【感想】『ドゥルガーの島』篠田節子|複雑怪奇なインドネシア

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ドゥルガーの島|篠田節子

ケイチャン

ケイチャン

【2023年126冊目】

今回ご紹介する一冊は、

篠田節子 著

『ドゥルガーの島』です。

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【感想】「複雑怪奇なインドネシア」

冒険小説

南洋に沈む
古代遺跡の謎を解き明かせ!
だがその島は首狩り族が住み
火山噴火の危機にあった
ロマンと現実が交差する物語です

ダイビングで偶然
古代遺跡を見つけちゃったww

大手ゼネコン勤務の加茂川さん
長年インドネシアに駐在しています

と、偶然訪れた島で
とんでもない発見をしてしまう
海から突き出たこの建造物は
まるでボロブドゥール遺跡の
仏塔のようじゃないか!

俺は現代のシュリーマンになれちゃう?

ブルドーザーのように馬力ある加茂川さんは
水中考古学の准教授、藤川と
文化人類学者の人見(ひとみ)
を巻き込んで
インドネシアのネピ島に
再び舞い戻るのだった

「複雑怪奇なインドネシア」

丹念に描かれるインドネシア社会の
複雑なようすに驚かされました
習俗、宗教が違えば
同じ島に住んでいても
他民族なんですね

島民から『首狩り族』
と差別されるプラガダン村の人々
しかし経験と伝承に基づく
彼女たちの的確な行動に
驚きます

彼らが恐れ敬い
しきたりに従って
守る遺跡とは?
そしてシャーマニックな
人知を超えたパワーは
本当にあるのか?

ちょっと怖くて
でもワクワクするような
南海の原始的な生活に
興味がそそられます

そして主人公の
『かもやん』こと加茂川一正さん
いまだ昭和的サラリーマン気質の
空気読めない系おやじです笑

当初は苦手なタイプの主人公でしたが
分け隔てなく熱血で親切な
カラッとした陽気な気質に
だんだんと好きになってゆく

インテリ然とした藤川教授と
自己チューな人見女史も
物語が進むにつれて
なかなか良い冒険仲間となります

だが真の英雄は
プラガダンの女たちです
首狩り族の魔女と呼ばれる
彼女たちの活躍がスゴイ!

燃え上がる噴煙が立ち昇り
地震に島が揺さぶられる時
彼女たちの真骨頂が
明かとなるのだ!

資本主義に毒された
損得重視の現代人より
経験と伝承に裏打ちされた
原住民の生活の方が
価値あるように思えました

ロマンに生きる
カモヤンら研究者たちの
姿が輝いて見えます
何かに熱中して生きるって
素晴らしいですね

作品紹介(出版社より)

大手ゼネコン勤務の加茂川一正は、インドネシアの小島で海底に聳え立つ仏塔を発見する。一正はこの遺跡の保護を自らの使命とし本格的な調査に乗り出すが、次々と障壁が立ち塞がる。住民の反発、開発を優先する地主、他宗教からの弾圧……人間の欲望が女神の怒りに触れたとき、島に激震が走る。圧巻の長編エンタテインメント!

作品データ

タイトル:『ドゥルガーの島』
著者:篠田節子
出版社:新潮社
発売日:2023/8/18

作家紹介

東京都生まれ。東京学芸大学卒。
1990年『絹の変容』で第三回小説すばる新人賞を受賞。
1997年『ゴサイタン―神の座―』で第十回山本周五郎賞受。
1997年『女たちのジハード』で第百十七回直木賞を受賞。
2009年『仮想儀礼』で第二十二回柴田錬三郎賞を受賞。

篠田節子の作品

『 絹の変容 』(1993年8月)
『 神の座 ゴサインタン 』(2002年10月)
『 女たちのジハード 』(2000年1月)
『 仮想儀礼・上 』(2008年12月)
『 仮想儀礼・下 』(2011年5月)
『 長女たち 』(2014年2月)
『 ブラックボックス 』(2013年1月)
『 鏡の背面 』(2018年7月)
『 夏の災厄 』(1998年6月)
『 インドクリスタル 』(2014年12月)
『 弥勒 』(2001年10月)
『 夏の災厄 』(2015年2月)
『 聖域 』(2008年7月)
『 神鳥イビス 』(1996年10月)
『 銀婚式 』(2011年12月)
『 となりのセレブたち 』(2015年9月)
『 ハルモニア 』(2001年2月)
『 カノン 』(1999年4月)
『 長女たち 』(2017年9月)
『 田舎のポルシェ 』(2021年4月)
『 コミュニティ 』(2009年7月)
『 はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか 』(2011年7月)
『 冬の光 』(2015年11月)
『 竜と流木』 2016/05/25
『 「森の人(オランウータン)」が食べるブドウの味』 2017/02/27
『 鏡の背面』 2018/07/26
『 肖像彫刻家 2019/03/22
『 介護のうしろから「がん」が来た!』 2019/10/04
『 こうた、もどっておいで 時を経て、二〇二〇』 2020/12/01
『 田舎のポルシェ』 2021/04/15
失われた岬』 2021/10/29
『セカンドチャンス』 2022/06/29
ドゥルガーの島』 2023/08/18

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