く、女性たちの大河小説です

夫婦よりも固い、女の絆

第二次世界大戦の敗戦4年後からスタート
お三味線の師匠、初衣(はつえ)さんの家で、住み込みの女中として働く千代(ちよ)さん
この2人なにやら因縁がありそうですが、さてそれは何か?

立場が逆転したの

時はさかのぼり大正15年
千代が嫁いだ先の山田家の女中頭が、初衣だったのだ
もう1人の女中、お芳(よし)ちゃんを含めて新婚生活はどうなるのか?

「上手く生きる人が、偉いのか?」

ぼおっとした娘だねえ・・母親からそう評される千代は、夫と上手くやれませんでした
冷え切った夫婦仲となってしまう

信頼関係を築けなかった

いっぽう一見ちゃきちゃきしてて、そつなさそうな初衣だが
人に言えない過去に悩む、不器用な人生を送っているんだ

でも楽しい、女同士の生活

それはさて置き進むのが、日々の生活です
気の合う女たちが一緒に暮らす、わちゃわちゃした毎日は、楽しい!

それぞれの特性を活かす家事分担
主従を越えたチームワークで、あっという間に家事を終えてみんなで囲む夕食に並ぶ

ご飯のおかずが、美味しそう!

手の込んだお料理の調理シーンは、本作の魅力の1つです

ホント料理って、愛情なんですね

全てを壊す、戦争

男(夫)とは上手くいかないものの、女同士で楽しく暮らす千代たち
しかしそんなのん気な生活は、戦争で終わります
空襲で逃げ惑うシーンに、祈るような気持ちになる

2度と戦争をしてはいけません

後半からは、のん気な女主人生活から、一転する
生きるために働く厳しい姿が描かれますが・・不幸ではないのだ

自分のチカラで生きている!

貧しく厳しい生活なのに、私は充実した毎日を送っている!
前半とは違うカタチで、生きる喜びが、素晴らしい

夫婦が心を交わす難しさ、普通の日々の尊さ、女性の連帯と絆…と興味深いテーマが選ばれる

不器用に生きる人は、恰好悪くなんてない!

自分だけの人生を生きる、美しさを感じる物語でした

あなたが心を通わす人は誰ですか?

作品紹介(出版社より)

第170回直木賞候補! 激動の戦前戦後を生きた女性たちの大河小説

第170回直木賞候補作として選考委員から激賞!
全編にわたるユーモアが、高く評価された女性たちの大河小説。

裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭の初衣。
「家」から、そして「普通」から逸れてもそれぞれの道を行く。

「千代。お前、山田の茂一郎君のとこへ行くんでいいね」
親が定めた縁談で、製缶工場を営む山田家に嫁ぐことになった十九歳の千代。
実家よりも裕福な山田家には女中が二人おり、若奥様という立場に。
夫とはいまひとつ上手く関係を築けない千代だったが、
元芸者の女中頭、初衣との間には、仲間のような師弟のような絆が芽生える。

やがて戦火によって離れ離れになった二人だったが、
不思議な縁で、ふたたび巡りあうことに……
幸田文、有吉佐和子の流れを汲む、女の生き方を描いた感動作! 

目次

再会 昭和二十四年(一九四九年)
嫁入 大正十五年(一九二六年)
噂話 昭和四年(一九二九年)
秘密 昭和七年(一九三二年)
身体 昭和八年(一九三三年)
戦禍 昭和十六年(一九四一年)
自立 昭和二十四年(一九四九年)
明日 昭和二十五年(一九五〇年)

作品データ

タイトル:『襷がけの二人』
著者:嶋津輝
出版社:文藝春秋
発売日:2023/9/25

作家紹介

嶋津 輝(しまづ・てる)

1969年東京都生まれ。
2016年、「姉といもうと」で第96回オール讀物新人賞を受賞。
2019年、同作を含む短編集『スナック墓場』で書籍デビュー(文庫化にあたり、『駐車場のねこ』と改題)。
2025年刊行の『カフェーの帰り道』で第174回直木賞受賞。
他の著作に『襷がけの二人』がある。『猫はわかっている』『私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー』などのアンソロジーにも作品が収録されている。

嶋津 輝の作品紹介

『スナック墓場』2019/9/12
襷がけの二人』2023/9/25
『カフェーの帰り道』2025/11/12

ABOUT ME
ケイチャン
ケイチャン
サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。ミステリー・サスペンス・イヤミス・恋愛小説を中心に、本の感想とおすすめをご紹介しています。「読む本に迷ったとき」の参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」一緒に読書を楽しみましょう!!
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