ケイチャン
【2023年143冊目】
今回ご紹介する一冊は、
今野敏 著
『遠火 警視庁強行犯係・樋口顕』です。
もくじ
【感想】「オトコの値段は、いつが1番高いのか?」
同じ街にいるのに
違う世界に住んでいるモノ
それが・・
女子高生である!
リアルな捜査が渋い、刑事物語です
女子高生の世界って、どんな世界なんだろう?
樋口班シリーズ8作目
街中を熱帯魚のように
華やかに行き来する
女子高生
生き生きと輝く彼女たちは
美しいですね
JKブランドの彼女たちは人生で
最も値段が付く時期かもしれません
賢い彼女たちはそのことを良く知っている
今の私はお金になる、と
しかし中には
若いうちにチヤホヤされ過ぎて
間違ったやり方でJKブランドを
売りに出す者もいるし
それに群がる男たちも、いるんだ
奥多摩で発見された
若い女性の全裸死体
捜査するうちに浮上するのが
女子高生の売春グループの存在でした
そして被害者の所属する
ある組織に行きつく
それはファッション会社とコラボして
新企画を立ち上げるチームでした
あれれ?売春組織じゃ、ないじゃんか!
売春組織がある前提で
捜査を進めていたのに
どうも違うらしい・・
分裂する捜査方向に
ギシギシする捜査員たち
さあ、こんな時こそ
ヒグっちゃんの出番です!
協調性を第一に考えて
たとえ捜査方針の違いから
イチャモンを付けられたとしても
まあ怒らず、落ち着いて
みんなで相談しようよ
これこそ偉大なる中間管理職
樋口係長の真骨頂!
持ち前のコミュニケーション能力を
フルに活用して、捜査員をまとめ上げるのだ
時には言いたいことを
飲み込む時もあるが
言わなきゃならないことは
バシッと言う
これは上司にも部下にも
信頼されることでしょう
本作の魅力は、樋口の
こんな性格にあると思います
そして地味な捜査が実る時
事件の全容が
バシバシッと明らかになる
この気持ちの良さが、たまらない
男は、人生経験を積み
責任ある仕事を任せられる
中年のオッちゃんの時期が
いちばん値段が高いと、そう思いませんか?
作品紹介(出版社より)
名刑事が陥った最大の危機! 罠を仕掛けたのは女子高生?事件解決愚直に走る平凡な男が輝く、大人気警察小説シリーズ、最新作。東京・奥多摩の山中で他殺体が発見された。警視庁捜査一課の樋口班は現場に急行。調べを進めていくと、殺されたのは渋谷署の係員が職質をしたことがある女子高生で、売春の噂があったことが判明する。樋口顕は被害者の友人である美人女子高生と戸外で面会。すると、その様子を撮影した何者かによってインターネット上に写真を流され、同僚やマスコミから、あらぬ疑いをかけられてしまう。秀でた能力があるわけではなく、他人を立てることを優先し、家族も大切にしながら、数々の難事件を解決してきた樋口。謀略を打ち破り、殺人事件の真相に辿り着くことができるのか。
作品データ
タイトル:『遠火 警視庁強行犯係・樋口顕』
著者:今野敏
出版社:幻冬舎
発売日:2023/8/23
作家紹介
今野敏 (こんの・びん)
1955年北海道生れ。
1978年上智大学在学中に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。
2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞 受賞 。
2008年『果断―隠蔽捜査2―』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞。
さまざまなタイプのエンターテインメントを手がけているが、警察小説の書き手としての評価も高い。
今野敏の作品
『 怪物が街にやってくる 』 (短編集)(1985年7月)
『隠蔽捜査 – 隠蔽捜査1』(2005年9月)
『 果断– 隠蔽捜査2 』 (2007年4月)
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『 精鋭 』(2015年2月)
『 マインド– 警視庁捜査一課・碓氷弘一6 』(2015年5月)
『 豹変 』(2015年6月)
『 潮流– 東京湾臨海署安積班 』(2015年8月)
『 プロフェッション– ST警視庁科学特捜班 』(2015年8月)
『 寮生– 一九七一年、函館。 』(2015年10月)
『 臥龍– 横浜みなとみらい署暴対係 』(2016年2月)
『 防諜捜査– 倉島警部補5 』(2016年4月)
『 マル暴総監 』(2016年5月)
『 真贋– 萩尾警部補シリーズ 』(2016年6月)
『 去就– 隠蔽捜査6 』(2016年7月)
『 継続捜査ゼミ 』(2016年10月)
『 サーベル警視庁 』(2016年12月)
『 回帰– 警視庁強行犯係・樋口顕 』(2017年2月)
『 アンカー– スクープシリーズ4 』(2017年5月)
『 変幻– 同期シリーズ 』 (2017年6月)
『 武士マチムラ– 琉球空手シリーズ 』(2017年9月)
『 道標– 東京湾臨海署安積班(短編集) 』(2017年12月)
『 棲月– 隠蔽捜査7 』(2018年1月)
『 カットバック– 警視庁FC2 』(2018年4月)
『 任侠浴場 』(2018年7月)
『 エムエス– 継続捜査ゼミ2 』(2018年10月)
『 キンモクセイ 』(2018年12月)
『 スクエア– 横浜みなとみらい署暴対係 』(2019年2月)
『 呪護– 祓師・鬼龍光一 』(2019年3月)
『 機捜235 』(2019年3月)
『 炎天夢– 東京湾臨海署安積班 』(2019年6月)
『 清明– 隠蔽捜査8 』(2020年1月)
『 焦眉– 警視庁強行犯係・樋口顕 』(2020年4月)
『 任侠シネマ 』(2020年5月)
『 黙示– 萩尾警部補シリーズ 』(2020年6月)
『 オフマイク– スクープシリーズ5 』(2020年7月)
『 帝都争乱– サーベル警視庁2 』(2020年9月)
『 天を測る 』(2020年12月)
『 大義– 横浜みなとみらい署暴対係(短編集) 』(2021年3月)
『 宗棍 』(2021年6月)
『 ロータスコンフィデンシャル 』(2021年7月)
『 暮鐘 東京湾臨海署安積班 』(2021年8月)
『 ボーダーライト』(2021年10月)
『 探花– 隠蔽捜査9』(2022年1月)
『 無明– 警視庁強行犯係』(2022年3月)
『 確証 上・下』(2022年5月)
『石礫 機捜235』(2022年5月)
『任侠楽団』(2022年6月)
『マル暴ディーヴァ』(2022年09月)
『秋麗 東京湾臨海署安積班』(2022年11月)
『審議官』(2023年1月)
『署長シンドローム』(2023/03/08)
『トランパー 横浜みなとみらい署暴対係』 2023/05/17
『脈動』 2023/06/28
『遠火 警視庁強行犯係・樋口顕』 2023/08/23
『台北アセット』 2023/11/14