【感想】『ジェンダー・クライム』天童荒太|謝罪は自分のためにある

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ジェンダー・クライム|天童荒太

ケイチャン

ケイチャン

【2024年27冊目】

今回ご紹介する一冊は、

天童荒太 著

『ジェンダー・クライム』です。

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【感想】「謝罪は自分のためにある」

クライムサスペンス

たかがレ〇プで騒ぐなよ・・
その傲慢な対応がもたらす
犯罪の連鎖を描く
性被害の物語です

男は無自覚に
女を傷つける

中年男性の全裸死体が発見される
なんと肛門には裂傷があった
・・まさか〇イプされたのか?
そして肛内には「目には目を」と
メッセージが残されていました

小太りの中年男性がレイ〇される
この事実に驚くのが本編の主人公
鞍岡(くらおか)警部補です
彼には理解不能の事態でした

そんな鞍岡さんのバディとなるのが
まだ若い志波(しば)くんです
優秀なのにニヒルな様子な彼
いったい過去に何があったのか?

物語は
熱血・気合・根性の鞍岡さんと
合理性・気付きと思いやりの
志波くんとのコンビが捜査していく
過程を描いていきます

そして明らかになるのが
被害男性の息子が3年前に起こした
集団レ〇プ事件でした
被害者を無理やり示談に持ち込み
加害者は謝罪もしなかった
この事件が発端に違いない!

だが事件はさらに発展し
次の被害者が出てしまう
警察官にも負傷者が出る
急展開ののちに、ついに
慟哭の真実が語られるのだった

「謝罪は自分のためにある」

もう1人の主人公と言えるのが
最初の被害者の息子であり
集団レイ〇事件の加害者である
進人(しんと)くんです

僕は巻き込まれただけなのに!

悪友のおかげで
大学を退学するハメとなり
就学の就職も出来ず
未来の見えない日々・・

あの時「止めろよ!」と言えたなら
と後悔する毎日です

被害女性にちゃんと
謝罪が出来ていたのなら・・
僕も人生を進めることが
出来たのではないだろうか?

性被害が周囲に与える
影響を描く本作
辛い展開が続き
心が重くなります

また性被害について
たかが〇イプぐらいで
と軽く考えて
女性を軽視する世相を
するどく批判しています

もし被害者が自分の大切な人だったなら

そう想像力を働かせて
寄り添う気持ちを持つことが
僕たちには必要なのでしょう

作品紹介(出版社より)

『悼む人』『永遠の仔』の著者が贈る、ノンストップ・クライムサスペンス。

誰もが容疑者。誰もが当事者。
性にまつわる犯罪……ジェンダー・クライムは連鎖する。

土手下に転がされていた男性の遺体。
暴行の痕が残る体には、メッセージが残されていた。

「目には目を」

なんと男の息子は、3年前に起きた集団レイプ事件の加害者だった――。
次々現れる容疑者、そして新たな殺人。
罪を償うべきは、あなたかもしれない。

天童荒太の原点回帰にして、記念碑的作品!

作品データ

タイトル:『ジェンダー・クライム』
著者:天童荒太
出版社:文藝春秋
発売日:2024/1/15

作家紹介

天童荒太(てんどう・あらた)

1960年愛媛県生れ。
1986年「白の家族」で野性時代新人文学賞を受賞。
映画の原作、脚本を手がけたのち、1993年、『孤独の歌声』が日本推理サスペンス大賞優秀作となる。
1996年『家族狩り』で山本周五郎賞を受賞。
2000年『永遠の仔』で日本推理作家協会賞を受賞。
2009年『悼む人』で直木賞を受賞。
2013年『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞する。
他に『あふれた愛』『静人日記』『ムーンナイト・ダイバー』『ペインレス』『巡礼の家』『迷子のままで』などがある。前作に当たる『包帯クラブ』は2006年に刊行、30万部のベストセラーになり、映画化もされた。

天童荒太 の作品

『白の家族』1992/3/1
『孤独の歌声』1994/1/1
『家族狩り』1995/11/1
『永遠の仔』1999/2/1
『悼む人』2008/11/30
『静人日記』2009/11/26
『あふれた愛』2000/11/2
『歓喜の仔』2015/8/5
『ペインレス』2018/4/20
『ムーンナイト・ダイバー』2016/1/23
『巡礼の家』2019/10/3
『迷子のままで』2020/5/20
『僕の女を探しているんだ』
包帯クラブ ルック・アット・ミー! 』2022/3/14
ジェンダー・クライム』2024/1/15

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