【感想】『殺戮の狂詩曲』中山七里|人の尊厳こそ、守られるべきである

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殺戮の狂詩曲|中山七里

ケイチャン

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【2023年91冊目】

今回ご紹介する一冊は、

中山七里

殺戮の狂詩曲です。

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【感想】「人の尊厳こそ、守られるべきである」

エンタメリーガルミステリー

高級介護施設で起こった
無差別殺人事件
不要な人間は殺すべきと
言う犯人を弁護するのは
何故なのか?

悪徳弁護士
御子柴礼司シリーズ6冊め

『相模原施設19人殺害事件』
が元ネタであろう本作品ですが
要介護の方や高齢者を
不要
と切り捨て、殺してもかまわない
いやいっそ、殺すべきだ
と言う犯人の言葉には
ゾッとしますね

本作品の犯人も同じことを言う
でもそんな犯人を
進んで弁護する御子柴弁護士
いったい目的は何のため?

「人の尊厳こそ、守られるべきである」

おかしな主張を
自信たっぷりと述べる犯人
優秀な裁判官ならば
僕のことをわかってもらえる
きっと無罪さ!

しかし被害者家族から
剥き出しの憎しみをぶつけられ
しだいにブレてくる
あれれ、おかしいな?
良い事をしたはずなのに感謝されないぞ

御子柴弁護士が行う
被害者家族への聴き取りが
殺された方の人物像を結び
ひとりひとり唯一無二の
人間を立ち上がらせます

7人殺したのに無罪を主張する

これまで数々のミラクルな
勝訴を勝ち取った御子柴弁護士だが
無罪主張とは・・大丈夫かね?
と思いましたが
今回はちょっと違う
着地点となりました

裁判の最中に
ドドーンと新事実を告げて
ひっくり返しちゃうのが
御子柴シリーズの魅力ですが
本作品もそれは健在です

また新事実も
細かいところを突いてきて
小技が効いてるな〜
と、感じました

そして最後に
御子柴弁護士が守りたかった
犯人の尊厳が明らかとなります

凄惨な事件にインスピレーション
を受けて人間の尊厳を問う
エンタメ作品だからできる
アプローチでした

あなたは自分を
社会に必要な人間だって
自信をもって
言えますか?

作品紹介(出版社より)

累計50万部突破、リーガルミステリーの最高峰「御子柴弁護士」シリ―ズ。

【偽善という言葉から、これほど遠い小説はない】

高級老人ホームで発生した、令和最悪の凶悪殺人事件。好人物を装っていた介護職員の心中に渦巻く邪悪。最低な被疑者への弁護を名乗り出た悪評塗れの弁護士・御子柴礼司が、胸に秘める驚愕の企みとは? 

ミステリーという技法を用いることによってのみ可能な、命あるものへの賛歌である。―杉江松恋(文芸評論家)

ドラマ「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲」原作「御子柴弁護士」シリーズ、第6弾。

作品データ

タイトル:『殺戮の狂詩曲』
著者:中山七里
出版社:講談社
発売日:2023/3/29

作家紹介

中山 七里 (なかやま・しちり)

1961年、岐阜県生れ。
『さよならドビュッシー』で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2010年にデビュー。
音楽を題材とした「岬洋介」シリーズほか、「御子柴礼司」シリーズ、「刑事犬養隼人」シリーズなど、著書多数。

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中山七里の作品

『さよならドビュッシー』(2010年1月)
『おやすみラフマニノフ』(2010年10月)
『連続殺人鬼カエル男』(2011年2月)
『魔女は甦る』(2011年5月)
『さよならドビュッシー前奏曲– 要介護探偵の事件簿』(2011年10月)
『贖罪の奏鳴曲– 御子柴礼司』(2011年12月)
『静おばあちゃんにおまかせ』(2012年7月)
『ヒートアップ』(2012年9月)
『スタート!』(2012年11月)
『いつまでもショパン』(2013年1月)
『切り裂きジャックの告白– 刑事犬養隼人』(2013年4月)
『七色の毒– 刑事犬養隼人』(2013年7月)
『追憶の夜想曲– 御子柴礼司』(2013年11月)
『アポロンの嘲笑』(2014年9月)
『テミスの剣』(2014年10月)
『月光のスティグマ』(2014年12月)
『嗤う淑女』(2015年2月)
『ヒポクラテスの誓い』(2015年5月)
『総理にされた男』(2015年8月)
『闘う君の唄を』(2015年10月)
『ハーメルンの誘拐魔– 刑事犬養隼人』(2016年1月)
『恩讐の鎮魂曲– 御子柴礼司』(2016年3月)
『どこかでベートーヴェン』(2016年5月)
『作家刑事毒島』(2016年8月)
『ヒポクラテスの憂鬱』(2016年9月)
『セイレーンの懺悔』(2016年11月)
『翼がなくても』(2017年1月)
『秋山善吉工務店』(2017年3月)
『ドクター・デスの遺産– 刑事犬養隼人』(2017年5月)
『ネメシスの使者』(2017年7月)
『ワルツを踊ろう』(2017年9月)
『逃亡刑事』(2017年12月)
『護られなかった者たちへ– 宮城県警シリーズ』(2018年1月)
『悪徳の輪舞曲– 御子柴礼司』(2018年3月)
『連続殺人鬼カエル男ふたたび』(2018年5月)
『能面検事』(2018年7月)
『TAS特別師弟捜査員』(2018年9月)
『静おばあちゃんと要介護探偵』(2018年11月)
『ふたたび嗤う淑女』(2019年1月)
『もういちどベートーヴェン』(2019年3月)
『笑え、シャイロック』(2019年5月)
『死にゆく者の祈り』(2019年9月)
『人面瘡探偵』(2019年11月)
『騒がしい楽園』(2020年1月)
『帝都地下迷宮』(2020年2月)
『夜がどれほど暗くても』(2020年3月)
『合唱 岬洋介の帰還』(2020年4月)
『カインの傲慢– 刑事犬養隼人』(2020年5月)
『ヒポクラテスの試練』(2020年6月)
『毒島刑事最後の事件』(2020年7月)
『テロリストの家』(2020年8月)
『隣はシリアルキラー』(2020年9月)
『銀齢探偵社静おばあちゃんと要介護探偵2』(2020年10月)
『復讐の協奏曲– 御子柴礼司』(2020年11月)
『境界線– 宮城県警シリーズ』(2020年12月)
『ラスプーチンの庭』(2021年1月)
『ヒポクラテスの悔恨』(2021年5月)
『能面検事の奮迅』(2021年7月)
『嗤う淑女 二人』(2021年9月)
『おわかれはモーツァルト』(2021年12月)
鑑定人 氏家京太郎』(2022年1月)
『人面島』(2022年3月)
作家刑事 毒島の嘲笑』(2022年7月)
越境刑事』(2022年9月)
特殊清掃人』( 2022年11月)
祝祭のハングマン』(2023年1月)
殺戮の狂詩曲』 (2023年03月)

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