【感想】『競争の番人』新川帆立|結局、強いものが勝って、弱いものが死ぬだけじゃないのか?

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競争の番人|新川帆立

ケイチャン

ケイチャン

【2022年93冊目】

今回ご紹介する一冊は、

新川帆立 著

『競争の番人』です。

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【感想】「結局、強いものが勝って、弱いものが死ぬだけじゃないのか?」

お仕事ミステリー小説

主人公の白熊楓(しろくま かえで)ちゃんは
『公取委』で働くお役人です。公取委ってなーに?
公正取引委員会はおもに独占禁止法について取り締まる機関です
今日も談合容疑について聴き取りをするのだが

次の日、容疑者が自殺してしまった

これはキツイですね
追い詰めた自分が悪かったのか?
もっとやりようがあったのではないか?
お葬式で後悔にかられる楓ちゃんの描写から物語はスタートします

さて、みなさんは結婚式をしたことはありますか?
会場費用、宴会費用、花代と高額な費用でしたね
それが式場同士の談合で高額にさせられていたとしたら
みなさんはきっと怒るでしょう

栃木県S市のホテル3社間で結婚式料金のカルテルが結ばれている!

告発を受けて『公取委』が動く
楓ちゃんもホテル天沢Sの内偵を開始する
新しく移動してきた天才・小勝負勉(こしょうぶ つとむ)と共に

東大法学部主席卒業、一度覚えたことは忘れない小勝負くん
クールで理論的しかし頭が良すぎることで人が離れていくことを
ちょっと気にしてるハンサムボーイです
学生時代空手ひと筋だった肉体派の楓ちゃんが苦手なタイプです

ところが内偵先のホテル天沢Sが立入検査を拒否したところから
公取委の調査は逆風につぐ逆風といった状況になってくる
楓ちゃんと小勝負クンの凸凹コンビは
この調査を立件できるのでしょうか?

さてお仕事小説でもある本作
楓ちゃんは冒頭の自殺で、自分の職務について悩みます
それが『誰のために役立っているのかがわからない』です
公正な競争を目的にした『公取委』
掲げた目標が高いため、人の顔が見えないのですね

誰のための『公正な競争』なのか
そもそも競争って、良いことなのか
結局、強いものが勝って、弱いものが死ぬだけじゃないのか?

それに対するのが小勝負クンの考え
いやいや楓さんはあまりに人の顔色ばかりを気にしている
個別の事情は違って当たり前なのだから仕方がない
競争できる舞台を用意するのが僕らの仕事でしょ?と

悩んで、もがいて、職務の意義を考える
仕事する僕らの物語でした

あなたの仕事は
人の笑顔が見える仕事ですか?

作品紹介(出版社より)

弱くても戦え! 『元彼の遺言状』著者、注目の新鋭が放つ面白さ最高の「公取委」ミステリー。

ウェディング業界に巣食う談合、下請けいじめ、立入検査拒否。市場の独り占めを取り締まる公正取引委員会を舞台に、凸凹バディが悪を成敗する!

公正取引委員会の審査官、白熊楓は、聴取対象者が自殺した責任を問われ、部署異動に。東大首席・ハーバード大留学帰りのエリート審査官・小勝負勉と同じチームで働くことになった。二人は反発しあいながらも、ウェディング業界の価格カルテル調査に乗り出す。数々の妨害を越えて、市場を支配する巨悪を打ち倒せるか。ノンストップ・エンターテインメント・ミステリー!

作品データ

タイトル:『競争の番人』
著者:新川帆立
出版社:講談社
発売日:2022/5/11

作家紹介

新川 帆立(しんかわ・ほたて)

1991年 アメリカ・テキサス州 生まれ。日本のミステリー作家、弁護士。 元プロ雀士。
2021年1月より弁護士を休職し、作家業に専念している。 ボストンを経てシカゴ在住。
2020年10月『元彼の遺言状』で宝島社主催第19回『このミステリーがすごい!』大賞受賞。
2021年『元彼の遺言状』でデビュー

新川帆立の作品紹介

元彼の遺言状』(2021/1/8)
倒産続きの彼女』(2021/10/6)
競争の番人』(2022/5/11)

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