【感想】『祝祭のハングマン』中山七里|法が届かぬ悪に、私刑の制裁を!

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祝祭のハングマン |中山七里

ケイチャン

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【2023年51冊目】

今回ご紹介する一冊は、

中山七里

祝祭のハングマンです。

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【感想】「法が届かぬ悪に、私刑の制裁を!」

ノアール小説

警察官の私がまさか
人殺しに加担するなんて!
ダークヒーローズの誕生を描く
現代版、必殺仕事人の物語です

警視庁捜査一課で働く
春原瑠衣(すのはら るい)
中堅ゼネコン会社で監督を務める
父と2人暮らしだが
忙しい毎日ですれ違いの日々です

そんなとき父の会社の同僚が
ひとり、またひとりと死亡する
いったい何が起こっているのか?
父と話し合うべきなのに
忙しさにかまけて機会を失う、瑠衣

そして父も死んでしまった

あの時なぜ父と腹を割って
話さなかったのだろう?
激しく後悔する瑠衣でしたが
もう遅い
父は永遠に失われてしまった

「法が届かぬ悪に、私刑の制裁を!」

捜査は進まず
父の死は事故として処理される
関係者が3人も死んだのに
偶然なんてあるはずもない

直情型の瑠衣は
上司に直談判し
結果、捜査から外されてしまう
このままでは、真相に届かない!

そんな時、瑠衣の前に現れるのが

痩身に、鋭く暗い双眸を持つ
もと刑事の私立探偵
鳥海(とかい)でした
彼は言う、俺は真相を知っている、と

法律で縛られた捜査に限界を感じ
自らの正義のために
刑事を辞めた、鳥海
境界線のあちら側へ
行ってしまった人間です

瑠衣ちゃんは悩みます

このままでは父を殺した相手に届かない
鳥海と協力する他はないのだが
私は刑事・・
刑事が私刑を是としていいはずないだろう!

物語の後半は
法と情の間で
悩み悶える瑠衣の心が
綴られます

そして決意する瑠衣
殺そう・・法の届かない悪人を
奴らをのさばらせていいはずない!

かくして瑠衣は鳥海ら
私刑執行人とともに
狂騒の渋谷のハロウィンのなか
悪を追い詰めるのだ

闇に潜む悪人どもをやっつける
勧善懲悪のエンタメ作品

刑事の瑠衣が、吹っ切れたあと
奴らをどう殺そうか・・と
舌なめずりするように
計画するところが
逆転のカタルシスがあって
面白かったですねww

あなたは
法と情の
板ばさみになったら
どちらを選びますか?

作品紹介(出版社より)

司法を超えた復讐を行う彼らの名は〈私刑執行人(ハングマン)〉

法律が裁けないのなら、他の誰かが始末する。
司法を超えた復讐の代行者――それが〈私刑執行人(ハングマン)〉
現代版〝必殺〟ここに誕生!

警視庁捜査一課の瑠衣は、中堅ゼネコン課長の父と暮らす。ある日、父の同僚が交通事故で死亡するが、事故ではなく殺人と思われた。さらに別の課長が駅構内で転落死、そして父も工事現場で亡くなる。追い打ちをかけるように瑠衣の許へやってきた地検特捜部は、死亡した3人に裏金作りの嫌疑がかかっているという。父は会社に利用された挙げ句、殺されたのではないか。だが証拠はない……。疑心に駆られる瑠衣の前に、私立探偵の鳥海(とかい)が現れる。彼の話を聞いた瑠衣の全身に、震えが走った――。

作品データ

タイトル:『祝祭のハングマン』
著者:中山七里
出版社:文藝春秋
発売日:2023/1/10

作家紹介

中山 七里 (なかやま・しちり)

1961年、岐阜県生れ。
『さよならドビュッシー』で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2010年にデビュー。
音楽を題材とした「岬洋介」シリーズほか、「御子柴礼司」シリーズ、「刑事犬養隼人」シリーズなど、著書多数。

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中山七里の作品

『さよならドビュッシー』(2010年1月)
『おやすみラフマニノフ』(2010年10月)
『連続殺人鬼カエル男』(2011年2月)
『魔女は甦る』(2011年5月)
『さよならドビュッシー前奏曲– 要介護探偵の事件簿』(2011年10月)
『贖罪の奏鳴曲– 御子柴礼司』(2011年12月)
『静おばあちゃんにおまかせ』(2012年7月)
『ヒートアップ』(2012年9月)
『スタート!』(2012年11月)
『いつまでもショパン』(2013年1月)
『切り裂きジャックの告白– 刑事犬養隼人』(2013年4月)
『七色の毒– 刑事犬養隼人』(2013年7月)
『追憶の夜想曲– 御子柴礼司』(2013年11月)
『アポロンの嘲笑』(2014年9月)
『テミスの剣』(2014年10月)
『月光のスティグマ』(2014年12月)
『嗤う淑女』(2015年2月)
『ヒポクラテスの誓い』(2015年5月)
『総理にされた男』(2015年8月)
『闘う君の唄を』(2015年10月)
『ハーメルンの誘拐魔– 刑事犬養隼人』(2016年1月)
『恩讐の鎮魂曲– 御子柴礼司』(2016年3月)
『どこかでベートーヴェン』(2016年5月)
『作家刑事毒島』(2016年8月)
『ヒポクラテスの憂鬱』(2016年9月)
『セイレーンの懺悔』(2016年11月)
『翼がなくても』(2017年1月)
『秋山善吉工務店』(2017年3月)
『ドクター・デスの遺産– 刑事犬養隼人』(2017年5月)
『ネメシスの使者』(2017年7月)
『ワルツを踊ろう』(2017年9月)
『逃亡刑事』(2017年12月)
『護られなかった者たちへ– 宮城県警シリーズ』(2018年1月)
『悪徳の輪舞曲– 御子柴礼司』(2018年3月)
『連続殺人鬼カエル男ふたたび』(2018年5月)
『能面検事』(2018年7月)
『TAS特別師弟捜査員』(2018年9月)
『静おばあちゃんと要介護探偵』(2018年11月)
『ふたたび嗤う淑女』(2019年1月)
『もういちどベートーヴェン』(2019年3月)
『笑え、シャイロック』(2019年5月)
『死にゆく者の祈り』(2019年9月)
『人面瘡探偵』(2019年11月)
『騒がしい楽園』(2020年1月)
『帝都地下迷宮』(2020年2月)
『夜がどれほど暗くても』(2020年3月)
『合唱 岬洋介の帰還』(2020年4月)
『カインの傲慢– 刑事犬養隼人』(2020年5月)
『ヒポクラテスの試練』(2020年6月)
『毒島刑事最後の事件』(2020年7月)
『テロリストの家』(2020年8月)
『隣はシリアルキラー』(2020年9月)
『銀齢探偵社静おばあちゃんと要介護探偵2』(2020年10月)
『復讐の協奏曲– 御子柴礼司』(2020年11月)
『境界線– 宮城県警シリーズ』(2020年12月)
『ラスプーチンの庭』(2021年1月)
『ヒポクラテスの悔恨』(2021年5月)
『能面検事の奮迅』(2021年7月)
『嗤う淑女 二人』(2021年9月)
『おわかれはモーツァルト』(2021年12月)
鑑定人 氏家京太郎』(2022年1月)
『人面島』(2022年3月)
作家刑事 毒島の嘲笑』(2022年7月)
越境刑事』(2022年9月)
特殊清掃人』( 2022年11月)
祝祭のハングマン』(2023年1月)
『殺戮の狂詩曲』 (2023年03月)

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