【感想】『紅だ!』桜庭一樹 |損するとわかっていても飛び込むのが私なんだ

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紅だ!|桜庭一樹

ケイチャン

ケイチャン

【2022年120冊目】
今回ご紹介する一冊は、
桜庭一樹 著
『紅だ!』です。

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【感想】「損するとわかっていても飛び込むのが私なんだ」

探偵物語

厄介ごとはオルチャンメイクと共にやってくる!?

東京のコリアンタウンで零細探偵事務所を営む
元・テコンドーオリンピック代表の真田紅(くれない)と
元・刑事の黒川に舞い込んだ依頼とは
1億円の偽造紙幣事件であった

オルチャンメイクとは韓国女子風メイクのこと
K-POPアイドルをイメージすればいいんですね
ダークウェブで懸賞金をかけられた少女から
護衛の依頼を受ける紅
これが訳ありでないはずない!

いっぽう偽造紙幣の捜査を請け負った黒川
辿り着いたのは地方の印刷工場
その会社の前社長の娘が行方不明になっていた
これは訳ありのようだ・・ん?

重なり合った訳あり娘こそ
オルチャンメイクの仮面を被った
災厄の王
復讐の予告者
1億円以上の価値を持つ
逃亡の女子高生であった

「損するとわかっていても飛び込むのが私なんだ」

共に挫折経験がある元・元コンビの紅と黒川
微妙に噛み合わない2人の相棒関係がコミカルです
また自称災厄の王こと逃亡JK娘の小悪魔ぶりも
程よいスパイスとなっています

事件発生から逃亡までの正味5日間という
スピード感ある展開で
テンポ良く読み進められる
ポップでライトなエンタメ作品です

また多国籍化してゆく元コリアンタウンでの
アジア的混沌な日々の描写も楽しく読める
一因だと思いますね
特に聞いたことないような食べ物が興味をそそります

僕もソウルモンブランを
食べてインスタアップしたいな!

作品紹介(出版社より)

東京の新大久保、コリアンタウンから超多人種都市へと変貌しつつある街に、「道明寺探偵屋」は事務所を構える。社員はわずかに二人、そのうちのひとり、真田紅は、女子テコンドーでオリンピックに出場経験がある大柄な武闘派だ。
「紅だあーッ!」
真田紅がいつものように雄叫びを上げながら「道明寺探偵屋」の扉を勢いよく開ける。外にいたのはオルチャンメイクをほどこした見知らぬ小柄な少女だった。ハイタカと名乗った少女は、物騒な連中に追われているようだ。成り行きで用心棒を引き受けてしまった紅は、ハイタカに襲い掛かる者どもを撃退する。「生死を問わず」捕まえろ――ダークウェブで多額の懸賞金がハイタカにはかけられていたのだ。まだ15歳の少女に、いったい誰が? 何の目的で?
同じ頃、もうひとりの社員こと黒川橡は、かつての職場の先輩である公安の藤原に相談を受けていた。全国各地のATMでいっせいに偽札が発見されたのだ。不本意ながらも捜査に巻き込まれていく橡だったが、事件の鍵を握る重要人物として浮かんできたのは、どうやら紅の依頼人である少女、ハイタカなのだった。橡は躊躇いながらも、一年ぶりに“相棒”に電話をかける。
「――じつはな。どうやら俺たち、久々の共闘になりそうなんだ。紅」
果たしてハイタカと偽札事件のかかわりは? 彼女が抱えている秘密とは? そして、紅と橡に一年前に生じたわだかまりとは何か?
二転三転する事件に翻弄されるなかで、社会正義や共同体の在り方について悩み、お互いを見つめ直す探偵コンビを描く、ノンストップ・アクション・エンタテインメント。

作品データ

タイトル:『紅だ!』
著者:桜庭一樹
出版社:文藝春秋
発売日:2022/7/25

作家紹介

桜庭一樹(さくらば・かずき)


1999年小説家デビュー。
2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞受賞
2008年『私の男』で直木賞受賞。
作品に『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『少女には向かない職業』『荒野』『ファミリーポートレイト』『伏 贋作・里見八犬伝』『無花果とムーン』、『GOSICK』シリーズなどがある。

桜庭一樹の作品紹介

『ロンリネス・ガーティアン AD2015隔離都市(1999年12月)
『ルナティック・ドリーマー(2001年12月)
『Girl’s Guard 君の歌は僕の歌(2002年1月)
『B-EDGE AGE 獅子たちはアリスの庭で(2002年7月)
『竹田くんの恋人(2002年9月)
『B-EDGE AGE 獅子たちはノアの方舟で(2002年11月)
『赤×ピンク(2003年1月)
『GOSICK -ゴシック-』(2003年12月)
『推定少女』(2004年9月)
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet』(2004年11月)
『荒野』(2005年5月)
『推定少女』(2004年9月)
『少女には向かない職業』(2005年9月)
『ブルースカイ』(2005年10月)
『少女七竈と七人の可愛そうな大人』(2006年6月)
『青年のための読書クラブ』(2007年6月)
『赤朽葉家の伝説』(2006年12月)
『私の男』(2007年10月)
『ファミリーポートレイト』(2008年11月)
『製鉄天使』(2009年10月)
『道徳という名の少年』(2010年4月)
『伏 贋作・里見八犬伝』(2010年11月)
『ばらばら死体の夜』(2011年5月)
『傷痕』(2012年1月)
『無花果とムーン』(2012年10月)
『このたびはとんだことで 桜庭一樹奇譚集』(2013年6月)
『ほんとうの花を見せにきた』(2014年9月)
『じごくゆきっ』(2017年6月)
『すきなひと 恋の絵本』(2019年5月)
『桜庭一樹のシネマ桜吹雪』(2021年1月)
『東京ディストピア日記』(2021年4月)
少女を埋める』(2022年1月)
紅だ!』(2022年7月)

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