
ケイチャン
【2025年77冊目】
今回ご紹介する一冊は、
夢枕獏 著
『キマイラ聖獣変』 です。
もくじ
【感想】「え!ちょっとまって、どこが完結なんですか?」

ケイチャン
未完の最終巻!って、
どういうこと?
俺が死ぬ前に物語が終わらないかも・・
そう心配した作者が事前に結末を書くとゆー
前代未聞の異形の完結編です

ケイチャン
このシリーズ、僕は中学2年からずっと読んでいます
巻頭で作者の、何故この最終巻が発刊されたのか
とゆー説明からスタートします

ケイチャン
・・いきなり結末なんて、心の準備が出来ないよ
物語は本編から10年程すっ飛んで始まります
とは言いますが、本編は44年で16巻出ているのに
時間的には1年ちょっとしか経過していないのです
なので間に160巻程入るという計算になりますね

ケイチャン
・・この計算はきっと間違ってます笑
舞台はアメリカのニューヨークへ
行方不明の大鳳吼(おおとり こう)を追い
九十九三蔵(つくも さんぞう)は海を越える
その同じ頃、日本と南米アマゾンで
新たなるキマイラ現象の発見がなされる
10年間くすぶっていた菊地(きくち)も
物語に合流し、再び時が大きく動くのでした
読み進めるうちに湧いてくる、違和感
物語が収束する気配がないのだ
それどころが新しい展開が始まり
物語はさらに拡大する様相を呈する

ケイチャン
あれれ!完結するんじゃないの?
そして最後のクライマックスでは
なんとさらに新しい局面を迎え
さあ、これからだッ・・というところで
物語は終わりを告げます

ケイチャン
いったいこのどこが
最終巻で完結編なのか
僕にはぜんぜんわかりませんでした笑
僕の人生が終わっても
世界は続いてゆく
物語も終わらなくって
続いてゆけばいい・・

ケイチャン
そう言えば、大長編の『グインサーガ』も
作者の栗本薫は死ぬまで物語を広げ
続けたなと思い出しました
さていちおう最終巻は出たものの
シリーズ自体はこのまま続いて
発刊されるということです

ケイチャン
きっと夢枕獏は最後の最後まで
本シリーズを書き続けてくれることでしょう

ケイチャン
そして僕もずっと読み続けます
作品紹介(出版社より)
絢爛たる大河伝奇、終わりなき物語の終幕――
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この物語は、ぼくにとって、
生きてゆくための杖のような
作品となってしまった。 ――夢枕獏
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43年書き継いだ「生涯小説」、ついに完結――!?九十九三蔵は円空山で真壁雲斎と酒を飲んでいる。
思い出されるのは大鳳吼、久鬼麗一のこと。
ふたりは今、どこで何をしているのか。
忘れられぬまま日々を過ごしてきた九十九に、
雲斎は「アメリカに行く気はないか」と尋ねる。
一方、荒久の海岸であの濃密な時間を思い返し、
火のように激しく涙する菊地良二。
そして、未知の種族イゾラド――。夢枕獏によって、
これからも書き継がれる名作「キマイラ」。
“最終話を先に書く”という前代未聞の試み。
著者自身「これしかなかった」と語る、
長大なる物語の結末とは?
作品データ
タイトル:『キマイラ聖獣変』
著:夢枕獏
出版社:朝日新聞出版
発売日:2025/5/20
作家紹介
夢枕獏(ゆめまくら・ばく)
1951年 神奈川県生れ。
1977年『カエルの死』でデビュー。
1984年に発表した『魔獣狩り 淫楽編』とそれに続くサイコダイバーシリーズで、伝奇小説の新たな地平を切り開き、ベストセラー作家となる。
1989年『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞受賞。
1998年『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞。
2011年から2012年にかけて、『大江戸釣客伝』で、泉鏡花文学賞、舟橋聖一文学賞、吉川英治文学賞を受賞する。近著に『大江戸恐龍伝』全5巻がある。「キマイラ」「餓狼伝」「陰陽師」「闇狩り師」など、多くの人気シリーズを持つ。
夢枕獏の作品
『カエルの死』1984/12/1
『上弦の月を喰べる獅子』(上・下)
『荒野に獣 慟哭す』(上・下)
『神々の山嶺』(上・下)
『白鯨』(上・下)
『大江戸釣客伝』
『キマイラ』シリーズ
『餓狼伝』シリーズ
『陰陽師』シリーズ
『闇狩り師』シリーズ
『キマイラ』シリーズ
『獅子の門』シリーズ
『東天の獅子』シリーズ
『魔獣狩り』シリーズ・
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他多数
『陰陽師 烏天狗ノ巻』2023/10/6
『陰陽師 水龍ノ巻』2021/8/4
『キマイラ聖獣変』2025/5/20