ケイチャン
今回ご紹介する一冊は、
寺地はるな 著
『ガラスの海を渡る舟』 です。
もくじ
【感想】「みんな同じなんて、おかしい!」「ひとりひとり、皆違っているのに!」
発達障害の兄
なんでも平均点の妹
けっして仲良くない
むしろ反発することが多い2人が
祖父の残したガラス工房で
ケンカして、仲直りして
上手くゆかずしょんぼりして
しかし懸命に努力して
成長してゆく物語です
学校では
前にならい横にあわせることが
生きる術と習うことでしょう
同じ制服を着て
同じ授業を受けて
ランク別に箱詰めされて
大学や企業に出荷されてゆく・・
寄り添うように語られる
寺地はるなの言葉は
そんな所々凸凹して
減点されちゃう僕らを
肯定してくれるように
優しい
作品紹介(出版社より)
大阪の心斎橋からほど近いエリアにある「空堀商店街」。
そこには、兄妹二人が営むガラス工房があった。兄の道は幼い頃から落ち着きがなく、コミュニケーションが苦手で、「みんな」に協調したり、他人の気持ちに共感したりすることができない。
妹の羽衣子は、道とは対照的に、コミュニケーションが得意で何事もそつなくこなせるが、突出した「何か」がなく、自分の個性を見つけられずにいる。
正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていて、祖父の遺言で共に工房を引き継ぐことになってからも、衝突が絶えなかった。
そんなガラス工房に、ある客からの変わった依頼が舞い込む。それは、「ガラスの骨壺が欲しい」というもので――。『水を縫う』『大人は泣かないと思っていた』の寺地はるなが放つ、新たな感動作!
相容れない兄妹ふたりが過ごした、愛おしい10年間を描く傑作長編。
作品データ
タイトル:『ガラスの海を渡る舟』
著:寺地はるな
出版社:PHP研究所
発売日:2021/9/10
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