【本の感想】『恋の収穫期』最果タヒ|恋ってなーに?それ美味しいの?笑

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最果タヒ『恋の収穫期』とカツ丼

ケイチャン

ケイチャン

【2025年74冊目】

今回ご紹介する一冊は、

最果タヒ 著

『恋の収穫期』です。

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【本の感想】「恋ってなーに?それ美味しいの?笑」

恋愛小説

未来都市東京から転校生がやってくる!
そんなアイドルみたいな彼が選んだのが
私だった・・
火の鳥復活編を思わせる
軽井沢の青春小説です

ケイチャン

ケイチャン

ひょっとして、SF小説ですか?

舞台は22世紀の軽井沢ですが
田舎なので現代の21世紀と
そんなに変わりません
変わったのは、東京だけ

そんな憧れの東京から
ひとりの男子がやってきた!
梢(こずえ)ちゃんの通う高校は大騒ぎ
親友の光(ひかり)ちゃんなんてもう
初日に告白しちゃうんだ

でも早見(はやみ)くんは
私だけ、見ているんだ

なぜ!どうして?
転校生の早見くんは
梢ちゃんへと距離を詰めて来る
そんなことされたら、私も
好きになっちゃうよ!?

「恋ってなーに?それ美味しいの?笑」

物語の前半は梢ちゃんと光ちゃんの
高校へやってきたアイドルのような
転校生、早見くんがモテまくる
恋に恋する青春恋愛パートです

ケイチャン

ケイチャン

う~ん、ニヤニヤしちゃうよ笑

ところが中盤の早見くんが
東京で生活していた頃のエピソードから
雰囲気が変わってきます

未来都市東京は超人類の住むところ

人体と機械の融合
永遠に近い命、と
エスエフな世界が展開されます

僕は失敗作なんだ・・
機械の眼の異常で
人がロボットに見えてしまう
早見くんは東京で孤独でした

ケイチャン

ケイチャン

手塚治虫の火の鳥復活編みたい

軽井沢で手にした、友達
恋したい!恋ってなんだ?
恋は必要?恋って美味しいの?笑

ケイチャン

ケイチャン

軽やかに問答するような青春が
微笑ましい

ケイチャン

ケイチャン

歌うように綴られる
最果タヒの文章も素敵で
未来なのにノスタルジーを感じる
一風変わった恋と青春の物語でした

作品紹介(出版社より)

心がふるえる青春(恋愛)小説が生まれた。
近未来を舞台にした全く新しい青春(恋愛)小説が誕生した!
              
22世紀になって科学技術は東京だけに一極集中している。
ここ軽井沢では通信機器は使用不能。
私が通う高校に東京から転校生(未来人?)がやってきた。
恋をまだ知らない私は彼に言った。
「私と恋をするんでしょう? それは、一緒に戦うってことだよ!」

「人の中には、白く光る星のようなものがあって、
みんなそれを守っているのだと、そのことを信じられたら、
愛も友情も決意も一人きりの誇りも
すべてがその星からあふれた光だと思えるから。
なんだって、できる。きみの目を、私として、見つめていられる。」
……あとがきより

作品データ

タイトル:『恋の収穫期』
著者:最果タヒ
出版社:小学館
発売日:2025/5/14

作家紹介

最果タヒ(さいはて・たひ)


1986年生まれ。詩人。
2004年よりインターネット上で詩作をはじめ、翌年より「現代詩手帖」の新人作品欄に投稿をはじめる。
2006年、現代詩手帖賞受賞。
2007年、第一詩集『グッドモーニング』を刊行。同作で中原中也賞を受賞。
以後の詩集に『空が分裂する』、『死んでしまう系のぼくらに』(現代詩花椿賞)、『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2017年、石井裕也監督により映画化)、『愛の縫い目はここ』、『天国と、とてつもない暇』、『恋人たちはせーので光る』、『夜景座生まれ』、『さっきまでは薔薇だったぼく』、『不死身のつもりの流れ星』、『落雷はすべてキス』がある。
2017年に刊行した『千年後の百人一首』(清川あさみとの共著)では100首を詩の言葉で現代語訳した。
2018年、案内エッセイ『百人一首という感情』刊行。
小説作品に『星か獣になる季節』、『渦森今日子は宇宙に期待しない。』、『十代に共感する奴はみんな嘘つき』など。
エッセイ集に『きみの言い訳は最高の芸術』、『「好き」の因数分解』、『コンプレックス・プリズム』、『恋できみが死なない理由』など。
絵本に『ここは』、翻訳作品に『わたしの全てのわたしたち』がある。

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最果タヒの作品

『グッドモ-ニング』2007/10/1
『星か獣になる季節』2015/2/18
『かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。』2015/2/25
『かけがえのないマグマ 大森靖子激白』2016/1/30
『少女ABCDEFGHIJKLMN』2016/7/6
『きみの言い訳は最高の芸術』2016/10/26
『十代に共感する奴はみんな嘘つき』2017/3/27
『天国と、とてつもない暇』2018/9/26
『ここは』2020/6/25
『神様の友達の友達の友達はぼく』2021/12/1
『さっきまでは薔薇だったぼく』2022/4/13
『不死身のつもりの流れ星』2023/2/1
『ファンになる。きみへの愛にリボンをつける。』2024/9/19
恋の収穫期』2025/5/14