ケイチャン
【2024年85冊目】
今回ご紹介する一冊は、
新川帆立 著
『女の国会』です。
もくじ
【感想】「政治家の正義は、選挙に勝つこと」
あの『お嬢』が自殺するはずない・・
男たちの城、国会で奮闘する
女たちの戦いを描く
政治&選挙の物語です
ケイチャン
あなたの街の市長は
女性ですか?男性ですか?
市長を県知事にしてもいいが
ほとんどが男ですね
人口の半分は女性で
1人につき1票はかわらないのに
なぜほとんどの『長』は男性で
議員も女性は少ないのでしょうか?
僕には謎です
水と油の女性国会議員
『お嬢』こと、浅沼侑子(あさぬま ゆうこ)さん
父親は首相経験者の3世議員です
得意技は、泣き落とし
曰く、妖怪・オジサン転がし
彼女に嚙みついたのが
『憤慨おばさん』こと、高月馨(たかつき かおる)さん
普通のサラリーマン家庭から派遣社員を経て
うるさくわめく野党のキレキャラ議員です
高月が浅沼に廃案となった
『性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律、の改正案』
について責め立てた次の日に
浅沼は青酸カリを飲んで死んでしまった
いったいどうして?
だいたい浅沼は毒を飲んで
自殺するようなタイプじゃないだろう?
でもホントは何か、悩みがあったのだろうか?
殺人事件ではないかと
高月たちは独自に調査を進める
すると浮かんできたのが
浅沼の婚約者、三好顕太郎の父
与党の大物政治家の三好顕造だった
プーくん
彼女の死には何が隠されているのだろう
『お嬢』こと浅沼さんの死の真相を探るべく
物語は語り手を変えながら進みます
国会議員の政策担当秘書
大手新聞社の政治記者
地方の市議会議員
そして国会議員である、高月と
男性優位な職種で働く彼女たち
女だからって下に見られるなか
懸命に働く姿に共感します
ケイチャン
・・がんばれッ!
政治家のお仕事小説でもあり
国会から地方市議会と
働く議員の様子も興味深いが
ドキドキ&ハラハラするのは
やはり選挙戦でしょう
後半は政局がドラスティックに動き
クライマックスである補欠選挙戦は
手に汗握る面白さです
ケイチャン
・・選挙ってエンタメだね
ラストにはミステリー小説らしい
大どんでん返しが用意されていて
・・冒頭から伏線があったのに
気が付かなかったわ~・・
と、なりました
依然、男社会のところって
まだいっぱいありますよね
ケイチャン
男女平等で公正な社会は
いつ実現するのでしょうか?
作品紹介(出版社より)
選挙に弱い政治家は、
誰かの言いなりになるしかない。
だから――。
強くなりたい。
国会のマドンナ“お嬢”が遺書を残し自殺した。
敵対する野党第一党の“憤慨おばさん”は死の真相を探りはじめる。
議員・秘書・記者の覚悟に心震える、政治×大逆転ミステリ!
野党第一党の高月馨は窮地に追い込まれた。
敵対関係にありつつも、ある法案については共闘関係にあった与党議員・朝沼侑子が自殺したのだ。
「自分の派閥のトップも説得できていなかったの? 法案を通すつもり、本当にあったの?」
死の前日の浅沼への叱責が彼女を追い詰めたのではないかと批判が集まり、謝罪と国対副委員長の辞任を迫られてしまう。
だが、長年ライバル関係を築いてきた高月には朝沼の死がどうも解せない。
朝沼の婚約者で政界のプリンス・三好顕太郎に直談判し、共に死の真相を調べることに。。
作品データ
タイトル:『女の国会』
著者:新川帆立
出版社:幻冬舎
発売日:2024/4/17
作家紹介
新川 帆立(しんかわ・ほたて)
1991年 アメリカ・テキサス州 生まれ。日本のミステリー作家、弁護士。 元プロ雀士。
2021年1月より弁護士を休職し、作家業に専念している。 ボストンを経てシカゴ在住。
2020年10月『元彼の遺言状』で宝島社主催第19回『このミステリーがすごい!』大賞受賞。
2021年『元彼の遺言状』でデビュー
新川帆立の作品紹介
『元彼の遺言状』(2021/1/8)
『倒産続きの彼女』(2021/10/6)
『競争の番人』(2022/5/11)
『剣持麗子のワンナイト推理』(2022/04/08)
『先祖探偵』(2022/7/15)
『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』 2023/01/26
『東大に名探偵はいない』 2023/01/27
『縁切り上等!離婚弁護士 松岡紬の事件ファイル』2023/6/29
『女の国会』2024/4/17