【感想】『カレーの時間』寺地はるな|頑固親父の脳みそを更新せよ!

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カレーの時間|寺地はるな

ケイチャン

ケイチャン

【2022年105冊目】

今回ご紹介する一冊は、

寺地はるな 著

『カレーの時間』です。

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【感想】「頑固親父の脳みそを更新せよ!」

あなたはほっこり甘口派?それとも激辛がお好き?
戦後を生きた頑固一徹ザ昭和の祖父と
現代を生きる失敗しないのがなによりの青年との
レトルトカレーな日々と描く、現代小説です

母は三姉妹、いとこは全員女の子とゆー
女系家族で育った桐矢(きりや)くん

実は僕も父系がこの状態でした
今でも女の子といるほうがくつろいでいられますww

そんな桐矢クンにミッションが下される
一人暮らしの祖父と同居せよ!です
この祖父が食わせ物であった

食うや食わずの戦後に少年時代を送り
さらに父母が不在のため親類縁者をたらい回しにされる
過酷でひもじく愛情を注いでくれる人もいなかったために
独特の性格が形成される
それが・・『男は強くあれ!』でした

「頑固親父の脳みそを更新せよ!」

自らの価値観を絶対と信じ
当然のように他者にもそれを押し付ける
圧の強い困った人です
最初は同居を嫌がる桐矢クンでしたが
隣の気になる出戻り女性の葉月さんと
仲良くなったことから同居を決意する

まあ、男なんてこんなもんですね笑

いっぽう価値観が多様化し
もはや何を信じてよいのかわからなくなった
平成に育った桐矢クン
ローリスク・ノーリターンなツマンナイ日々を送っていたが
祖父と暮らすことにより
他者と関わりを持つことに抵抗が無くなってきました

そんなある日一本の電話が入る
それは離婚した祖父の元妻の死を告げる電話でした
えッ、おばあちゃんが死んだの!てか生きていたの?
これが祖父がひた隠しにしていた過去を暴く
鍵となったのです

祖父の秘密とは何なのか?
本作の要となるストーリーが語られ
物語は終わります

圧の強い祖父ですが
僕にはそれが弱さの裏返しのように思えました
強く大きな声で言うのは
『俺は正しいんだろ?』
『俺って間違ってないよな?』
と確認を求めるようです

他人の話を最初から全く聞かないのも
自分が否定されるのを恐れているようです

これでは人と対等な関係を築けるわけない
ましてや成長した子供たちとは・・です

自分の失敗を受け入れる度量を持つ
これこそがホントの男(女も)の強さなんじゃないでしょうか

皆さんは頑固親父の考えに
そうじゃないよって意見してあげることは
優しさだと思いますか?

作品紹介(出版社より)

僕の祖父には、秘密があった。

終戦後と現在、ふたつの時代を「カレー」がつなぐ
絶品“からうま”長編小説

ゴミ屋敷のような家で祖父・義景と暮らすことになった孫息子・桐矢。カレーを囲む時間だけは打ち解ける祖父が、半世紀の間、抱えてきた秘密とは――ラスト、心の底から感動が広がる傑作の誕生です。

作品データ

タイトル:『カレーの時間』
著者:寺地はるな
出版社:実業之日本社
発売日:2022/6/8

作家紹介

寺地はるな(てらち・はるな)

1977年佐賀県生まれ。 大阪府在住。
2014年『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。
他の著書に『わたしの良い子』、『大人は泣かないと思っていた』、『正しい愛と理想の息子』、『夜が暗いとはかぎらない』、『架空の犬と嘘をつく猫』などがある。

寺地はるなの作品紹介

『ビオレタ』(2017年1月)
『今日のハチミツ、あしたの私』(2017年3月)
『みちづれはいても、ひとり』(2017年10月)
『架空の犬と嘘をつく猫』(2017年12月)
『大人は泣かないと思っていた』(2018年7月)
『正しい愛と理想の息子』(2018年11月)
『夜が暗いとはかぎらない』(2019年4月)
『わたしの良い子』(2019年9月)
『希望のゆくえ』(2020年3月)
『水を縫う』(2020年5月)
『やわらかい砂のうえ』(2020年7月)
『彼女が天使でなくなる日』(2020年9月)
『どうしてわたしはあの子じゃないの』(2020年11月)
『ほたるいしマジカルランド』(2021年2月)
『声の在りか』(2021年5月)
『雨夜の星たち』(2021年6月)
ガラスの海を渡る舟』(2021年9月)
タイムマシンに乗れないぼくたち』(2022年2月)
カレーの時間』(2022年6月)

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