【感想】『この夏の星を見る』辻村深月|星々のように輝く、子供たち

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この夏の星を見る|辻村深月

ケイチャン

ケイチャン

【2023年125冊目】

今回ご紹介する一冊は、

辻村深月 著

『この夏の星を見る』です。

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【感想】「星々のように輝く、子供たち」

コロナ禍の青春小説

この夏を奪われたままにしない!
止まってしまった学校生活を
輝かせるために夜空で繋がる
学生たちの物語です

封印された学生生活が辛い

コロナ文学
そんなジャンルが遠からず
出来るんじゃないかと思います
私たちに与えた影響は
それほどに大きかった

なかでも
中高生の心に与えた傷は深い

学校に行けない
友達に会えない
部活動も無くなり
大会も中止となる

修学旅行に行けなかった
子どもたちは
さぞ無念だったでしょう
本当に可哀相です

さて物語は
コロナ禍のど真ん中
おずおずと学校が再開し
始めた頃からスタートします

いまだかつて
経験したことのない事態に
大人たちが選んだ選択は
とりあえず『自粛』でした

しかし子供たちは
たまったもんではない
私たちの1年は
もう返ってこない
大切な1年なんだ!
コロナが憎い!!

このかけがえのない
学生生活を無駄には
終わらせない
そんな気持ちで繋がった
学生たちが集ったのが
スターキャッチ・コンテストでした

「星々のように輝く、子供たち」

手作りの望遠鏡で
星々の観測を競う
スターキャッチ・コンテスト

茨城県の高校で
東京都心の中学校で
五島列島の天文台で
僕たちは会えないけれど

この星空で繋がるんだ

中高生たちの
瑞々しい心情描写で
一気に物語へと
引き込まれます

何かと制約の多い中で
今自分が出来ることを
追い求める姿に
じいい~んっと来ます

少年少女よ、頑張れ!

夏に
スターキャッチ・コンテストで
繋がった子供たちは
気が付きました

私たちは同じ空の下にいる
何かに閉ざされていると
感じるのなら
それは心の問題なんだ

同じ気持ちで繋がった
子どもたちの世界は広がり
たくましく成長してゆく姿に
爽やかな感動を覚えます

今夜晴れているのなら
僕も夜空を眺めよう
その時あなたも
同じ星を見ているのかもですね

作品紹介(出版社より)

この物語は、あなたの宝物になる。

亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。真宙(まひろ)は渋谷区立ひばり森中学の一年生。27人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、「長引け、コロナ」と日々念じている。円華(まどか)は長崎県五島列島の旅館の娘。高校三年生で、吹奏楽部。旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われる――。
コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。
哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。

作品データ

タイトル:『この夏の星を見る』
著者:辻村深月
出版社:KADOKAWA
発売日:2023/6/30

作家紹介

辻村 深月(つじむら・みづき)

1980年山梨県生まれ。山梨県出身。千葉大学教育学部卒業。
2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。
2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞受賞 。
2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞受賞 。
2018年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。
『ふちなしのかがみ』『きのうの影踏み』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『嚙みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』など著書多数。

辻村深月の作品紹介

『冷たい校舎の時は止まる 上』(2007/8/11)
『子どもたちは夜と遊ぶ 上』 (2008/5/15)
『凍りのくじら』 (2008/11/14)
『ぼくのメジャースプーン』 (2009/4/15)
『スロウハイツの神様 上』 (2010/1/15)
『名前探しの放課後 上』 (2010/9/15)
『ロードムービー』 (2011/9/15)
『太陽の坐る場所』 (2011/6/1)
『ふちなしのかがみ』 (2012/6/22)
『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』 (2012/4/13)
『V.T.R.』(2013/2/15)
『光待つ場所へ』 (2013/9/13)
『ツナグ』(2012/8/27)
『本日は大安なり』 (2014/1/25)
『オーダーメイド殺人クラブ』 (2015/5/20)
『水底フェスタ』(2014/8/6)
『ネオカル日和』(2015/10/15)
『サクラ咲く』(2014/3/12)
『鍵のない夢を見る』(2015/7/10)
『島はぼくらと』(2016/7/15)
『盲目的な恋と友情 』(2017/1/28)
『ハケンアニメ! 』(2017/9/6)
『家族シアター』(2018/4/13)
『朝が来る』(2018/9/4)
『きのうの影踏み』(2018/8/24)
『図書室で暮らしたい』(2020/10/15)
『東京會舘とわたし 上 旧館』(2019/9/3)
『クローバーナイト』(2019/11/12)
『かがみの孤城 上』(2021/3/5)
『青空と逃げる』(2021/7/21)
『噛みあわない会話と、ある過去について』(2021/10/15)
『小説「映画 ドラえもん のび太の月面探査記」』(2019/2/7)
『傲慢と善良』(2019/3/5)
『恋の絵本 すきって いわなきゃ だめ? 』(2019/5/21)
『限定愛蔵版 冷たい校舎の時は止まる 』(2019/6/7)
『ツナグ 想い人の心得 』(2019/10/18)
琥珀の夏 』(2021/6/9)
闇祓』(2021/10/29)
『レジェンドアニメ! 』(2022/03/03)
嘘つきジェンガ』(2022/08/25)
『Another side of 辻村深月』(2023/03/24)
この夏の星を見る』(2023/06/30)

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