
ケイチャン
【2025年54冊目】
今回ご紹介する一冊は、
中山七里著
『ヒポクラテスの困惑』です。
もくじ
【感想】「ウイルスより危険な人の欲望」
コロナ禍の真っ只中で富豪やセレブが
金に糸目を付けず求めるものは・・
自分だけの安全!
パンデミックに乗じる闇を描くミステリーです
唯我独尊の解剖学者、光崎教授とその弟子
キャッシーと真琴(まこと)さんが
死体から真実を聞く『ヒポクラテスシリーズ』
6作目となります
時はまだコロナワクチンが開発途中のころ
大金を積んで未承認のワクチンを手に入れた
大手イ―コマース会社社長が死亡したところ
から物語はスタートします
あなたは特別だから・・
1本、1千万円でワクチンを売ります
・・え?そんなの僕の命と比べれば
安いもんでしょ!と即購入

ケイチャン
でも未承認って、危なくないの?
不安的中で死んでしまう社長さん
そのあとも続くセレブたちの死
でもこれって
裏の事情がありそうなんだ
さて物語は殺人ワクチンを追う
小手川刑事ら警察の捜査の行方と
コロナ禍のパンデミックで理性を失い
暴走する人々の愚かな様子が描かれます
不安感に煽られて陰謀論を信じるもの
自分だけ助かろうと未承認ワクチンで
死んでしまったセレブたちを叩くもの
まるで現代の魔女狩りなんだ

ケイチャン
またこの不安感を無責任に煽る
マスメディアの姿が醜く描かれており
あ~こんな酷い記事読んだことあるな
と、当時の様子を思い出しました
さていっぽう殺人ワクチンの捜査は
地道な捜査が実を結んでゆく過程が
テンポよく進んでいきます
さあ、犯人は誰だ?
『真犯人は最初から出ている』という
ミステリーのお約束に忠実な中山作品

ケイチャン
本作もちゃんと踏襲していますので
犯人捜し好きな読者に満足な
エンディングとなっています

ケイチャン
科学的なエビデンスから
正しく危機に対処するって
難しいですね
あなたはコロナ禍で不安感に
負けちゃいませんでしたか?
作品紹介(出版社より)
パンデミックに付け込む悪意がセレブを喰い殺す。
2020年4月、コロナに感染したある富豪が急逝。
だが男は“未承認ワクチン”を接種していたという――。
光崎教授が暴く、男を死に至らしめた“悪”の正体とは!?真実は死体に刻まれる――傑作法医学ミステリー第6弾!
■あらすじ
2020年4月。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、一人の女性が埼玉県警の古手川を訪ねる。彼女は、オンライン通販会社の創業者で現代の富豪、そして前日にコロナ感染症で急逝した萱場啓一郎の姪だという。大金を払って秘密裡に未承認ワクチンを接種していた啓一郎がコロナで死ぬはずはない、本当の死因を調べてほしいと頼まれた古手川は、浦和医大法医学教室に解剖を依頼。光崎教授が見出したのは、偽ワクチンによる毒殺の可能性だった――。
作品データ
タイトル:『ヒポクラテスの困惑』
著者:中山七里
出版社:祥伝社
発売日:2025/1/10
作家紹介
中山 七里 (なかやま・しちり)
1961年、岐阜県生れ。
『さよならドビュッシー』で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2010年にデビュー。
音楽を題材とした「岬洋介」シリーズほか、「御子柴礼司」シリーズ、「刑事犬養隼人」シリーズなど、著書多数。
中山七里の作品紹介
『さよならドビュッシー』(2010年1月)
『おやすみラフマニノフ』(2010年10月)
『連続殺人鬼カエル男』(2011年2月)
『魔女は甦る』(2011年5月)
『さよならドビュッシー前奏曲– 要介護探偵の事件簿』(2011年10月)
『贖罪の奏鳴曲– 御子柴礼司』(2011年12月)
『静おばあちゃんにおまかせ』(2012年7月)
『ヒートアップ』(2012年9月)
『スタート!』(2012年11月)
『いつまでもショパン』(2013年1月)
『切り裂きジャックの告白– 刑事犬養隼人』(2013年4月)
『七色の毒– 刑事犬養隼人』(2013年7月)
『追憶の夜想曲– 御子柴礼司』(2013年11月)
『アポロンの嘲笑』(2014年9月)
『テミスの剣』(2014年10月)
『月光のスティグマ』(2014年12月)
『嗤う淑女』(2015年2月)
『ヒポクラテスの誓い』(2015年5月)
『総理にされた男』(2015年8月)
『闘う君の唄を』(2015年10月)
『ハーメルンの誘拐魔– 刑事犬養隼人』(2016年1月)
『恩讐の鎮魂曲– 御子柴礼司』(2016年3月)
『どこかでベートーヴェン』(2016年5月)
『作家刑事毒島』(2016年8月)
『ヒポクラテスの憂鬱』(2016年9月)
『セイレーンの懺悔』(2016年11月)
『翼がなくても』(2017年1月)
『秋山善吉工務店』(2017年3月)
『ドクター・デスの遺産– 刑事犬養隼人』(2017年5月)
『ネメシスの使者』(2017年7月)
『ワルツを踊ろう』(2017年9月)
『逃亡刑事』(2017年12月)
『護られなかった者たちへ– 宮城県警シリーズ』(2018年1月)
『悪徳の輪舞曲– 御子柴礼司』(2018年3月)
『連続殺人鬼カエル男ふたたび』(2018年5月)
『能面検事』(2018年7月)
『TAS特別師弟捜査員』(2018年9月)
『静おばあちゃんと要介護探偵』(2018年11月)
『ふたたび嗤う淑女』(2019年1月)
『もういちどベートーヴェン』(2019年3月)
『笑え、シャイロック』(2019年5月)
『死にゆく者の祈り』(2019年9月)
『人面瘡探偵』(2019年11月)
『騒がしい楽園』(2020年1月)
『帝都地下迷宮』(2020年2月)
『夜がどれほど暗くても』(2020年3月)
『合唱 岬洋介の帰還』(2020年4月)
『カインの傲慢– 刑事犬養隼人』(2020年5月)
『ヒポクラテスの試練』(2020年6月)
『毒島刑事最後の事件』(2020年7月)
『テロリストの家』(2020年8月)
『隣はシリアルキラー』(2020年9月)
『銀齢探偵社静おばあちゃんと要介護探偵2』(2020年10月)
『復讐の協奏曲– 御子柴礼司』(2020年11月)
『境界線– 宮城県警シリーズ』(2020年12月)
『ラスプーチンの庭』(2021年1月)
『ヒポクラテスの悔恨』(2021年5月)
『能面検事の奮迅』(2021年7月)
『嗤う淑女 二人』(2021年9月)
『おわかれはモーツァルト』(2021年12月)
『鑑定人 氏家京太郎』(2022年1月)
『人面島』(2022年3月)
『作家刑事 毒島の嘲笑』(2022年7月)
『越境刑事』(2022年9月)
『特殊清掃人』( 2022年11月)
『祝祭のハングマン』(2023年1月)
『殺戮の狂詩曲』 (2023年3月)
『能面検事の死闘』(2023年5月)
『いまこそガーシュウィン』(2023年9月)
『こちら空港警察』(2023年11月)
『絡新婦の糸 警視庁サイバー犯罪対策課』(2023年11月)
『彷徨う者たち– 宮城県警シリーズ』(2024年1月)
『有罪、とAIは告げた』(2024年2月)
『ヒポクラテスの悲嘆』(2024年3月)
『鬼の哭く里』(2024年5月)
『ドクター・デスの再臨』(2024年5月)
『ヒポクラテスの悲嘆』2024/3/6
『鬼の哭く里』2024/5/15
『ドクターデスの再臨』2024/5/31
『連続殺人鬼カエル男 完結編』2024/11/8
『ヒポクラテスの困惑』2025/1/10