
ケイチャン
【2025年8冊目】
今回ご紹介する一冊は、
野﨑まど 著
『小説』です。
もくじ
【感想】「読書するために宇宙は産まれたんだ」
2人は読み、うち1人は書けた
そんな2人の姿から読書の意味を問う
日々読み今日も読み明日も読む、僕ら
本を読む者たちの物語です
医師の父を持つ少年、内海集司は本が好きです
読書していたら満足なので友達はいません
けどへっちゃらです。・・お父さんは実用書を
読んでもらいたいようだけど、僕は小説が好き
そんな彼に小学6年のころ、友達ができる
多動症があり集中力にムラがある外崎真と
読書を通じて急速に仲良くなります
そして彼には文才があるようです
仲良くなった2人に耳寄りな情報が入る
なんと小学校の隣に高名な小説家が住んでるらしい
さっそく、よいしょと塀を乗り越えて侵入!
そして謎の小説家と仲良くなってしまいます
時は経ち、高校生となった2人
とある小論文の選考に応募することとなり
髭先生に添削をお願いします
ここが2人の分かれ道
明らかな文才を見せる外崎真
2人は読む者と書ける者に分かたれたのだ
時はさらに経ち、20代後半のころ
ついに小説家となった外崎真のひと言に
ブチ切れて思いのたけを吐き出す内海集司
次の日に外崎真は姿を消してしまう・・
さて内海集司は外崎真を探し出し
そして僕らは読書する意味を
知ることが出来るのでしょうか?
物語の序盤に登場する
お屋敷の地下にある丘の石柱
強烈に不可思議さを覚えるこのアイテムが
終盤のファンタジックな世界へと誘います
リアルなパートと
ファンタジなパートの
切り替えがスムーズとなり
自然と物語に耽溺します
何者でもない
ただの読書好きな内海集司の叫びは
僕ら本を読む者たちを代弁するようです
毎日毎日本を読んでいったい、何になる?

ケイチャン
その答えが凄いんだ
読書する意味とは何か?
ラストで語られる髭先生の言葉を
一語一句噛みしめるように読んでしまう

ケイチャン
驚愕のラストシーンに痺れます!

ケイチャン
見事に円環を成し閉じる
素晴らしいエンディングに
喝采を送りたくなる
完璧なる小説でした

ケイチャン
全ての本を読む者たちを
祝福する
福音のような小説
絶賛したい1冊です
作品紹介(出版社より)
「物語に救われ、読書に呪われた」
君はなぜ、小説を読むのか?【あらすじ】
五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。
一二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。
そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。
しかし、その屋敷にはある秘密があった。読むだけじゃ駄目なのか。
それでも小説を読む。
小説を読む。
読む。
宇宙のすべてが小説に集まる。
作品データ
タイトル:『小説』
著者:野﨑まど
出版社:講談社
発売日:2024/11/20
作家紹介
野﨑 まど(のざき・まど)
東京都墨田区生まれ。麻布大学獣医学部卒。
2009年「[映]アムリタ」で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞、作家デビューする。
2013年に刊行された『know』は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた。
その他の作品に『2』、『野﨑まど劇場』などがある。
野﨑まどの作品紹介
『[映]アムリタ』2019/9/25
『know』2013/7/24
『タイタン』2023/1/17
『小説』2024/11/20