【感想】『六人の嘘つきな大学生』 朝倉秋成|人が人を選ぶ傲慢さと恐ろしさ

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六人の嘘つきな大学生|朝倉秋成

ケイチャン

ケイチャン

【2022年50冊目】

今回ご紹介する一冊は、

朝倉秋成 著

『六人の嘘つきな大学生』です。

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【感想】「人が人を選ぶ傲慢さと恐ろしさ」

エンタメミステリー

1転2転さらに3転するストーリー展開が魅力でした
作者のミスリードを読み切って、
あなたは犯人と犯行動機と、そして真実を
予想できるかな?

テーマは『就職活動』

新卒採用『若干名』に対して、応募者は5,000人以上
大人気のIT企業の最終面接に残ったのは、たった6名

厳しい現実ですね、今年僕の会社に入社した女の子は
60社以上応募し全滅、卒業3ヵ月前にやっと弊社から
内定が出たときは号泣したそうです
もう2度と就活したくない!と言ってます

さて内定への最後の壁はグループディスカッション
内容によっては6名全員に合格が出ると聞けば
協力しないわけない
役割分担し情報収集するうちに芽生える友情
一致団結し、勝ち取るのだ内定を!

しかし、その夢を打ち砕いたのが
採用担当者からのメール
採用は1名とする、しかもそれを
6人が議論して決めろと言うのです

今日の味方が明日の敵となる
掟破りのルール変更!
今まで培った友情はどうなる?
激しく動揺する6名だが・・どうすることもできない

そして選考の当日、事件は起きる
会場にあったのは6名の悪事を糾弾する
タレコミの手紙だった
いったい誰の仕業なんだ!?

ここまでが前半です
6名の友情が育ち、それが崩れ去るカタルシスに
緊張が高まりますね

しかし、物語はここからが本番
後半は時が過ぎ、就職を勝ち取った者が
あの事件はなんであったのか
過去を調べ、真犯人を探すストーリー展開となります

「人が人を選ぶ傲慢さと恐ろしさ」

本作のテーマの1つである就活
そこには逃れられない、歪さが潜んでいます
応募者の面接をしたことがある方は同意してくれるでしょう
ちょっと話したくらじゃ、どんな人がわかんない!と

好悪の感情は人それぞれ
明確な基準が存在しない、出来ない
そんなあやふやな状態で、人を選ぶ
そして選ばれる方は、一生を左右されてしまう
怖いことです

真摯に就活に望んだがゆえの犯行動機に
きっと皆さんも共感の怒りを覚えることでしょう

だが本作の真骨頂は犯行動機が明らかになったあとの
真実にあります
一面的に人を判断する恐ろしさ
真実は隠されていることがあるのです

明らかとなった真実により
物語の形が、もう一転します
清涼感あふれる意外な結末に
僕は驚きそして満足しました

作品紹介(出版社より)

「犯人」が死んだ時、すべての動機が明かされる――新世代の青春ミステリ!

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■■各種ミステリランキングで話題沸騰中■■

『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)国内編 8位
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成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。

『教室が、ひとりになるまで』でミステリ界の話題をさらった浅倉秋成が仕掛ける、究極の心理戦。

作品データ

タイトル:『六人の嘘つきな大学生』
著者:朝倉秋成
出版社:KADOKAWA
発売日:2021/3/2

作家紹介

朝倉秋成(あさくら・あきなり)

1989年生まれ、小説家。関東在住。
第13回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。
2019年に刊行した『教室が、ひとりになるまで』で第20回本格ミステリ大賞と、第73回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門にWノミネート。
その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋の準備をお願いします』『九度目の十八歳を迎えた君と』など。

朝倉秋成の作品紹介

『失恋覚悟のラウンドアバウト』 2016/07/11
『教室が、ひとりになるまで』 2019/03/01
『九度目の十八歳を迎えた君と』2019/06/20
『九度目の十八歳を迎えた君と』2020/11/19
『失恋の準備をお願いします』 2020/12/15
『教室が、ひとりになるまで』2021/01/22
六人の嘘つきな大学生』 2021/03/02
『フラッガーの方程式』 2021/04/23
『ノワール・レヴナント』 2021/09/18

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