『クレオパトラの夢』恩田陸 あらすじと感想|恋には、理性も理論もありません


【2026年106冊目】
今回ご紹介する一冊は、
恩田陸 著
『クレオパトラの夢]』です。
一癖ある魅力的な主人公が活躍するサスペンスが好きな人
あらすじと感想
双子の妹・和見(かずみ)を連れ戻すために、北海道H市を訪れた神原恵弥(かんばら めぐみ)だが彼はもう1つの目的を持っていたのだ・・
2003年発表の傑作ミステリーです
かつて毎日一緒に過ごし成長したのに、大人になると距離ができてしまう
知っているようで、知らない存在…それが兄妹じゃないでしょうか?
・・なんであんな男に惚れたのか?
妻子ある大学教授の若槻慧(わかつき さとし)と不倫関係になり、北海道H市に移り住んでしまった双子の妹・和見を連れ戻すため、神原恵弥は同市を訪れるが初日からトラブルに巻き込まれてしまう
なんと不倫相手の若槻が事故死していたのだ
・・若槻が持っていた秘密とは?
実は、神原恵弥は妹を連れ戻すほかに、もう1つ目的を持っていた
それが若槻が『クレオパトラ』と呼んでいたある物を見つけることでした
しかし彼は死に、さらに妹の和見も行方をくらませてしまうのだ
クレオパトラの謎と妹を探すためH市を駆け巡る恵弥は、首尾よく目的を達成することが出来るのでしょうか?
個性的なキャラクターがウリの本シリーズ
オネエ言葉でしゃべる美貌の男性麗人・神原恵弥をはじめ、主要人物はみな魅力的な男女ばかりで、一気にストーリーへ引き込まれます

めくるめくオトナの恋愛模様はドロドロのグチャグチャで、素敵♥
本作の特徴はオトナ過ぎる恋愛です
不倫関係の和見と若槻の愛憎がからまる様子に、若槻の妻、慶子(けいこ)も参戦してくる
一筋縄ではいかぬ男女の恋愛模様に、ゾクゾクしちゃいます!
異国情緒あふれる街、函館市
おそらく函館と思われるH市の風景が素敵です
戦火と大火事と疫病に苛まれた歴史があったんですね
それにもかかわらず五稜郭や箱館山の夜景など、美しい場所がいくつもあります
恵弥と一緒に函館観光をしているようでした
さて物語は進みクレオパトラの正体もやがて明かされますが、もうひとつ明らかになるのが不倫オトコこと、若槻慧を巡る恋愛関係の真実です
最初は自己チューで他人を利用することをためらわない、最低なオトコという印象でしたが、終盤でその印象がガラリと180度変わります
実は臆病で繊細、ネコちゃんにも優しい!複雑なところが魅力だった若槻教授
和見と慶子が彼のことを語り、回想するシーンは、複雑怪奇な男女の恋愛感情を描く名場面と言えます

子供の恋愛しかしたことない僕には、難しかったです~
異国情緒あふれる街を舞台にした謎と、複雑な男女の愛憎の感情を、余すところなく描く、オトナ過ぎる傑作恋愛小説でもありました

僕も函館に行ってみたいな!
あなたはオトナ過ぎる恋愛をしてみたいと思いますか?
作品紹介(出版社より)
シリーズ第一作『MAZE』で非凡な才能を見せた神原恵弥。その彼が北国のH市を訪れた。不倫相手を追いかけていった双子の妹の和見を連れ戻すためだが、もう一つ重大な目的があった。それはH市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の思惑や駆け引きが交錯するなか、恵弥は何を知ったのか。粉雪舞う寒空に広がる、恩田陸の無限のイマジネーション!
作品データ
タイトル:『クレオパトラの夢』
著者:恩田陸
出版社:双葉社
発売日:2003/10/1
まだ読んでいない方はこちらから↓
タイトル:『MAZE[メイズ]』
著者:恩田陸
出版社:双葉社
発売日:2001/2/1
作家紹介
恩田陸(おんだ・りく)
1964年宮城県出身。早稲田大学卒。
1992年日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。
2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞受賞。
2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞受賞。
2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞受賞。
2017年『蜜蜂と遠雷』で直木賞と2度目の本屋大賞をそれぞれ受賞。
ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している。
著書に、『三月は深き紅の淵を』『光の帝国常野物語』『ライオンハート』『私と踊って』『夜の底は柔らかな幻』『スキマワラシ』『灰の劇場』などがある。
恩田陸の作品紹介
『六番目の小夜子』(1998/8/1)
『球形の季節』(1994/4/1)
『不安な童話』(1994/11)
『三月は深き紅の淵を』(1997/10)
『象と耳鳴り』(1999/10/1)
『木曜組曲』(1999/11)
『月の裏側』(2000/3/1)
『ネバーランド』(2000/7/5)
『麦の海に沈む果実』(2000/7/25)
『上と外』(2000年8月)
『puzzle』(2000/10/1)
『ライオンハート』(2000/12/1)
『MAZE[メイズ』(2001/2/1)
『ドミノ』(2001/7/27)
『黒と茶の幻想』(2001/12)
『図書室の海』(2002/2/22)
『劫尽童女』(2002/4/1)
『ロミオとロミオは永遠に』(2002/10)
『ねじの回転』(2002/12)
『蛇行する川のほとり』(2002/12)
『まひるの月を追いかけて』(2003/9/11)
『クレオパトラの夢』(2003/10/1)
『黄昏の百合の骨』(2004/3/5)
『禁じられた楽園』(2004/4/21)
『Q&A』(2004/6)
『夜のピクニック』(2004/7/31)
『夏の名残りの薔薇』(2004/9/25)
『ユージニア』(2005/2/3)
『蒲公英草紙– 常野物語』(2005/6/3)
『ネクロポリス』(2005/10/13)
『エンド・ゲーム– 常野物語』(2006/1/5)
『チョコレートコスモス』(2006/3/15)
『中庭の出来事』(2006/11/29)
『朝日のようにさわやかに』(2007/3/1)
『木洩れ日に泳ぐ魚』(2007/7/1)
『いのちのパレード』(2007/12)
『不連続の世界』(2008/7/1)
『きのうの世界』(2008/9)
『ブラザー・サンシスター・ムーン』(2009/1/23)
『訪問者』(2009/5/14)
『六月の夜と昼のあわいに』(2009/6)
『私の家では何も起こらない』(2010/1/6)
『夢違』(2011/11/12)
『私と踊って』(2012/12/1)
『夜の底は柔らかな幻』(2013/1)
『雪月花黙示録』(2013/12/25)
『かがみのなか(2014/7/21)
『EPITAPH東京』(2015/3/6)
『ブラック・ベルベット』(2015/5)
『消滅 – VANISHINGPOINT』(2015/9)
『タマゴマジック』(2016/3/1)
『蜜蜂と遠雷』(2016/9/23)
『七月に流れる花』(2016/12/20)
『八月は冷たい城』(2016/12/20)
『終りなき夜に生れつく』(2017/2/20)
『失われた地図』(2017/2/10)
『錆びた太陽』(2017/3/21)
『おともだちできた?』(2017/6/30)
『祝祭と予感』(2019/10/4)
『歩道橋シネマ』(2019/11/20)
『ドミノin上海』(2020/2/4)
『スキマワラシ』(2020/8/5)
『灰の劇場』(2021/2/16)
『薔薇のなかの蛇』(2021/5/26)
『愚かな薔薇』(2021/12/23)
『なんとかしなくちゃ。青雲編』(2022/11/7)
『鈍色幻視行』( 2023/05/26)
『夜果つるところ』( 2023/06/26)
『夜明けの花園』(2024/1/31)
『spring』2024/3/22
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