『ゾンビ回収婦』小砂川チト あらすじと感想|かまって欲しいけど、かまって欲しくないの・・


【2026年103冊目】
今回ご紹介する一冊は、
小砂川チト 著
『ゾンビ回収婦』です。
「良い子」「真面目な人」という役割に縛られて生きてきた人
あらすじと感想
AIにも承認欲求が、あるのだろうか??
会社をクビになる、わたしと夫のシーンからスタートです
解雇の原因はAI
仕事=存在証明が無くなり動揺する主人公と、仕事=もうやらなくていいwと出奔する夫と、夫婦の対応は分かれてしまいます

・・あなたならどうしますか?
さてやることが無くなったわたしは、いなくなってしまった夫が残したVRゲームの中に自分の存在意義を見出します
ゾンビがあふれるホテルで、戦闘後のお片付けをする主人公は、虚構の世界で何を思いそして幸せになれるのでしょうか?
どうやってNPCになるのか? お給料は出るのか?
お金がなくても生活はできるのだろうか?
あらゆる疑問を置き去りにしてストーリーは、ずんずんと進んでゆきます

強引なのは嫌いじゃないよ笑
真面目が取り柄の、わたし
日々、戦闘後に粉々に散らばったゾンビの身体をお片付けします
・・けど物足りないの
それはホテルの支配人に認められていないと感じるからです
労働には対価が必要?
支配人に無視されている!
このことがわたしの心が満たされない原因です
自分が認められない不満をメンタルケア役の『ぬいぐるみのクマちゃん』に語るシーンは、まるで子どもが駄々をこねているよう・・
不満を飲み込んで、誰に頼まれたわけでもない仕事を、黙々とし続ける、わたしにやがて転機が訪れます
ゲーム内の戦闘で仲の良くなった(と私が思っている)NPCのゾンビが殺されてしまい、しかも復活しないのです
わたしたちは代替可能なモブキャラじゃなかったの!?
誰にも注目されたくないけど、誰かに見てもらいたい
・・このわたしの働きを、相反する思いに葛藤する、わたし
AIのように働いているけど、人として認めて欲しいんだ!
インターネット世界では、人とAIの区別がつくの?
すっかりVRゲームの住人になってしまった、わたしは、寝ず・飲まず・食わず、ゲームに没入します
そこへ心配した母がやって来る、やせ細った娘に驚き、救急車を呼ばれて病院に搬送されます
まあ、当然ですよね
入院した、わたしはしかし、ゲームの世界から抜け出せない
現実と妄想の境界線を越えてふたたび、脳内でゲーム中に戻ってしまうのでした・・

そこで幸せになれたのでしょうか?
ついにやって来た、AIと共存する世界で、僕たち人間はその存在意義を示し、人間性を誇れるのだろうか?

あなたは困った時、現実の友達よりもAIのほうを頼っていませんか?
作品紹介(出版社より)
第175回芥川賞受賞作!
この世界の秘密をあなたに教えたい――。
わたしはこのホテルの、たったひとりの掃除婦。殺されたゾンビの骸を拾い集めて、世界を美しく保つのだ。
AI〈やつら〉に侵食された世界で、夫とともに職を失ったわたし――の前にもうひとつの現実がたち顕れた。三十余年良い子で大人になったわたしは、これまでと変わらずに、懸命にひたむきに役割をこなしていく。
感謝されず、褒められもしない。それこそまるで「 」みたいに?
一気読み必至の圧倒的虚構世界〈リアルライフ〉。
作品データ
タイトル:『ゾンビ回収婦』
著者:小砂川チト
出版社:講談社
発売日:2026/7/9
作家紹介
小砂川チト(こさがわ・ちと)
1990年岩手県生まれ。慶応義塾大学文学部卒業、同大学院社会学研究科心理学専攻修了。
2022年、「家庭用安心坑夫」で第65回群像新人文学賞を受賞。同作が第167回芥川賞候補作となる。
小砂川チトの作品紹介
『家庭用安心坑夫』2022/7/11
『猿の戴冠式』2024/1/19
『ゾンビ回収婦』2026/7/9


