【感想】『喫茶おじさん』原田ひ香|煮詰まった人生を、淹れなおそう

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喫茶おじさん|原田ひ香

ケイチャン

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【2024年3冊目】

今回ご紹介する一冊は、

原田ひ香 著

『喫茶おじさん』です。

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【感想】「煮詰まった人生を、淹れなおそう」

純喫茶店小説

日々の憂いを癒すのは
コーヒーとケーキでしょう!
喫茶店巡りが生きがいの
おじさんを描く物語です

すぐひと息入れちゃうんだけど
ダメなのかい?

都会のオアシス
それが喫茶店ですね
僕の住む愛知県は
喫茶文化が盛んで
いたるところに
個性的なお店があります

僕は喫茶店にモーニングのない
地域には住めないな笑

さて本作の主人公、松尾純一郎さんは
バツイチ、57歳、早期退職からの無職
妻娘とは別居中とゆー、ずらりと
ネガティブワードの並ぶお方です

しかし全然悪い人じゃない
むしろお人好し過ぎて
損をするタイプです

けど最近みんなが
オマエはわかっていない
って言うんだ
・・僕の何が悪いんだろう?

「煮詰まった人生を、淹れなおそう」

物語に『毒』をひそませるのが
原田ひ香の特徴ですが
本作の毒は
主人公の妻、亜希子さんです

略奪婚からの
何不自由ない専業主婦生活
ブランド好きで料理下手の
妻に迎えるには
イマイチなタイプです

いったいどうして
純一郎と別れたいのか?

終わりの頃に
明らかとなるその理由は
あまりにも真摯かつ
プライドの高いものであり
僕はハッと心打たれました

心を打たれたのは
純一郎も同じだったのでしょう
今からでも遅くはない
自分の思いに忠実に
生きて行こうと決心するのでした

コミカルな喫茶店巡りは
楽しく読めます
美味しそうな喫茶メニューに
食べてみたいって思っちゃいます
ナポリタンとかww

50代半ばは悩みも多い
定年間際の世代の喜怒哀楽
子育て卒業からの家族崩壊
仕事も家庭も
難しいっ

そんな人生が黄昏てくる
年代の人々に
ひと息ついて
人生を見直そうよ
と、語りかけてくるようでした

複雑で苦味があるほどに芳醇な
味わいになるというのは
人生もコーヒーも同じなのでしょうか
(まだ僕にはよくわかりませんが笑)

僕もひとりでふらりと喫茶店に入って
ひと息ついて、思いにふける
そんな時間を持ちたいな・・
・・ついでにミルクレープも
食べたいな笑

あなたもたまには
ひとりで喫茶店巡り
してみませんか?

作品紹介(出版社より)

人生もコーヒーも、苦いけれどうまい。

松尾純一郎、バツイチ、57歳。大手ゼネコンを早期退職し、現在無職。

妻子はあるが、大学二年生の娘・亜里砂が暮らすアパートへ妻の亜希子が移り住んで約半年、現在は別居中だ。
再就職のあてはないし、これといった趣味もない。ふらりと入った喫茶店で、コーヒーとタマゴサンドを味わい、せっかくだからもう一軒と歩きながら思いついた。趣味は「喫茶店、それも純喫茶巡り」にしよう。東銀座、新橋、学芸大学、アメ横、渋谷、池袋、京都──「おいしいなあ」「この味、この味」コーヒーとその店の看板の味を楽しみながら各地を巡る純一郎だが、苦い過去を抱えていた。妻の反対を押し切り、退職金を使って始めた喫茶店を半年で潰していたのだ。

仕事、老後、家族関係……。たくさんの問題を抱えながら、今日も純一郎は純喫茶を訪ねる。『三千円の使いかた』で大ブレイクの著者が描く、グルメ×老後×働き方!

作品データ

タイトル:『喫茶おじさん』
著者:原田ひ香
出版社:小学館
発売日:2023/10/12

作家紹介

原田ひ香(はらだ・ひか)

1970年神奈川県生れ。
2005年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。
2007年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。
著書に『三千円の使いかた』『そのマンション、終の住処でいいですか?』『古本食堂』『一橋桐子の犯罪日記』『ランチ酒』『事故物件、いかがですか? 東京ロンダリング』『人生オークション』『母親ウエスタン』『彼女の家計簿』『ミチルさん、今日も上機嫌』『三人屋』『ラジオ・ガガガ』などがある。

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原田ひ香の作品紹介

『はじまらないティータイム』(2008年1月)
『東京ロンダリング』(2011年7月)
『人生オークション』(2011年10月)
『母親ウエスタン』(2012年9月)
『アイビー・ハウス』(2013年3月)
『彼女の家計簿』(2014年1月)
『ミチルさん、今日も上機嫌』(2014年5月)
『三人屋』(2015年6月)
『ギリギリ』(2015年9月)
『復讐屋成海慶介の事件簿』(2015年11月)
『彼女たちが眠る家』(2016年6月)
『事故物件、いかがですか?』(2016年9月)
『ラジオ・ガガガ』(2017年5月)
『ランチ酒』(2017年11月)
『三千円の使いかた』(2018年4月)
『DRY』(2019年1月)
『そのマンション、終の住処でいいですか?』(2019年4月)
『ランチ酒 おかわり日和』(2019年7月)
『まずはこれ食べて』(2019年12月)
『口福のレシピ』(2020年8月)
『一橋桐子(76)の犯罪日記』(2020年11月)
『サンドの女 三人屋』(2021年2月)
『ランチ酒 今日もまんぷく』(2021年6月)
『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』(2021年9月)
『古本食堂』(2022年3月)
財布は踊る』(2022年7月)
老人ホテル』(2022年10月)
『DRY』 2022/12/13
『口福のレシピ』 2023/02/07
『まずはこれ食べて』2023/04/12
『図書館のお夜食 2023/06/21
『古本食堂』2023/09/18
喫茶おじさん』 2023/10/12


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