【本の感想】『月収』原田ひ香|生きる目的は、お金だけ??

【2025年65冊目】
今回ご紹介する一冊は、
原田ひ香 著
『月収』です。
【感想】「生きる目的は、お金だけ??」
お金がないと生きてけないけど
お金だけじゃ生きがいがない!
切実な日々の仕事と暮らしを描く
連作ヒューマンドラマです

あなたの月収は、いくら?
のちに『令和の米騒動』と言われるであろう
お米をはじめとする昨今の物価高
・・辛いですよね
社会保険料もぐんぐん上がり
手取りはどんどん下がってゆく
そう嘆く、月収4万円・66才の女性から
物語はスタートします
どう節約しても無理だ
でも働いたことないし、どうしよう?
そんな彼女に救いの神が!
香草のミントを育ててくれたら
買い取るよ、と
これはラッキー、助かった!
けど、気まぐれな神様は
すぐにどこかへ行ってしまうのです
・・1つの収入に頼ってはいけないんだ
そんな6人の女性を繋ぐ物語が続きます
ベストセラーの前作『三千円の使いかた』に続く
お金の物語
収入も年齢も違う6人の女性を繋いで
赤裸々に語られてゆく
どんなに立派な人格者だって
お金がないとやっていけない
お金のために身と心をすり減らす
日々を過ごすのが、大半の方でしょう
そんな貧乏人と対極にあるのが
月収300万円の菊子(きくこ)さん
家賃など不労所得が毎月ずんずん
口座に入ってくるのですが・・
心が満たされない
いっけん、お金を稼ぐことが
素晴らしいように思える本書ですが
本当はその逆
お金は手段でしかないことを
菊子さんが表しています
ストーリーに毒を仕込むのが
原田ひ香作品の味わい深さですが
本作では『お金の危うさ』が
本当のテーマになっているようです
6人の女性に共通するのは
愛する人がいない、ということ

本当は愛の不在がテーマのように僕は思えました

なーんて言ってしまうのはうがち過ぎでしょうか?
みんな気になる
お金がテーマの本書

お金がいっぱいで困った!なんて月収に、なってみたいな笑

みなさんは今の月収で満足していますか?
作品紹介(出版社より)
年金暮らしで月収四万円の六十六歳から、株や投資信託で月収三百万円ある五十二歳までが織りなす、お金をテーマにした人間ドラマ! 大ベストセラー『三千円の使いかた』と一緒に読んでほしい原田ひ香の新作が登場です。
作品データ
タイトル:『月収』
著者:原田ひ香
出版社:中央公論新社
発売日:2025/2/21
作家紹介
原田ひ香(はらだ・ひか)
1970年神奈川県生れ。
2005年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。
2007年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。
著書に『三千円の使いかた』『そのマンション、終の住処でいいですか?』『古本食堂』『一橋桐子の犯罪日記』『ランチ酒』『事故物件、いかがですか? 東京ロンダリング』『人生オークション』『母親ウエスタン』『彼女の家計簿』『ミチルさん、今日も上機嫌』『三人屋』『ラジオ・ガガガ』などがある。
原田ひ香の作品紹介
『はじまらないティータイム』(2008年1月)
『東京ロンダリング』(2011年7月)
『人生オークション』(2011年10月)
『母親ウエスタン』(2012年9月)
『アイビー・ハウス』(2013年3月)
『彼女の家計簿』(2014年1月)
『ミチルさん、今日も上機嫌』(2014年5月)
『三人屋』(2015年6月)
『ギリギリ』(2015年9月)
『復讐屋成海慶介の事件簿』(2015年11月)
『彼女たちが眠る家』(2016年6月)
『事故物件、いかがですか?』(2016年9月)
『ラジオ・ガガガ』(2017年5月)
『ランチ酒』(2017年11月)
『三千円の使いかた』(2018年4月)
『DRY』(2019年1月)
『そのマンション、終の住処でいいですか?』(2019年4月)
『ランチ酒 おかわり日和』(2019年7月)
『まずはこれ食べて』(2019年12月)
『口福のレシピ』(2020年8月)
『一橋桐子(76)の犯罪日記』(2020年11月)
『サンドの女 三人屋』(2021年2月)
『ランチ酒 今日もまんぷく』(2021年6月)
『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』(2021年9月)
『古本食堂』(2022年3月)
『財布は踊る』(2022年7月)
『老人ホテル』(2022年10月)
『DRY』 2022/12/13
『口福のレシピ』 2023/02/07
『まずはこれ食べて』2023/04/12
『図書館のお夜食 2023/06/21
『古本食堂』2023/09/18
『喫茶おじさん』 2023/10/12
『図書館のお夜食』2023/6/21
『定食屋「雑」』2024/3/21
『古本食堂 新装開店』2024/6/14
『月収』2025/2/21

