『MAZE[メイズ]』恩田陸 あらすじと感想|神秘の怪異と、人為の陰謀は、どちらが怖い?
![恩田陸『MAZE[メイズ]』](https://keibooks.com/wp-content/uploads/2026/10/2026-105-1-1080x1080.jpg)

【2026年105冊目】
今回ご紹介する一冊は、
恩田陸 著
『MAZE[メイズ]』です。
幻想的で不穏な「シチュエーション」にゾクゾクしたい人
あらすじと感想
中東アジアの片隅に人が消える遺跡がある・・
迷路のようなその場所の秘密を解き明かす
幻想と現実の境があやふやな
2001年発売の傑作ミステリーです
主人公の満(みつる)さんは神原恵弥の高校時代の同級生です
・・え!シリーズ名の神原恵弥が主人公じゃないの?
そうなんです、恵弥は狂言回しのような存在で謎を解くのは、小太りな熊さんのような満の役目なのです
なんで俺がここに呼ばれたのか?by満
そこは山々に囲まれた盆地のようなところ
小高い中央に立つ白い建物は人が造ったものか自然の造形物か定かではない
中は迷路のような壁に隔てられており、昔から人が消える場所と恐れられる
現地の人から『存在しない場所』あるいは『有り得ぬ場所』と呼ばれている
この謎に挑むのは4人の男たち、神原恵弥と満
そして屈強な軍人のスコットと知的な印象の現地人のセリムです
資料を読んだ満は人間消失のルールに気が付く・・あとは実証だけ
しかしその晩、嵐が訪れ、怪異が起き、1人、人が消える・・
そして満はこの謎の真実に、気が付くのだ
濃い、濃すぎるんだ・・神原恵弥のキャラクターが、です
美貌の男性ですが『オネエ言葉』で喋るのだ
男と女の境界がつかめず、脳がバグりそうです
恵弥の存在感が、エグイw
エグイ存在感をもつ、もう1つの主役が、その色と形から『豆腐』と呼ばれる、この場所です
人を消す存在か?人を喰っているのか?
神秘と怪異を併せ持つ、異様な存在感があります
さていったんはこの場所の謎を解いたと思われた、満ですが、終盤で一転、ことの真相に気が付きます
その真実とは・・
注意!)以下、物語のネタバレとなります
この場所はアメリカが密かに建設したイラクを監視する秘密基地であった
『人が消える』という噂は現地民を近づけないためのもの
満が連れて来られたのは謎を解くためではなく、現地の有力者セリムを欺くためであったのだ

え!そーなの?神秘とか怪異とかじゃ、なかったんだ!
いや~、びっくりしました
真実が人間の陰謀であったとは・・まったく気が付きませんでした
しかしここで終わらないのが傑作と呼ばれるゆえんです
神秘とか怪異でなかったのか・・と、安心して『豆腐』の中に入った満と恵弥は、この中で過去に消えた人々の姿を幻視するのだ

やっぱり神秘だったの??
真相が1転し、さらに2転する、衝撃がエグイ!
現実と幻想の境があやふやな、まさしく傑作ミステリーでした

あなたは神秘的な経験をしたことがありますか?
作品紹介(出版社より)
アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。その「人間消失のルール」を解明すべくやってきた男たちは、何を知り得たのか?めくるめく幻想と恐怖に包まれる長編ミステリー。人間離れした記憶力を持ち、精悍な面差しで女言葉を繰り出す、魅惑のウイルスハンター・神原恵弥を生み出した、シリーズ第一作!
作品データ
タイトル:『MAZE[メイズ]』
著者:恩田陸
出版社:双葉社
発売日:2001/2/1
作家紹介
恩田陸(おんだ・りく)
1964年宮城県出身。早稲田大学卒。
1992年日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。
2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞受賞。
2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞受賞。
2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞受賞。
2017年『蜜蜂と遠雷』で直木賞と2度目の本屋大賞をそれぞれ受賞。
ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している。
著書に、『三月は深き紅の淵を』『光の帝国常野物語』『ライオンハート』『私と踊って』『夜の底は柔らかな幻』『スキマワラシ』『灰の劇場』などがある。
恩田陸の作品紹介
『六番目の小夜子』(1998/8/1)
『球形の季節』(1994/4/1)
『不安な童話』(1994/11)
『三月は深き紅の淵を』(1997/10)
『象と耳鳴り』(1999/10/1)
『木曜組曲』(1999/11)
『月の裏側』(2000/3/1)
『ネバーランド』(2000/7/5)
『麦の海に沈む果実』(2000/7/25)
『上と外』(2000年8月)
『puzzle』(2000/10/1)
『ライオンハート』(2000/12/1)
『MAZE』(2001/2/1)
『ドミノ』(2001/7/27)
『黒と茶の幻想』(2001/12)
『図書室の海』(2002/2/22)
『劫尽童女』(2002/4/1)
『ロミオとロミオは永遠に』(2002/10)
『ねじの回転』(2002/12)
『蛇行する川のほとり』(2002/12)
『まひるの月を追いかけて』(2003/9/11)
『クレオパトラの夢』(2003/10/1)
『黄昏の百合の骨』(2004/3/5)
『禁じられた楽園』(2004/4/21)
『Q&A』(2004/6)
『夜のピクニック』(2004/7/31)
『夏の名残りの薔薇』(2004/9/25)
『ユージニア』(2005/2/3)
『蒲公英草紙– 常野物語』(2005/6/3)
『ネクロポリス』(2005/10/13)
『エンド・ゲーム– 常野物語』(2006/1/5)
『チョコレートコスモス』(2006/3/15)
『中庭の出来事』(2006/11/29)
『朝日のようにさわやかに』(2007/3/1)
『木洩れ日に泳ぐ魚』(2007/7/1)
『いのちのパレード』(2007/12)
『不連続の世界』(2008/7/1)
『きのうの世界』(2008/9)
『ブラザー・サンシスター・ムーン』(2009/1/23)
『訪問者』(2009/5/14)
『六月の夜と昼のあわいに』(2009/6)
『私の家では何も起こらない』(2010/1/6)
『夢違』(2011/11/12)
『私と踊って』(2012/12/1)
『夜の底は柔らかな幻』(2013/1)
『雪月花黙示録』(2013/12/25)
『かがみのなか(2014/7/21)
『EPITAPH東京』(2015/3/6)
『ブラック・ベルベット』(2015/5)
『消滅 – VANISHINGPOINT』(2015/9)
『タマゴマジック』(2016/3/1)
『蜜蜂と遠雷』(2016/9/23)
『七月に流れる花』(2016/12/20)
『八月は冷たい城』(2016/12/20)
『終りなき夜に生れつく』(2017/2/20)
『失われた地図』(2017/2/10)
『錆びた太陽』(2017/3/21)
『おともだちできた?』(2017/6/30)
『祝祭と予感』(2019/10/4)
『歩道橋シネマ』(2019/11/20)
『ドミノin上海』(2020/2/4)
『スキマワラシ』(2020/8/5)
『灰の劇場』(2021/2/16)
『薔薇のなかの蛇』(2021/5/26)
『愚かな薔薇』(2021/12/23)
『なんとかしなくちゃ。青雲編』(2022/11/7)
『鈍色幻視行』( 2023/05/26)
『夜果つるところ』( 2023/06/26)
『夜明けの花園』(2024/1/31)
『spring』2024/3/22
『珈琲怪談』2025/4/16
『MAZE[メイズ]』2001/2/1


