【感想】『奇跡集』小野寺史宜|運命の出会いは日常に隠れている

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奇跡集|小野寺史宜

ケイチャン

ケイチャン

【2023年14冊目】

今回ご紹介する一冊は、

小野寺史宜 著

『奇跡集』です。

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【感想】「運命の出会いは日常に隠れている」

連作短編集

ひとりの女の子がしゃがんだ時
運命の乗り換えが起こったのか?
同じ電車にたまたま乗り合わせた
人たちが転機のスイッチを繋ぐ
ちょっぴり不思議な物語です

ウンコを漏らしそうな
大学生から話が始まり
オイオイ大丈夫かよ?
と思っていたら
隣の女の子が倒れそうになる

それは最初のドミノが倒れた合図

そして見えないドミノに
押し倒されるように
7人の運命の転機がスタートする
人との出会いの物語でした

「運命の出会いは日常に隠れている」

世の中はこんなに人で溢れているのに
繋がっている人なんて僅かなもの
他人と繋がるって
不思議な運命なのかも知れません

倒れたドミノが重なるように
繋がる人との縁が
日常の些細な一幕のように
描かれていきます

でもそれは自分の運命を
変えてしまうような
特別な出会いかも知れません
運命の転機も日常に隠れている

何気ない普通の日が
特別に輝き出すような
気付きを与えてくれる
穏やかでコミカルな物語でした

僕たちは生きているだけでもう
奇跡なんですね

作品紹介(出版社より)

同じ電車の同じ車両に、たまたま乗り合わせた見しらぬ男女たちがつなぐ、幸せのふしぎスイッチ。

第一話「青戸条哉(あおと・じょうや)の奇跡 竜を放つ」ーー満員の朝の快速電車。ぼくは過去最凶の腹痛に耐えていた。もうダメだと思い、その場にしゃがもうとした瞬間、隣に立つ同い年くらいの女性が、ぼくよりもわずかに早く、しゃがみこんだ。

第二話「大野柑奈(おおの・かんな)の奇跡 情を放つ」ーー大学時代、わたしは小劇団にのめり込んだが、結局就活をして、食品会社へ。通勤途中、具合が悪くて社内で声をかけた女性の様子が気になり、駅を一つ戻ってホームに降りると、そこには意外な先客がーー。

第三話「東原達人(ひがしはら・たつひと)の奇跡 銃を放つ」ーー満員電車での尾行中。住宅街の駅で降りた捜査対象者に気づかれぬよう後を追っていると、赤ん坊を抱いた裸足の女性が、すごいスピードで無表情のまま目の前を通り過ぎていった。

第四話「赤沢道香(あかざわ・みちか)の奇跡 今日を放つ」ーー五年ぶりのデート。満員電車で、男の人の手が、女性のお尻のあたりで動いているのを見てしまった。女性は、まったく別の男性に「触りましたよね?」と詰め寄った。どうする、わたし?

第五話「小見太平(おみ・たいへい)の奇跡 ニューを放つ」ーーカップ麺会社の宣伝部で、おれは失敗した。起用した女性大食いユーチューバーが炎上した。代替案を上司に提案しなければならないが、電車が止まってしまう。「イッキュウちゃんの動画。見た?」という会話が聞こえたのはその時だ。

第六話「西村琴子(にしむら・ことこ)の奇跡 業を放つ」ーー満員電車で、彼の浮気相手をひそかに凝視する。彼はわたしの8歳年下で、その女はわたしの16歳下。有休をとり、女の乗った通勤電車にわたしも乗った。だが、わたしは決してストーカーではない。

第七話「黒瀬悦生(くろせ・えつお)の奇跡 空を放つ」ーーななめ掛けしたボディバッグに拳銃を入れた俺は、とっくに尾行されていることに気がついていた。目的地の一つ前の駅で降りて住宅街を歩いていると、声をかけてきたのは、尾行していた刑事ではなかった。

小さいけれど確かに人生を左右する(かもしれない)7つのミラクルを描く、連作短編小説!

作品データ

タイトル:『奇跡集』
著者:小野寺史宜
出版社:集英社
発売日:2022/5/26

作家紹介

小野寺史宜 (おのでら・ふみのり)

1968年、千葉県生れ。
2006年「裏へ走り蹴り込め」でオール讀物新人賞を受賞。
2008年、『ROCKER』でポプラ社小説大賞優秀賞を受賞。
他の著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『リカバリー』『ひりつく夜の音』『ひと』『夜の側に立つ』『縁』『今日も町の隅で』『食っちゃ寝て書いて』『今夜』『天使と悪魔のシネマ』などがある。

今野敏の作品

『 ROCKER 』 (2008年11月)
『ナオタの星』(2009年6月)
『 みつばの郵便屋さん』 (2012年5月)
『 リカバ 』(2014年7月)
『 片見里、二代目坊主と草食男子の不器用リベンジ』(2014年9月)
『 みつばの郵便屋さん– 先生が待つ手紙 』(2015年2月)
『 ホケツ!』(2015年2月)
『 その愛の程度 』(2015年6月)
『ひりつく夜の音 』(2015年9月)
『みつばの郵便屋さん– 二代目も配達中』(2015年11月)
『近いはずの人 』(2016年2月)
『 家族のシナリオ 』(2016年6月)
『 太郎とさくら 』(2017年1月)
『本日も教官なり』(2017年9月)
『 みつばの郵便屋さん– 幸せの公園 』(2017年10月)
『それ自体が奇跡』(2018年1月)
『ひと 』(2018年4月)
『 夜の側に立つ 』(2018年8月)
『 みつばの郵便屋さん– 奇蹟がめぐる町』 (2018年11月)
『ライフ 』(2019年5月)
『 縁 』(2019年9月)
『 まち 』(2019年11月)
『 今日も町の隅で 』(2020年2月)
『 食っちゃ寝て書いて 』(2020年5月)
『 タクジョ! 』(2020年8月)
『 みつばの郵便屋さん– 階下の君は 』(2020年11月)
『今夜 』(2020年11月)
『天使と悪魔のシネマ 』(2021年2月)
『 片見里荒川コネクション』(2021年5月)
『 とにもかくにもごはん 』(2021年8月)
『ミニシアターの六人』(2021年11月)
『 いえ 』(2022年2月)
奇跡集 』(2022年5月)
『 みつばの郵便屋さん– あなたを祝う人 』(2022年6月)
『 レジデンス 』(2022年8月)
『 タクジョ! みんなのみち』(2022年11月)
『 みつばの郵便屋さん– そして明日も地球はまわる』(2022年12月)
『 君に光射す 』(2023年2月)

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