【感想】『無人島ロワイヤル』秋吉理香子|殺していいと言われたら、喜びしかない!

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無人島ロワイヤル|秋吉理香子

ケイチャン

ケイチャン

【2023年158冊目】

今回ご紹介する一冊は、

秋吉理香子

『無人島ロワイヤル』です。

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【感想】「殺していいと言われたら、喜びしかない!」

殺人バトルロワイアル!

無人島に3つ持っていくとしたら
何にする?
青い海、白い砂浜、夢のバカンスが
惨劇の舞台となる・・
イヤミスの女王が描くバトルロイヤルです

3つのもの?
銃とナイフと狂気に決まってるよねww

たわいない会話の定番
無人島に持っていく3つのもので
盛り上がる地下のバーだが
常連客たちがマスターのひと言で
大騒ぎとなる
・・俺、無人島持っているよ

現実となった夢のバカンスに
早速、有給休暇取ったり
3つのモノ用意したりと
大はしゃぎ
・・けど誰にも言ってはいけないよ

そうして
バーのマスターのクルーザーで
たどり着いた無人島は
想像以上の楽園でした

めでたしめでたし
とは当然終わりません

次の日、常連客8人が目を覚ますと
マスターとクルザーの姿はなく
殺し合ってね、賞金は10億円
との伝言が・・

・・殺し合うわけないよね!
だって僕らは仲のいい常連客だもん

「殺していいと言われたら、喜びしかない!」

公務員、医師、ユーチューバー、
大学生、塾講師、サラリーマン、
お嬢様、お嬢様の婚約者と
一見、サバイバルや殺人とは
無縁のような常連客でしたが

いたのです・・
人知れず殺人欲求を沸々とたぎらせて
この機会を
人を殺せる機会を
今か今かと待っていた
怪物が

さあ、美しい無人島で
今、殺戮の狂宴が
始まるのだ!

いやあ!面白かったです
勢いのあるストーリー展開で
半日で読了です
やはりバトルロワイアル物は
熱くなって読めますね

使い古された感のある
狭所でのバトルロワイアルですが
そこは手を変え品を変え
クセの強いキャラクターを使い
群像劇のようにそれぞれの視点から
戦場の臨場感を味合わせてくれます

そしてイヤミスで培った
秋吉理香子のダークなコミカルさで
凄惨なはずのバトルロワイアルが
楽しく読めちゃうエンタメ作品へと
見事に昇華されていました

美しい無人島と
凄惨な殺し合いの
コントラストが鮮やかな本作

さて、あなたは
無人島に3つ持っていくとしたら
何を選びますか?

作品紹介(出版社より)

「無人島に3つ持っていくとしたら?」初夏の夜、この定番の他愛ない話題で盛り上がっていたバーの常連たちは、マスターの告げた一言でさらに沸く。「俺、無人島持ってるよ」。かくして、彼らは3つのアイテムのみを手に無人島を目指すことに。だが、一夜明けると、マスターとヨットは消え、代わりにビデオメッセージが残っていた。「これからバトルロワイヤルをやってもらいます」。初めは絶望にかられながらも協力し合っていた常連たちだが、「10億円の賞金」をめぐって互いに疑心暗鬼となり、ついに最初の脱落者がでる――。

作品データ

タイトル:『無人島ロワイヤル』
著者:秋吉理香子
出版社:双葉社
発売日:2023/10/18

作家紹介

秋吉理香子(あきよし・りかこ)

兵庫県育ち、大阪在住。早稲田大学第一文学部卒業。
カリフォルニア州ロヨラ・メリーマウント大学大学院にて、映画・TV番組制作修士号取得。
2008年、短篇「雪の花」でYahoo!JAPAN文学賞を受賞。
2009年に『雪の花』でデビュー。
他の著書に『暗黒女子』『婚活中毒』『ジゼル』『サイレンス』などがある。

秋吉理香子の作品紹介

『暗黒女子』 2013/06/19
『放課後に死者は戻る』 2014/11/19
『聖母』 2015/09/16
『自殺予定日』 2016/04/28
『絶対正義』 2016/11/10
『サイレンス 2017/01/26
『機長、事件です! 空飛ぶ探偵の謎解きフライト』 2017/03/25
『ジゼル』 2017/09/26
『婚活中毒』 2017/12/08
『鏡じかけの夢』 2018/05/22
『ガラスの殺意』 2018/08/21
『灼熱』 2019/07/25
『眠れる美女』 2020/10/15
『終活中毒』 2022/07/28
月夜行路』 2023/08/09
無人島ロワイヤル』2023/10/18

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