ミステリー

『ファイア・ドーム 上』辻村深月 あらすじと感想|あの時もっと何かが出来ただろうに・・

ケイチャン(サカキ ケイ)
辻村深月『ファイア・ドーム 上』

【2026年77冊目】

今回ご紹介する一冊は、

辻村深月 著

『ファイア・ドーム 上です。

この小説はこんな人にオススメ

重厚な人間ドラマを味わいたい人

あらすじと感想

ミステリー

25年前、この地方で起った誘拐事件がまた再現するのか?
悲劇的な事件を娯楽として消費する人々と、いつまでも苦しめられる関係者を描く物語です

人の不幸は蜜の味・・

あの子の家庭には何かがある・・そう気が付く
小学教師の美冬(みふゆ)さんの疑問から物語は始まる
光汰朗(こうたろう)くんに対する同級生の親の、冷ややかな空気に拒絶を感じたのです

25年前の『デパート受付嬢誘拐殺人事件』

被害者の遺族である光汰朗…なぜ被害を受けた者が拒絶されるのか?
それは事件後に沸き起こった『噂』が原因でした

・・殺されたのは理由があるんでしょ!
真偽は不明、出所も不明、そんな無責任な『悪い噂』が、遺族たちを苛む2次被害が今もなお続いていたのだ
その中のひとつがやはり25年前に起こった『小4児童ひき逃げ死体遺棄事件』の犯人が被害者だというものでした

そんな中、美冬は夕方に街から離れたトンネルで光汰朗を見かける
蝶をスケッチするという彼に、早く帰るのよと声を掛けて別れ、そして・・光汰朗は消えてしまったんだ

「あの時もっと何かが出来ただろうに・・」

光汰朗を見た最後の人となった美冬は、後悔する
私が家まで送っていけばよかったのに・・と

あの時ああすれば良かったのにと、事が起こってから思うことは辛いよね

行方不明となった光汰朗

後悔する美冬に追い打ちをかけるように、彼女について悪い噂が流れます
25年前と違いSNSが根も葉もない噂を、速やかに拡散する
・・怖い時代になってしまったんだ

本作のテーマである『噂』
無責任に広める人に怒りを覚えますが、ふと自らを振り返ってみて、冷や汗をかきました
・・噂話をしたこと、あるよね?

噂は人を殺す

悪気なく軽い気持ちの『噂』でも、される方は、たまらない
無自覚の罪深さを断罪する、氷の刃のような物語でした

さて、上巻では光汰朗を探す同級生たちが、手がかりを掴むような場面で終わります
はたして光汰朗は見つかるのか?
そして25年前の真実はなんなのか?

下巻が楽しみです

あなたは噂話が好きですか?

作品紹介(出版社より)

人はなぜ大きな事件に魅了されてしまうのか
噂は、軽薄な娯楽だ。

25年前、平穏だったはずの地方都市は、百貨店受付嬢誘拐殺人事件の発生、その報道により揺り動かされ、「噂」という大量の炎が、加害者のみならず被害者にも降り注ぎ、燃えさかった。ようやく静けさを取り戻したかに見える町に燻り続ける因縁が、いま新たな事件を呼び起こす――。

デビュー22周年記念刊行作品 
渾身の本格的現代長編ミステリー!
執筆開始から7年。ついに完成した、2026年を席巻する記念碑的傑作!

作品データ

タイトル:『ファイア・ドーム 上』
著者:辻村深月
出版社:小学館
発売日:2026/6/5

タイトル:『ファイア・ドーム 下』
著者:辻村深月
出版社:小学館
発売日:2026/6/5

辻村深月『ファイア・ドーム』

作家紹介

辻村 深月(つじむら・みづき)

1980年山梨県生まれ。山梨県出身。千葉大学教育学部卒業。
2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。
2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞受賞 。
2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞受賞 。
2018年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。
『ふちなしのかがみ』『きのうの影踏み』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『嚙みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』など著書多数。

辻村深月の作品紹介

『冷たい校舎の時は止まる 上』(2007/8/11)
『子どもたちは夜と遊ぶ 上』 (2008/5/15)
『凍りのくじら』 (2008/11/14)
『ぼくのメジャースプーン』 (2009/4/15)
『スロウハイツの神様 上』 (2010/1/15)
『名前探しの放課後 上』 (2010/9/15)
『ロードムービー』 (2011/9/15)
『太陽の坐る場所』 (2011/6/1)
『ふちなしのかがみ』 (2012/6/22)
『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』 (2012/4/13)
『V.T.R.』(2013/2/15)
『光待つ場所へ』 (2013/9/13)
『ツナグ』(2012/8/27)
『本日は大安なり』 (2014/1/25)
『オーダーメイド殺人クラブ』 (2015/5/20)
『水底フェスタ』(2014/8/6)
『ネオカル日和』(2015/10/15)
『サクラ咲く』(2014/3/12)
『鍵のない夢を見る』(2015/7/10)
『島はぼくらと』(2016/7/15)
『盲目的な恋と友情 』(2017/1/28)
『ハケンアニメ! 』(2017/9/6)
『家族シアター』(2018/4/13)
『朝が来る』(2018/9/4)
『きのうの影踏み』(2018/8/24)
『図書室で暮らしたい』(2020/10/15)
『東京會舘とわたし 上 旧館』(2019/9/3)
『クローバーナイト』(2019/11/12)
『かがみの孤城 上』(2021/3/5)
『青空と逃げる』(2021/7/21)
『噛みあわない会話と、ある過去について』(2021/10/15)
『小説「映画 ドラえもん のび太の月面探査記」』(2019/2/7)
『傲慢と善良』(2019/3/5)
『恋の絵本 すきって いわなきゃ だめ? 』(2019/5/21)
『限定愛蔵版 冷たい校舎の時は止まる 』(2019/6/7)
『ツナグ 想い人の心得 』(2019/10/18)
琥珀の夏 』(2021/6/9)
闇祓』(2021/10/29)
『レジェンドアニメ! 』(2022/03/03)
嘘つきジェンガ』(2022/08/25)
『Another side of 辻村深月』(2023/03/24)
この夏の星を見る』(2023/06/30)
ファイア・ドーム 上』2026/6/5
『ファイア・ドーム 下』2026/6/5

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ケイチャン
ケイチャン
サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。ミステリー・サスペンス・イヤミス・恋愛小説を中心に、本の感想とおすすめをご紹介しています。「読む本に迷ったとき」の参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」一緒に読書を楽しみましょう!!
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