【感想】『ミドルノート』朝比奈あすか|女性というジレンマ

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ミドルノート|朝比奈あすか

ケイチャン

ケイチャン

【2023年153冊目】

今回ご紹介する一冊は、

朝比奈あすか 著
『ミドルノート』 です。

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【感想】「女性というジレンマ」

ジェンダー小説

女性であるということは
不利で弱い立場なのだろうか?
移り変わりゆく現代で
自分を見つめ探す女性達の群像劇です

明日がどうなるかなんて、誰にもわからない・・

同期入社の男女がホームパーティーに
集まるところから物語はスタートします
楽しく盛り上がるパーティーですが
散会したところで4人の女性の
内心が語られます

それぞれ立場の違う4人
よって思いもそれぞれです

妊婦の奈々は夫の態度が気になります
優しいのだが神経質で怒りの沸点が低い夫は
度々彼女を傷つけます
・・私はモラハラを受けているの?

退職した奈々は思うように自分の
仕事が見つからない
アロマデザイナーやライターをするも
・・なかなかうまくいかないんだ

課長に昇進した愛美ですが
思うように仕事をさせてもらえない
接待やゴルフなどが忙しくなるばかりで
・・私はお飾りの課長なの?

派遣社員の彩子はひとり身分の違う
自分を卑下してしまいます
どこの職場でもセクハラを受けてしまう
・・私になにか悪いところがあるんだろうか?

それぞれ幸不幸のある4人
自分とみんなを比べて
みんな自分の不運なところを
嘆くんだ

そして時は流れて
コロナ禍が起こり、去った今
時代は変わって
4人はどうなったのか?

「女性というジレンマ」

女という存在は
変化せざるを得ない
結婚、出産、子育て
結婚しなくとも
若さを失うことで
変わらざるを得ないでしょう

アラフォー世代となった
4人は再び集う機会を得て
みんなを、そして自分を
見つめ直します

私はこのままで、いいのだろうか?

無論、答えなどありません
しかしひと時、女性同士の絆を結んで
ほっと一息ついた4人はまた少し
生きる活力を取り戻したようでした

まだまだ男性優位の社会で
男と同じように働きながら
家事・育児はやってよね
ついでに会社の雑用も
やってちょうだいね
なんて理不尽、まかり通ってはいませんか?

無神経な男の描写が
僕には耳が痛かったです
・・女性のみなさん、すいません

目まぐるしく変化する
世の中ですが
その中でも余白というか
余裕が真っ先に失われていくようです

その分、女性に負担が増えているように
思うのは僕だけでしょうか?
もう少しぼお~とする時間がとれるといいのにね

この細やかな願いが叶う社会は
いつ来るんでしょうか?

作品紹介(出版社より)

ひと振りの香水で 明日のわたし、もっと輝く! ベストセラー『翼の翼』『君たちは今が世界』で大躍進の著者がすべての女性に贈るエール。 食品会社同期でワーキングマザーの菜々と愛美。アロマデザイナーに転身した元同期の麻衣。菜々たちと同い歳の派遣社員・彩子。働くスタイルや活躍の場が異なる四人のアラサー女性は、新型肺炎が蔓延し、混沌とした時代の波に揉まれ、変化を余儀なくされる。焦りや不安、重圧のなかで、彼女たちが拠りどころにしたものとは!? 「香水は、使われている成分の揮発性に細かい差があり、時間とともに香り方が変化してゆく。肌につけた時、最初の数分の香りをトップノートというそうで、次にくるのがミドルノート、その先にラストノートと呼ばれる香りがあって、最後の香りがずっと続く(中略)とはいえ、ミドルノートも、ラストノートの手前の大事な香りです。強く香ることも多いので、やっぱりミドルノートがその香水の中心っていうか、わたしはミドルノートを基準に香水を選ぶことが多いかなって感じがします。」(本文より)社会人同期として、同じスタート地点(トップノート)から歩み始めたのに、結婚、出産、昇進、転職など、それぞれが別々の道を進んでいる――人生の「ミドルノート」で試行錯誤する女性たちは、この先どこへ向かうのか。

作品データ

タイトル:『ミドルノート』
著:朝比奈あすか
出版社:実業之日本社
発売日:2023/9/29

作家紹介

朝比奈あすか(あさひな・あすか)

1976年東京都生まれ。
2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。
2006年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。
その他の著書に『憧れの女の子』『自画像』『人生のピース』『さよなら獣』『人間タワー』『君たちは今が世界』『翼の翼』など多数。作品は中高受験問題に多く採用されている。

朝比奈あすかの作品紹介

『光さす故郷へ』2000/07/01
『憂鬱なハスビーン』2006/09/01
『声を聴かせて』2008/08/21
『彼女のしあわせ』2010/05/20
『やわらかな棘』 2010/07/01
『月曜日の朝へ』 2010/10/27
『不自由な絆』2014/09/18
『あの子が欲しい』2015/01/15
『天使はここに』2015/04/07
『自画像』  2015/10/21
『人間タワー』 2017/10/24
『みなさんの爆弾』2018/04/18
『君たちは今が世界』2019/06/28
『さよなら獣』 2019/12/19
『人生のピース』 2021/5/13
『翼の翼』2021/9/22
『ななみの海』 2022/2/17
ミドルノート』 2023/9/29

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