【感想】『鷹の系譜』堂場瞬一|ヤクザより抜けにくい、それが活動家だ

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『紅だ!』桜庭一樹

ケイチャン

ケイチャン

【2022年121冊目】
今回ご紹介する一冊は、
堂場瞬一 著
『鷹の系譜』です。

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【感想】「ヤクザより抜けにくい、それが活動家だ」

警察小説

警視庁捜査一課の高峰
同じく公安一課の海老沢
水と油か、陰と陽か
捜査方針が異なり、本来は交じり合わない
2人がタッグを組む刑事小説です

昭和最後の日に殺人事件が発生する
それは路上にて鉄パイプで撲殺するという
学生運動の内ゲバを彷彿させる
凄惨なものだった

昭和の終わり・・
バブル経済真っ最中で勢いのあった時代ですね
その頃まだ学生だった僕は就職したら
ローンで高級車買ってブンブンと乗り回して
ジュリアナ東京で扇子フリフリと踊りまくるのかな
と思っていましたが
あっさりとバブル崩壊
就職氷河期に就活とゆー
報われない世代でありました
狂乱のバブル・・いちど経験してみたいもんですね

本書はそんなバブル期の影の部分
地上げと学生運動に相対した
2人の刑事の物語です

「ヤクザより抜けにくい、それが活動家だ」

撲殺された会社員の捜査をする高峰
すると被害者がかつて学生運動に関わり
今は土地取引で不相応な金を持っていたことがわかる
・・地上げか

いっぽう公安の海老沢には
平成時代最初のテロ計画があるとの情報が入る
テロ防止のために情報収集するうちに無関係かと思われた
高峰が担当する事件にたどり着くのだった

そして2人は目的が違いながらも協力し合い
事件を解決へと導くのだった

捜査一課と公安の違い
警察組織のしがらみ
刑事の日常など、興味深く読めました

高峰と海老沢の父親たちも元警察官で
こちらも刑事の高峰、特高の海老沢と
息子たちと似た関係です
ぎこちない父子関係が実に昭和的で
もっと分かり合える努力しろよなあ!
と、思いました

なお父たちの物語は
『日本の警察シリーズ・昭和編』と
3部作が出ているようです
堂場さんはホント、警察が好きなんですね笑

汗臭い男の警察小説
所かまわずタバコを吸いまくるシーンも
ああ昔はそーだったなーって思い出しました

皆さん知っていますか?
昔は電車内でも
タバコ吸えたんですよ

作品紹介(出版社より)

警察小説の旗手による大河シリーズ「日本の警察」平成編。

「公安は常に同じ相手の仕事だ。だが捜査一課の仕事は毎回、違う相手なんだ」
「捜査一課は目先の事件を追う。公安は、未来を見据えて仕事をしている」

捜査一課と公安一課。同じ警察でありながら相容れない二つの組織に身を置き、昭和を駆け抜けた二人の刑事。
その息子たちは、父と同じ道を歩んでいる。
昭和天皇が崩御し、60年余にわたる昭和の時代が終わりを告げた日に起きた殺人事件。高級マンションに住みポルシェを乗り回す被害者に見え隠れする、極左の過去。
バブル景気の拝金主義に浮かれる世で、思想活動は衰退の一途をたどる。その交錯点で起きた事件を、二人の刑事が追う。

刑事は地べたを這いずる仕事だ。だが、空から全体を見る鷹の目を持て。
父の道を継ぎ鷹となった息子たちの物語が、いま幕を開ける!

作品データ

タイトル:『鷹の系譜』
著者:堂場瞬一
出版社:講談社
発売日:2022/6/22

作家紹介

堂場 瞬一(どうば・しゅんいち)

1963年茨城県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。
新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞。
2013年より専業作家となり警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。
著書に「警視庁犯罪被害者支援課」「警視庁追跡捜査係」「ラストライン」各シリーズのほか、『小さき王たち』『0』『幻の旗の下に』『聖刻』など多数。 2021年、作家デビュー20周年を迎えた。

堂場 瞬一の作品紹介

8年(2001年1月)
雪虫– 刑事・鳴沢了(2001年12月)
マスク(2002年4月)
天国の罠(2002年9月)
破弾– 刑事・鳴沢了(2003年2月)
キング(2003年3月)
熱欲– 刑事・鳴沢了(2003年10月)
二度目のノーサイド(2003年11月)
棘の街(2004年3月)
いつか白球は海へ(2004年4月)
焔(2004年7月)
約束の河(2005年1月)
バッド・トラップ(2005年7月)
孤狼– 刑事・鳴沢了(2005年10月)
帰郷– 刑事・鳴沢了(2006年2月)
ミス・ジャッジ(2006年3月)
讐雨– 刑事・鳴沢了(2006年6月)
神の領域– 検事・城戸南(2006年11月)
血烙– 刑事・鳴沢了(2007年2月)
被匿– 刑事・鳴沢了(2007年6月)
蒼の悔恨(2007年6月)
大延長(2007年7月)
BOSS(2007年10月)
長き雨の烙印– 汐灘サーガ(2007年11月)
疑装– 刑事・鳴沢了(2008年2月)
少年の輝く海(2008年5月)
青の懺悔(2008年5月)
久遠– 刑事・鳴沢了(2008年6月)
天空の祝宴(2008年9月)
チーム(2008年10月)
断絶– 汐灘サーガ(2008年12月)
蝕罪– 警視庁失踪課・高城賢吾(2009年2月)
相剋– 警視庁失踪課・高城賢吾(2009年4月)
灰の旋律(2009年6月)
邂逅– 警視庁失踪課・高城賢吾(2009年8月)
ラストダンス(2009年9月)
夜の終焉– 汐灘サーガ(2009年10月)
10(ten)– 俺たちのキックオフ(2009年12月)
交錯– 警視庁追跡捜査係(2010年1月)
虚報(2010年1月)
漂泊– 警視庁失踪課・高城賢吾(2010年2月)
裂壊– 警視庁失踪課・高城賢吾(2010年6月)
アナザーフェイス(2010年7月)
逸脱– 捜査一課・澤村慶司(2010年8月)
水を打つ(2010年10-11月)
沈黙の檻(2010年10月)
策謀– 警視庁追跡捜査係(2011年1月)
波紋– 警視庁失踪課・高城賢吾(2011年2月)
敗者の嘘– アナザーフェイス2(2011年3月)
蒼い猟犬– 1300万人の人質(2011年4月)
異境(2011年6月)
八月からの手紙(2011年6月)
共鳴(2011年7月)
遮断– 警視庁失踪課・高城賢吾(2011年10月)
ヒート(2011年11月)
第四の壁– アナザーフェイス3(2011年12月)
謀略– 警視庁追跡捜査係(2012年1月)
歪– 捜査一課・澤村慶司(2012年1月)
七つの証言– 刑事・鳴沢了外伝(2012年2月)
衆– 1968夏(2012年5月)
暗転(2012年6月)
ラスト・コード(2012年7月)
解(2012年8月)
消失者– アナザーフェイス4(2012年11月)
over the edge(2012年11月)
牽制– 警視庁失踪課・高城賢吾(2012年12月)
標的の男– 警視庁追跡捜査係(2013年1月)
穢れた手(2013年1月)
執着– 捜査一課・澤村慶司(2013年2月)
闇夜– 警視庁失踪課・高城賢吾(2013年3月)
献心– 警視庁失踪課・高城賢吾(2013年6月)
検証捜査(2013年7月)
Sの継承(2013年8月)
傷(2013年9月)
20(2013年10月)
オトコの一理(オトコのトリセツ)(2013年11月)
独走(2013年11月)
凍る炎– アナザーフェイス5(2013年12月)
刑事の絆– 警視庁追跡捜査係(2013年12月)
内通者(2014年2月)
ルーキー– 刑事の挑戦・一之瀬拓真(2014年3月)
グレイ(2014年4月)
壊れる心– 警視庁犯罪被害者支援課(2014年8月)
ターンオーバー(2014年8月)
見えざる貌– 刑事の挑戦・一之瀬拓真(2014年9月)
警察回りの夏– メディア三部作(2014年9月)
親子の肖像– アナザーフェイス0(2014年10月)
埋れた牙(2014年10月)
誤断(2014年11月)
複合捜査(2014年12月)
ルール(2014年12月)
高速の罠– アナザーフェイス6(2015年3月)
夏の雷音(2015年4月)
誘爆– 刑事の挑戦・一之瀬拓真(2015年5月)
黄金の時(2015年6月)
十字の記憶(2015年8月)
暗い穴– 警視庁追跡捜査係(2015年9月)
邪心– 警視庁犯罪被害者支援課2(2015年10月)
チームII(2015年10月)
Killers(2015年10月)
蛮政の秋– メディア三部作(2015年12月)
バビロンの秘文字(2016年1-3月)
愚者の連鎖– アナザーフェイス7(2016年3月)
虹のふもと(2016年5月)
特捜本部– 刑事の挑戦・一之瀬拓真(2016年6月)
共犯捜査(2016年7月)
二度泣いた少女– 警視庁犯罪被害者支援課3(2016年8月)
黒い紙(2016年9月)
メビウス(2016年10月)
under the bridge(2016年11月)
社長室の冬– メディア三部作(2016年12月)
錯迷(2017年1月)
報い– 警視庁追跡捜査係(2017年2月)
潜る女– アナザーフェイス8(2017年3月)
犬の報酬(2017年3月)
奪還の日– 刑事の挑戦・一之瀬拓真(2017年4月)
1934年の地図(2017年6月)
ネタ元(2017年7月)
身代わりの空– 警視庁犯罪被害者支援課4(2017年8月)
ランニング・ワイルド(2017年8月)
時限捜査(2017年12月)
絶望の歌を唄え(2017年12月)
闇の叫び– アナザーフェイス9(2018年3月)
零れた明日– 刑事の挑戦・一之瀬拓真(2018年4月)
砂の家(2018年4月)
脅迫者– 警視庁追跡捜査係(2018年7月)
焦土の刑事(2018年7月)
影の守護者– 警視庁犯罪被害者支援課5(2018年8月)
宴の前(2018年9月)
白いジオラマ(2018年10月)
ラストライン(2018年11月)
ピーク(2019年1月)
ザ・ウォール(2019年2月)
割れた誇り– ラストライン2(2019年3月)
帰還(2019年4月)
動乱の刑事(2019年5月)
凍結捜査(2019年7月)
決断の刻(2019年7月)
不信の鎖– 警視庁犯罪被害者支援課6(2019年8月)
奔る男– 小説 金栗四三(2019年10月)
沃野の刑事(2019年11月)
垂れ込み– 警視庁追跡捜査係(2020年1月)
インタビューズ(2020年1月)
迷路の始まり– ラストライン3(2020年3月)
チームIII(2020年3月)
空の声(2020年4月)
ダブル・トライ(2020年5月)
ホーム(2020年6月)
空白の家族– 警視庁犯罪被害者支援課7(2020年8月)
コーチ(2020年10月)
共謀捜査(2020年12月)
時効の果て– 警視庁追跡捜査係(2021年1月)
刑事の枷(2021年1月)
骨を追え– ラストライン4(2021年3月)
沈黙の終わり(2021年4月)
ピットフォール(2021年5月)
赤の呪縛赤の呪縛
大連合(2021年6月)
チェンジ– 警視庁犯罪被害者支援課8(2021年8月)
聖刻(2021年8月)
幻の旗の下に(2021年10月)
ボーダーズ(2021年12月)
0 zero(2022年2月)
悪の包囲– ラストライン5(2022年3月)
小さき王たち– 第一部:濁流(2022年4月)
鷹の系譜(2022年6月)
小さき王たち– 第二部:泥流(2022年7月)
誤ちの絆 警視庁総合支援課(2022年8月)
オリンピックを殺す日(2022年9月)

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