ケイチャン
【2023年2冊目】
今回ご紹介する一冊は、
内館牧子著
『老害の人』です。
もくじ
【感想】「邪魔者扱いするオマエもすぐに老害になるんだぞ！」
生老病死とはお釈迦様が説く
生きることの辛さを意味しますが
内館牧子の老人シリーズは
触れたくないこの現実に
スポットを当てます
老害
よく耳にする言葉です
わがまま
自制心欠如
人の話を聞かない
ネガティブな響きですね
本書に登場する高齢者の方々も
自慢
説教
下手な趣味の講釈
とやりたい放題です
しかし老人だって
感情があるんだ！
現代社会はだいたい
働き盛りの世代が活躍しやすいように
出来ているのですから
ペースが違う高齢者が
弾かれちゃうのは仕方ない
仕方ないとゆーが
高齢者にしてみれば
たまったもんじゃあない！
物語は中小企業のオモチャ屋を
経営する一家を中心にして
老人、働く世代、主婦、学生
それぞれの視点から
老後を描いてゆく
身勝手な老害たちが
言いたい放題言って威張って
邪険にされ失敗してしょんぼりして
けれども毎日生きて行く姿に
長生きしてね～と応援したくなる
コミカルな描写に助けられ
楽しく読めます
ズバズバとした辛辣な表現も
また面白く読める
僕も高齢者になったら
仲間を募って
若鮎サロンのような
楽しい居場所を作りたい♪
そう思いました
老人になったら
あなたも僕と
お茶飲み友達に
なりませんか？
作品紹介（出版社より）
迷惑なの！ と言われても。
昔話に説教、趣味の講釈、病気自慢に孫自慢。
そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。
彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、老害五重奏（クインテット）は絶好調。
「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第４弾！
定年、終活、人生のあとしまつ……。
自分のこと、親のこと、いずれは誰もが直面する「老後」。
「最近の若い人は……」というぼやきが今や「これだから『老害』は」となってしまった時代。
内館節でさらなる深部に切り込む！
作品データ
タイトル：『老害の人』
著者：内館牧子
出版社：講談社
発売日：2022/10/17
作家紹介
内館牧子（うちだて・まきこ）
1948年秋田県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。三菱重工に入社後、13年半のOL生活を経て、1988年に脚本家デビュー。
1993年橋田賞大賞受賞。
2011年モンテカルロ・テレビ祭で最優秀作品賞など三冠を受賞。
2000年９月より女性初の横綱審議委員に就任し、2010年１月任期満了により同委員退任。
2006年東北大学大学院文学研究科で、論文「大相撲の宗教学的考察ー土俵という聖域」で修士号取得。2005年より同大学相撲部監督に就任し、現在総監督。
著書に『義務と演技』『夢を叶える夢を見た』『エイジハラスメント』『十二単衣を着た悪魔ー源氏物語異聞』『カネを積まれても使いたくない日本語』『終わった人』『きれいの手口ー秋田美人と京美人の「美薬」』『ある夜のダリア』など多数。
テレビドラマの脚本に「毛利元就」「ひらり」「私の青空」「昔の男」「白虎隊」「塀の中の中学校」など多数。
内館牧子の作品紹介
『義務と演技』（1995/11/01）
『夢を叶える夢を見た』（2002/12/01）
『エイジハラスメント』（2008/07/01）
『十二単衣を着た悪魔ー源氏物語異聞』（2012/05/11）
『カネを積まれても使いたくない日本語』（2012/10/16）
『終わった人』（2011/5/7）
『きれいの手口ー秋田美人と京美人の「美薬」』（2019/7/5）
『ある夜のダリア』（2016/10/5）
『老害の人』（2022/10/17）
・・・など多数