『ルカとチカ』長野まゆみ あらすじと感想|急がなくても、いいんだよ

【2026年36冊目】
今回ご紹介する一冊は、
長野まゆみ 著
『ルカとチカ』です。
あらすじと感想
クラフト系作家ユニットとして活動する
『ルカチカ姉妹』には謎がある
隠されたチカの出生の秘密を軸に語られる
一風変わった家族のカタチの物語です
血よりも強い、思いの絆がある
仲良い姉妹のルカとチカ
けどすぐに実は2人が
兄弟であると判明します
・・ん?どうなってんの??
『擬態』と称して女装する2人
けれど一見女性としか見えない
彼らを見破る者が現れます
秘密が語られる時が来た
複雑な家庭環境と
隠された出生の秘密にも関わらず
互いを思い合う2人の兄弟
けど真実を知っても
変わらずにいられるだろうか?
中性的な人物が多く登場する
長野まゆみ作品ですが
本作はもう誰が男で女なのか
もう混乱するほどです
頼りがいある保護者のルカと
庇護欲をそそるチカとの
関係性と距離が絶妙です
でもその愛が、家族のものか
それとも恋人のものなのかと
想像をたくましくしてしまう
美しいモチーフが作品を彩る
蝶、工芸、お花、飲食
興味をそそるモチーフが
本作に彩りを与え
独特の世界観を作っています
特に蝶は変態・擬態・羽化など
ルカとチカの姿とシンクロしており
物語の世界観を深めています
さて物語が進むにつれて
明らかとなってゆく
チカの出生の秘密ですが
それは彼のことを思ってのこと
見守るという、愛
真実を知ってよい日まで
蝶が羽化して飛ぶ時のように
成長を待っていたのです
様々な種類の蝶がいるように
いろんなカタチの愛がある

中性的な登場人物たちの虜になるようなお話でした

あなたは何種類の蝶を知っていますか?
作品紹介(出版社より)
「もし無意識にながれる涙がそのせいだとしたら、ぼくはその場所へ行ってみたい気もする」〈ルカチカ姉妹〉のユニット名でクラフト作家として活動する明日と千日。幼いころに母を亡くすも、風変りな大人たちに囲まれて暮らす賑やかな日々。複雑なファミリーツリーも、不完全な世界でぼくたちが大人になるまでを見守ってくれるやさしい森だった。ある日、二人が参加したクラフトイベントで「偶然」出会った、一人の女性。彼女が空白だった記憶の断片をつなぎ、運命を動かしていく。
作品データ
タイトル:『ルカとチカ』
著者:長野まゆみ
出版社:講談社
発売日:2026/2/19
作家紹介
長野まゆみ(ながの・まゆみ)
東京都生まれ。1988年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。
2015年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。
『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。
長野まゆみの作品紹介
『新世界』シリーズ
「左近の桜」シリーズ
『少年アリス』(1989/01/01)
『野ばら』(1989/7/1)
『天体議会』(1991/4/1)
『野川』(2010/7/14)
『超少年』(2010/8/3)
『デカルコマニア』(2011/5/30)
『兄と弟、あるいは書物と燃える石』(2015/6/20)
『冥途あり』(2015/7/9)
『フランダースの帽子』(2016/2/19)
『テレヴィジョン・シティ』(2016/4/6)
『チマチマ記』(2017/3/15)
『銀河の通信所』(2017/8/1)
『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』(2018/12/14)
『45°ここだけの話』(2019/8/9)
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『ゴッホの犬と耳とひまわり』(2022/11/24)
『ルカとチカ』2026/2/19
・・・など多数


