『夜想い』 住野よる あらすじと感想|星空を見上げて、自分の罪を数えるのはやめよう

【2026年97冊目】
今回ご紹介する一冊は、
住野よる 著
『夜想い』 です。

大切な人を失った悲しみに向き合いたい人
あらすじと感想
夜空の星を見続けると発症する『星空中毒』の少女は、どうしたら救われるの?
大切な人を失った者たちの物語です
喪失の穴は埋められない
中学2年生の男子、始(はじめ)くんからスタート
父親がいなくなってから1年間休学(不登校)していた彼が再び学校に通い出したのには理由があります
それはある事故で亡くなった男子高校生のことを知るためです
そんな彼の前に運命の少女が現れます
倒れている少女の姿は、日常茶飯事!?
ぐでんと廊下で寝そべるのは高校2年生の女子、ケイティこと遠山先輩だった
そして彼女こそ始が探していた人を良く知る人物でした
ケイティの親友の発案で、『空想研究会』なる同好会に加入する始は、そこで探していた人のことについて知ってゆくのでした・・
事故死した少年、ツグミくんとケイティの出会いと淡い恋の物語が描かれます
おしゃべりで空想が好きだが、他人との距離を詰めるのが少し苦手なツグミが、自由気ままな野良猫のようなケイティと、知り合い・距離を近くし・心を寄せ合う
まさにボーイ・ミーツ・ガールな展開に、プルプルと心が震えてしまいます

アオハルかよ!笑
しかし、悲劇の時はやってきてしまう・・
ケイティに告白するため花束を買いに行こうと並んだバス停に車が突っ込む
そこにいたのはツグミと始の父でした
注意!)以下、物語のネタバレとなります
なんと始の父は生きていた!事故の時、ツグミに突き飛ばされて命拾いした
父親は『後悔ない人生』を生きるために、始と母を捨て、1人で出て行ったのだ
・・なんて身勝手な
始は悲しむべきか、怒るべきなのか、自分がどう感じるべきかと、悩んでいたのだ
いっぽうでケイティは自分のせいでツグミは死んでしまったと後悔する
大切な人を失った喪失に耐え切れず自らを罰するかのように『星空中毒』となるのでした
さて物語の終盤は星空中毒の治療を強行するケイティの母から、ケイティを取り戻そうとする始たちの大活劇の末、大団円となります
ラストで語られる『星になった者』の慈愛あふれる言葉に、僕の心もウルルっとなってしまいました
大切な人を失った者たちの癒えない哀しみ
それでも立ち上がる、再生する青春の物語でした

あなたは大切な人を失ったことがありますか?
作品紹介(出版社より)
一年間不登校だった中学生の始は、春から再び学校に通いだした。その目的は、この学校にいるはずの〝ある人〟を捜すためだった。そんな中、始は校内の廊下に倒れている女子生徒と遭遇する。彼女は「星空中毒」という珍しい病気にかかった、高等部の遠山先輩だった。夜空の星を長時間見続けることで発症するその病気は、近年発見されたばかりの未知の病だ。始は、遠山先輩の友人・ひまわりに勧誘され、星空中毒を観察する「空想研究会」へ入ることに。研究会の活動をするうちに、始はかつて遠山先輩やひまわりと親しかった、今は亡き少年について知ることになり……
作品データ
タイトル:『夜想い』
著者:住野よる
出版社:双葉社
発売日:2026/7/24
作家紹介
住野よる(すみの・よる)
高校時代より執筆活動を開始。
2015年、デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、翌年の本屋大賞第2位にランクイン。
他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『麦本三歩の好きなもの』『この気持ちもいつか忘れる』がある。
住野よるの作品紹介
『君の膵臓をたべたい』(2015年6月)
『また、同じ夢を見ていた』(2016年2月)
『よるのばけもの』(2016年12月)
『か「」く「」し「」ご「」と「』(2017年3月)
『青くて痛くて脆い』(2018年3月)
『麦本三歩の好きなもの 第一集』(2019年3月)
『この気持ちもいつか忘れる』(2020年9月)
『麦本三歩の好きなもの 第二集』(2021年2月)
『腹を割ったら血が出るだけさ』(2022年7月)
『恋とそれとあと全部』(2023年2月)
『告白撃』 2024/5/22
『歪曲済アイラービュ』 2024/12/18
『夜想い』2026/7/24


