【感想】『白銀騎士団』田中芳樹|絶頂期とは、没落の始まりなのだ

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白銀騎士団|田中芳樹

ケイチャン

ケイチャン

【2022年51冊目】

今回ご紹介する一冊は、

田中芳樹 著

『白銀騎士団』です。

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【感想】「絶頂期とは、没落の始まりなのだ」

1905年のロンドンを舞台に繰り広げられる
怪奇活劇です

シルバーナイトの名の通り
銀の弾丸や銀の短剣など、退魔の装備で武装し
相手とするは『人外の敵』とくれば
ドラキュラや人狼と闘うのかなあと思っていたら
敵は人間でした

結局、人の欲望が一番怖いということですね

さて田中芳樹の作品と言えば
軽妙洒脱な会話パートと
辛辣な政治批判が魅力でしょう

本作も個性あふれるキャラクターたちが
物語を盛り上げてくれます

主人公のジョセフは英国貴族の准男爵ですが
使用人に財布を握られて、カネが無い
惚れっぽいが正義感が強い好青年です

この主人公を両脇から支えるのが
中国人の李(リー)と、インド人のゴーシュ
格闘技の達人という設定ですが、
人を食ったようなもの言いが、面白い

中国人とインド人というのが
この時代の英国を象徴していますね

アヘン戦争で中国を侵食するイギリス
麻薬のために戦争を起こすとは
ヤクザも顔負けの恥知らずな行為です
いっぽうインドは完全に植民地支配されています

この2人が自国を侵略した英国の悪口を
けちょんけちょんに言うのが爽快ですww

そしてヒロインはアイルランド人のメイド、アニー
元気いっぱい快活な働き者、そして気が強い
主人のジョセフにもキッパリともの言い
故郷を侵略したイングランドの悪口を
けちょんけちょんに言うのが爽快ですww

「絶頂期とは、没落の始まりなのだ」

大英帝国の驕り
世界で最も広大な領土を保有し
鼻高々な英国人の高慢な態度が
批判的に描かれます

しかしそれは麻薬の三角貿易で得られた
砂上の楼閣

自分たちが最上の人間と勘違いした人々が
更なる欲望のために、企む野望とはなにか?

欲望の怪物と化した組織に
白銀騎士団が立ち向かう!

こそそっとアップフェルラント物語の
小ネタが入ってて、ファンとしては嬉しかったです

作品紹介(出版社より)

帝国主義に覆われ、軍靴の響きが近づく1905年のロンドン。霧の垂れ込めた街には夜ごと怪物が跋扈していた……。けれど、この街には暗鬱な空気に立ち向かう「白銀騎士団」がいる。腕利きの従者の中国人・李とインド人・ゴーシュ、負けん気の強いメイドのアイルランド人・アニー、そして若き准男爵(バロネット)にして団長のサー・ジョセフ。個性豊かな面々がロンドンの平和を守り、貧乏貴族を脱するため、はびこる悪と今日も戦う!

作品データ

タイトル:『白銀騎士団』
著者:田中芳樹
出版社:光文社
発売日:2022/3/23

作家紹介

田中 芳樹(たなか・よしき)

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。
1978年『緑の草原に…』で第3回幻影城新人賞を受賞しデビュー。
1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞。
2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞。

田中芳樹の作品紹介

『アルスラーン戦記』(1~16巻)
『銀河英雄伝説』(1~23巻)
…他多数
白銀騎士団』(2022/3/2)

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