【感想】『白ゆき紅ばら』寺地はるな|呪いをかけられた子供たち

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白ゆき紅ばら|寺地はるな

ケイチャン

ケイチャン

【2023年59冊目】

今回ご紹介する一冊は、

寺地はるな 著

『白ゆき紅ばら』です。

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【感想】「呪いをかけられた子供たち」

童話のような表紙とタイトルが
印象的な現代小説

あの場所には、もう戻らない!
そう誓ったのに・・

囚われたお姫様を救うため
もう一人のお姫様が『のばらのいえ』で
悪いお父さんと対決する・・
そんな童話をモチーフにしたような物語です

かわいそうな子供たち

事情があって親と
暮らせない子供たちの家
それが『のばらのいえ』です
そこで出会う2人の少女
白ゆき、こと祐希(ゆうき)と
紅ゆき、こと紘果(ひろか)

「呪いをかけられた子供たち」

あなたは子供の頃にかけられた
ひと言を覚えてはいませんか?

大人たちが言う、あなたは・・
優しいね
楽しいね
サッカーが上手だね
本が好きなんだね
女の子に優しいね
男の子に負けてないね
などなど

何気ないひと言に
ふ~ん、僕ってそうなんだ
と自分を型作るピースとして
胸に嵌ることがあると思います

しかしそれが
呪いのような言葉であったら

あなたは一人で生きられない
あなたは何一つ満足に出来ない
あなたは可哀相な人間なんだ
だから・・
俺の言うことを聞くんだ

そんな呪いのような言葉で
縛ろうとするのが
2人を育てた大人たちでした

そして
祐希(ゆうき)は逃げ
紘果(ひろか)は残った

大切な友を取り戻すために
再び過去の呪いと対峙する
祐希の物語です

寺地はるなは弱い人間を
描くのが本当に上手いですね
弱さとどう向き合うか
そこに人としての
真価が問われるのかも知れないと
そう思いました

あなたが子供の頃に
かけられたひとことは
呪いでしたか?
それとも祝福でしたか?

作品紹介(出版社より)

良い子は天国へ行く。悪い子はどこへでも行ける。
行き場のない母子を守る「のばらのいえ」は、大学のボランティア活動で知り合った志道さんと実奈子さんが、「かわいそうな子どもを救いたい」と理想を掲げ同志となって立ち上げ運営する家。そこに暮らす祐希は、束縛され未来のない現実から高校卒業と同時に逃げ出した。十年後のある日、志道さんが突然迎えに来る。しらゆきちゃん、べにばらちゃんと呼ばれ、幼少のころから一心同体だった紘果を置いてきたことをずっと後悔してきた祐希は、二度と帰らないと出てきた「のばらのいえ」に戻る決意をするが――。

作品データ

タイトル:『白ゆき紅ばら』
著者:寺地はるな
出版社:光文社
発売日:2023/2/22

作家紹介

寺地はるな(てらち・はるな)

1977年佐賀県生まれ。 大阪府在住。
2014年『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。
他の著書に『わたしの良い子』、『大人は泣かないと思っていた』、『正しい愛と理想の息子』、『夜が暗いとはかぎらない』、『架空の犬と嘘をつく猫』などがある。

寺地はるなの作品紹介

『ビオレタ』(2017年1月)
『今日のハチミツ、あしたの私』(2017年3月)
『みちづれはいても、ひとり』(2017年10月)
『架空の犬と嘘をつく猫』(2017年12月)
『大人は泣かないと思っていた』(2018年7月)
『正しい愛と理想の息子』(2018年11月)
『夜が暗いとはかぎらない』(2019年4月)
『わたしの良い子』(2019年9月)
『希望のゆくえ』(2020年3月)
『水を縫う』(2020年5月)
『やわらかい砂のうえ』(2020年7月)
『彼女が天使でなくなる日』(2020年9月)
『どうしてわたしはあの子じゃないの』(2020年11月)
『ほたるいしマジカルランド』(2021年2月)
『声の在りか』(2021年5月)
『雨夜の星たち』(2021年6月)
ガラスの海を渡る舟』(2021年9月)
タイムマシンに乗れないぼくたち』(2022年2月)
カレーの時間』(2022年6月)
川のほとりに立つ者は』(2022年10月)
白ゆき紅ばら』(2023年2月)

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