【感想】『ヘルメス』山田宗樹|希望はひとつではない

135 views
ヘルメス|山田宗樹

ケイチャン

ケイチャン

【2023年124冊目】

今回ご紹介する一冊は、

山田宗樹 著
『ヘルメス』です。

PR

【感想】「希望はひとつではない」

SFディストピア小説

小惑星が地球に落ちてくる!
その時に願うのは
救済の祈りなのか
それとも
絶滅への期待なのか・・
隕石落下系小説です

人類絶滅の危機に
あなたは何を思いますか?

もう物語の1ジャンルとして
定着したような
アルマゲドン系小説
その時自分ならどうする?
と、考えてしまいますよね

1度めは、カスって助かった

まず間違いなく
激突するだろう
と言われた小惑星が
地球を掠めて
飛び去っていった

絶望から一転の奇跡に
安堵する人々だが
次のに備えなければいけない
と不安に駆られました

そして計画されたのが
地下シェルター都市です
高深度の地中に街を作り
隕石衝突に備えよう!

そこでとりあえず10年
地下で暮らしてみたら
どうなるのか?と
実験することにしました

が、みんな地下から
出てこない・・

こんな結果となるとは!
実験期間が終わったのに
大半の人々が
地上に戻ることを
拒否したのです

いったい地下で
人々の精神に
何が起こったのでしょうか?

さて物語は大まかに
3つのフェーズに分けられて
群像劇のように進みます

①実験地下都市ヘルメス
②地下からの使者
③第2の小惑星接近

さて、あなたなら
その時が来たら
どうしますか?

「希望はひとつではない」

人類絶滅の回避のため
みんな一致団結しよう!
とは残念ながら
なりません

主に経済格差から
分断された社会は
その立場により
望む思いが異なります

こんな外れガチャ人生なら
終わってしまって結構!
しかも人類絶滅なんて
究極の公平じゃないか!!

と小惑星の落下を
心待ちにする人々がいるんだ

いやこの気持ち
ちょっと解らないでも
ありませんね

絶望と希望は
実は等価値なのかも知れません

同じ危機を前にして
違う希望を思う
人々の様子が
万華鏡のように
クルクルと描かれていきます

人の希望は
人それぞれ
あなただったら
その時に
何を思い、どうしますか?

作品紹介(出版社より)

2029年に起きた小惑星衝突の危機。すんでのところで衝突は免れたものの人々の恐怖は拭いきれず、シェルター用の実験地底都市が建造された。劣悪な環境下で暮らす実験期間は10年、被験者たちには終了時に巨額の報酬が約束されている。しかし実験終了目前、239人の被験者たちがなぜか地上に出たくないと抵抗し始めた――。『百年法』の著者が描く、緊迫のエンターテインメント長篇!

作品データ

タイトル:『ヘルメス』
著者:山田宗樹
出版社:中央公論新社
発売日:2023/8/21

作家紹介

山田宗樹(やまだ むねき)

1965年愛知県生まれ。1998年に『直線の視角』で第18回横溝正史賞を受賞しデビュー。
2003年に発表した『嫌われ松子の一生』は、映画、テレビと映像化され、大ヒット作となった。
他著作に『黒い春』『ジバク』『乱心タウン』『魔欲』などがあり、様々なジャンルのエンターテインメント作品を発表し続けている。
2012年には、不老技術が確立された近未来の日本を舞台に、生きる意味の本質、政治、国民のあるべき姿を問う大作『百年法』(上下刊)を刊行した。

山田宗樹の作品

『直線の死角 1998/05/01
『死者の鼓動』 1999/03/01
『黒い春』 2000/03/01
『嫌われ松子の一生』 2003/01/01
『天使の代理人』 2004/05/01
『聖者は海に還る』 2005/03/01
『ゴールデンタイム―続・嫌われ松子の一生』 2006/05/01
『ランチブッフェ』 2006/07/01
『ジバク』 2008/02/22
『人は、永遠に輝く星にはなれない』 2008/06/01
『魔欲』 2009/04/25
『乱心タウン』 2010/03/01
『百年法(上・下)』2012/07/28
『いよう!』2013/02/14
『ギフテッド』 2014/08/27
『代体』 2016/05/28
『きっと誰かが祈ってる』 2017/09/21
『人類滅亡小説』 2018/09/06
『SIGNAL シグナル』 2020/10/01
存在しない時間の中で』 2021/08/10
ヘルメス』 2023/08/21

関連記事