【本の感想】『ありか』瀬尾まいこ|愛することができる、喜び

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瀬尾まいこ『ありか』とタカミメロン

ケイチャン

ケイチャン

【2025年69冊目】

今回ご紹介する一冊は、

瀬尾まいこ著

『ありか』です。

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【感想】「愛することができる、喜び」

家族小説

ここに幸せがある
動いて話してわがままいう
幸せのかたまりがww
母娘のありかたを描く物語です

自分の子が、めちゃめちゃ可愛いんです

いろいろあってシングルマザーを
している26歳の美空(みそら)さん
けれど彼女は知っている
自分が幸せの最中にあることを
・・私には、ひかりがいる

ひとり娘の、ひかりちゃん
元気に保育園に通う、6歳児だが
もうやることなすこと
めちゃめちゃに可愛いんです
・・私は、娘を愛している

しかし美空は娘を育てる過程で
気が付いてしまうんだ
自分と母親との関係は
こんな幸せな形ではなかったと
・・母は私を、愛していなかった

娘を育てながら
自分も成長してゆく
そんな母娘の一年が
描かれてゆくんだ

「愛することができる、喜び」

ケイチャン

ケイチャン

やることなすことが全て
かわいいww
そんな母娘の生活に
ニッコリしちゃいます

さらに楽しくなるのが、義弟の
颯斗(はやと)くんの存在です
明るくコミカルで楽しい彼が
週一でやってくるのだ

本作のトリックスター登場です

いつもニコニコしている颯斗くん
けれど彼には悩みがあり壁がある
その壁を意識しながらも
一歩を踏み出せない美空さん
・・だって家族じゃないし

微妙な関係が緊張感をもたらす

さらに大きな緊張感をもたらすのが
美空の母親です
あなたを育てるのは大変だった!
子供を育てると親の恩がわかるでしょ?
と、圧が強いんだ

いいえ、わかりません

ケイチャン

ケイチャン

私はそう思いません

だって無尽蔵に溢れ出る
愛で
ひかりを育てているのだから

最後に母親と対決する
美空の姿がたくましい
子を育て、自分も育つ
成長の物語でした

ケイチャン

ケイチャン

僕の息子たちは大きくなり
妻との子育てもあと少しです
大変でしたが、それに倍する
喜びがありました

ケイチャン

ケイチャン

愛することが出来るのは
素晴らしいことですね

作品紹介(出版社より)

愛はここにある。
幸せはここにいる。

「これまでの私の人生を全部込めたと言い切れる作品を描きました」
――瀬尾まいこ

母親との関係に悩みながらも、一人娘のひかりを慈しみ育てる、シングルマザーの美空。
義弟で同性のことが好きな颯斗は、兄と美空が離婚した後も、何かと二人の世話を焼こうとするがーー。

「子育てをしながら自分が受けた恩を思い知って、親に感謝していくのだと思っていた。それが親になった途端、さっぱりわからなくなった。この日々のどこに恩を感じさせるべきところがあるのだろう」
(本文より)

本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』、ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式招待&日本アカデミー賞優秀作品賞原作『夜明けのすべて』など、人々のかけがえのない関係性を紡ぎ続けた瀬尾まいこが描く、あなたの小さな、でも確かな支えとなる感動の物語!

作品データ

タイトル:『ありか』
著者:瀬尾まいこ
出版社:水鈴社
発売日:2025/4/18

作家紹介

瀬尾まいこ(せお・まいこ)

1974年大阪府生れ。大谷女子大学国文科卒。
2001年「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年、単行本『卵の緒』で作家デビュー。2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞受賞。
2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞受賞。
2019年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞。
他の作品に『天国はまだ遠く』『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』など著書多数。
唯一無二の、爽やかで感動的な作風が愛されている。

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瀬尾まいこの作品

『卵の緒』(2002年11月)
『図書館の神様』(2003年12月)
『天国はまだ遠く』(2004年6月)
『幸福な食卓』(2004年11月)
『優しい音楽』(2005年4月)
『強運の持ち主』(2006年5月)
『見えない誰かと』(2006年12月)
『温室デイズ』(2006年7月)
『ありがとう、さようなら』(2007年7月)
『戸村飯店青春100連発』(2008年3月)
『僕の明日を照らして』(2010年2月)
『狐フェスティバル– 集団読書テキスト』(2010年5月)
『おしまいのデート』(2011年1月)
『僕らのごはんは明日で待ってる』(2012年4月)
『あと少し、もう少し』(2012年10月)
『春、戻る』(2014年2月)
『君が夏を走らせる』(2017年7月)
『ファミリーデイズ』(2017年11月)
『そして、バトンは渡された』(2018年2月)
『傑作はまだ』(2019年3月)
『夜明けのすべて』(2020年10月)
『その扉をたたく音』(2021年2月)
夏の体温』(2022年3月)
掬えば手には』(2022年7月)
私たちの世代は』( 2023/07/24)
ありか』2025/4/18

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