【本の感想】『ふたり腐れ』櫛木理宇|無垢で残酷な魂

【2025年85冊目】
今回ご紹介する一冊は、
櫛木理宇 著
『ふたり腐れ』です。
【感想】「無垢で残酷な魂」
旅は道連れ世は情け容赦なし!
なるべくして連続殺人の旅に出る
2人のサイコキラーを描く
殺人ロードノベルです
大切な人がいない・・
孤独な生活を送る
派遣社員のイチカちゃん
虚無のような毎日が、辛い・・
同類、み~つけた!
そんな彼女を、見つけた者がいた
カマキリが虫を捕食するように
生きるために殺す、連続殺人鬼が
イチカを見初めてしまうのだ
孤独な魂で結ばれた
同行二人の殺人旅行は
どこまで続くのか?
呼吸するように人を殺す
『防犯カメラの女』に気が付く警察
連続殺人犯を、静かに追う捜査が
緊迫感をもたらします
ストックホルム症候群
(犯人に共感を抱く被害者の心理)
が本書のテーマになっており
イチカと『防犯カメラの女』の心情に
僕ら読者も引き込まれていきますが
それは作者の罠でした
正と悪がぐるりと反転する
真相にカタルシスを覚える

櫛木作品らしいサイコパスたちの物語でした

あなたにはどうしても一緒に居たい人がいますか?
作品紹介(出版社より)
『死刑にいたる病』の著者が放つ、カップル・シリアルキラー小説の傑作
コールセンターで働くイチカは平凡な日常を静かに過ごしていた。そんなある日、居酒屋で隣り合った大柄な女が人を殺す場面を目撃したことから、連続殺人鬼との奇妙な共同生活が始まる……その関係は支配か友情か恋か。ふたりが堕ちてゆく果てにあるものとは?
作品データ
タイトル:『ふたり腐れ』
著者:櫛木理宇
出版社:小学館
発売日:2025/4/23
作家紹介
櫛木 理宇(くしき・りう)
2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー。
同年『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞。
『ドリームダスト・モンスターズ』シリーズや、『死刑にいたる病』『209号室には知らない子供がいる』『鵜頭川村事件』『避雷針の夏』や『老い蜂』、映画化を控える『死刑にいたる病』など著書多数。
櫛木理宇の作品紹介
『ホーンテッド・キャンパス』
『お城のもとの七凪町 骨董屋事件帖』(2014/02/20)
『ドリームダスト・モンスターズ』
『チェインドッグ』(2015/07/22)
『赤と白』(2015/12/22)
『侵蝕 壊される家族の記録』(2016/06/18)
『僕とモナミと、春に会う』(2016/12/06)
『避雷針の夏』(2017/07/20)
『死刑にいたる病』(2017/10/25)
『アンハッピー・ウェディング 結婚の神様』(2018/01/09)
『瑕死物件 209号室のアオイ』(2018/11/22)
『少女葬』(2019/05/01)
『世界が赫(あか)に染まる日に』(2019/09/20)
『死んでもいい』(2020/04/16)
『虜囚の犬』(2020/07/09)
『殺人依存症』(2020/10/07)
『鵜頭川村事件』(2020/11/10)
『ぬるくゆるやかに流れる黒い川』(2021/09/09)
『老い蜂(2021/09/24)
『残酷依存症』(2022/04/07)
『氷の致死量』(2022/05/10)
『虎を追う』(2022/06/14)
『少年籠城 』(2023/05/10)
『骨と肉』2024/7/25
『死蝋の匣』2024/7/2
『逃亡犯とゆびきり』2024/12/11
『ふたり腐れ』2025/4/23

