ケイチャン
【2024年50冊目】
今回ご紹介する一冊は、
今野敏 著
『一夜(いちや) 隠蔽捜査10』です。
もくじ
【感想】「違和感に気が付いたら、放置してはいけない」
人気の純文学作家が誘拐された!
しかし犯人から何も要求がない?
不可解な事件を解決に導く
警察キャリアの活躍を描く物語です
竜崎刑事部長、その切れ味はまさに無双!!
信念の男、竜崎伸也(りゅうざき しんや)を
描く『隠蔽捜査シリーズ』10作目です
本作では神奈川県警で刑事部長の要職に就く
バキバキのキャリア警察官僚です
そんな中、ある行方不明届が出される
それが大きな文学賞を取ったばかりの
人気純文学作家でした
これがあれよと言う間に
誘拐事件へと発展します
しかし待てど暮らせど
犯人から何の要求も届かない
一体どうして!
なんで誘拐したの?
進まぬ捜査に焦燥する警察だが
なんと作家があっさり
無事に解放されてしまう
だがここからが捜査の本番です
今回、竜崎が選ぶ捜査のバディは
なんと人気エンタメ・ミステリー作家の
梅林でした
警察キャリア+ミステリー作家の
異色コンビの捜査の行方は、いかに?
常にない事件の行方に
戸惑い停滞する捜査本部ですが
突破口はやはり竜崎が切り拓く
・・竜崎!カッコいいです!!
沈思黙考する姿もイイが
自分では手が足りないと
感じたら躊躇なく他人に
頼る姿勢も素晴らしい
・・キャリア官僚の、鑑です!!
竜崎が頼りとするのが
旧友である警視庁の伊丹刑事部長と
作家を知るのはやはり作家ということで
ミステリー作家の梅林です
会話をするうちにヒントを得て
真相に迫ってゆく過程は
警察小説の醍醐味と言えるでしょう
ゾクゾクとワクワクが止まらない
またサイドストーリーとして
竜崎の息子の大学中退問題が語られます
大学に行く意義とは何だ?
これについてのミステリー作家・梅林の
話がなかなか含蓄に富み興味深かった
なるほど!モラトリアムとは大切なんだ
なあと納得しました
上司に忖度しない
世の中におもねらない
自分の信じる道を生きる、男
竜崎がシブかっこいい本作
気持ち良い主人公は
読んでいて気分良いですね!
本作も鉄板の面白さでした
次作がもう、待ち遠しいです
作品紹介(出版社より)
神奈川県警刑事部長・竜崎伸也のもとに、著名な小説家・北上輝記が小田原で誘拐されたという報が舞い込む。犯人も目的も安否もわからない中、竜崎はミステリ作家・梅林の助言も得ながら捜査に挑むことに。劇場型犯罪の裏に隠された、悲劇の夜の真相とは――。累計330万部突破の大人気シリーズ、記念すべき第10弾!
作品データ
タイトル:『一夜 隠蔽捜査10』
著者:今野敏
出版社:新潮社
発売日:2024/1/17
作家紹介
今野敏 (こんの・びん)
1955年北海道生れ。
1978年上智大学在学中に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。
2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞 受賞 。
2008年『果断―隠蔽捜査2―』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞。
さまざまなタイプのエンターテインメントを手がけているが、警察小説の書き手としての評価も高い。
今野敏の作品
『 怪物が街にやってくる 』 (短編集)(1985年7月)
『隠蔽捜査 – 隠蔽捜査1』(2005年9月)
『 果断– 隠蔽捜査2 』 (2007年4月)
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『 精鋭 』(2015年2月)
『 マインド– 警視庁捜査一課・碓氷弘一6 』(2015年5月)
『 豹変 』(2015年6月)
『 潮流– 東京湾臨海署安積班 』(2015年8月)
『 プロフェッション– ST警視庁科学特捜班 』(2015年8月)
『 寮生– 一九七一年、函館。 』(2015年10月)
『 臥龍– 横浜みなとみらい署暴対係 』(2016年2月)
『 防諜捜査– 倉島警部補5 』(2016年4月)
『 マル暴総監 』(2016年5月)
『 真贋– 萩尾警部補シリーズ 』(2016年6月)
『 去就– 隠蔽捜査6 』(2016年7月)
『 継続捜査ゼミ 』(2016年10月)
『 サーベル警視庁 』(2016年12月)
『 回帰– 警視庁強行犯係・樋口顕 』(2017年2月)
『 アンカー– スクープシリーズ4 』(2017年5月)
『 変幻– 同期シリーズ 』 (2017年6月)
『 武士マチムラ– 琉球空手シリーズ 』(2017年9月)
『 道標– 東京湾臨海署安積班(短編集) 』(2017年12月)
『 棲月– 隠蔽捜査7 』(2018年1月)
『 カットバック– 警視庁FC2 』(2018年4月)
『 任侠浴場 』(2018年7月)
『 エムエス– 継続捜査ゼミ2 』(2018年10月)
『 キンモクセイ 』(2018年12月)
『 スクエア– 横浜みなとみらい署暴対係 』(2019年2月)
『 呪護– 祓師・鬼龍光一 』(2019年3月)
『 機捜235 』(2019年3月)
『 炎天夢– 東京湾臨海署安積班 』(2019年6月)
『 清明– 隠蔽捜査8 』(2020年1月)
『 焦眉– 警視庁強行犯係・樋口顕 』(2020年4月)
『 任侠シネマ 』(2020年5月)
『 黙示– 萩尾警部補シリーズ 』(2020年6月)
『 オフマイク– スクープシリーズ5 』(2020年7月)
『 帝都争乱– サーベル警視庁2 』(2020年9月)
『 天を測る 』(2020年12月)
『 大義– 横浜みなとみらい署暴対係(短編集) 』(2021年3月)
『 宗棍 』(2021年6月)
『 ロータスコンフィデンシャル 』(2021年7月)
『 暮鐘 東京湾臨海署安積班 』(2021年8月)
『 ボーダーライト』(2021年10月)
『 探花– 隠蔽捜査9』(2022年1月)
『 無明– 警視庁強行犯係』(2022年3月)
『 確証 上・下』(2022年5月)
『石礫 機捜235』(2022年5月)
『任侠楽団』(2022年6月)
『マル暴ディーヴァ』(2022年09月)
『秋麗 東京湾臨海署安積班』(2022年11月)
『審議官』(2023年1月)
『署長シンドローム』(2023/03/08)
『トランパー 横浜みなとみらい署暴対係』 2023/05/17
『脈動』 2023/06/28
『遠火 警視庁強行犯係・樋口顕』 2023/08/23
『台北アセット』 2023/11/14
『一夜 隠蔽捜査10』2024/1/17