【感想】『彼岸花が咲く島』李琴峰|南海の異世界を思わせる、鮮やかな世界を作りあげています

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李琴峰『彼岸花が咲く島』

ケイチャン

ケイチャン

今回ご紹介する一冊は、

李琴峰 著
『彼岸花が咲く島』です。

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【感想】「南海の異世界を思わせる、鮮やかな世界を作りあげています」

芥川賞受賞作

記憶を無くした少女
宇美が流れ着いた島

そこは過去か未来かも定かではない
南国の緩やかな時が過ぎるところ

冒頭から謎だらけの展開ですが
無邪気な島の少女とのやりとりで
スムーズに進みます

そして少しずつ感じる違和感

宇美が話す「やまとことば」
島の「ニホン語」
そして秘められた「女語(じょご)」
異なる3つの言語が
謎を深める

しだいに明かされる真相

現代と違う男女のパワーバランスや
価値観の相違が、物語の幅を広げて

「南海の異世界を思わせる、鮮やかな世界を作りあげています」

作品紹介(出版社より)

【第165回芥川賞受賞作】
その島では〈ニホン語〉と〈女語〉が話されていた
記憶を失くした少女が流れ着いたのは、ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だった――。不思議な世界、読む愉楽に満ちた中編小説。

作品データ

タイトル:『彼岸花が咲く島』
著者:李琴峰
出版社:文藝春秋
発売日:2021/6/25

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